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はり・きゅう・マッサージの保険取り扱いについて(一般の方へ)


◆はり・きゅう・マッサージでは健康保険を使えないの?

 ある一定の疾患または症状の方は、お医者さんの同意に基づく健康保険(国民健康保険や後期高齢者医療保険、組合保険、共済保険など)により安価に(1〜3割負担)、はり・きゅう、マッサージなどの施術を受けられる場合があります。

※ただし、全ての施術所で、保険取り扱いがされているわけではありませんので、実際に保険による施術などを受けようとする方は、事前に保険取り扱いの有無や内容について、各施術所にお問い合わせください。

※健康保険とは別に、高知県内のいくつかの市町村では「はり・きゅう・マッサージ施術」に対する補助制度があります。
これらの補助制度については各実施市町村によって内容が異なっていますので、詳細についてはお住まいの市町村窓口にお問い合わせ下さい。

◆どのような病気や症状のときに保険が使えるの?

 「はり・きゅう」と「マッサージ」では、健康保険の取り扱いが可能な疾患や症状に違いがあります。
 また、お医者さんの治療と平行して「はり・きゅう」や「マッサージ」の施術が受けられるかどうかにも違いがありますので、ご注意ください。

【マッサージの場合】
 マッサージの保険適応は、診断名(病名)に関わりなく、筋肉の麻痺(まひ)や萎縮(いしゅく)、関節の拘縮(こうしゅく)などがあり、お医者さんが「マッサージを必要とする」と認めた場合に可能となります。
 たとえば、脳血管障害(脳卒中)の後遺症による麻痺や骨折後の関節拘縮などが対象となりますが、マッサージの保険施術は「医療との併用が基本」となっていますので、定期的な病院への通院が必要となる場合があります。

【はり・きゅうの場合】
 「はり・きゅう」の保険適応は、痛みを主症状とする慢性的な病気で、医師による適当な治療手段がないものとされています。
 現在、下記の疾患が保険施術の対象となっていますが、上述の通り”医師による適当な治療手段がないもの”ということから、はり・きゅうの保険施術を受けている期間は、同じ病名でほかの病院などでの診療を同時に受けることができないということになっていますのでご注意ください。

※ ただし、違う病名で病院にかかることや、同意書・診断書を書いてもらうための受診、検査受診、歯科受診などについては並療には当たりませんので、差し支え有りません。

@神経痛
(座骨神経痛や肋間神経痛、顔面(三叉)神経痛など)
A五十肩
(肩関節の炎症や痛みで腕が上がりにくいなどの運動制限がある)
B頸腕症候群
(首や肩、腕に痛みやしびれがある)
C腰痛症
(腰が痛む、あるいは重い感じがする)
Dリウマチ
(手・足などの関節が腫れて痛む)
E頸椎捻挫後遺症
(いわゆる「むちうち症」)
F上記六疾患に似た慢性的な疼痛疾患
(変形性関節症や膠原病、線維筋痛症など)

◆実際に保険での施術を受ける手続きは?

 はり・きゅう・マッサージ施術に対する療養費の支給については、本来、”施術所などで施術料の全額をお支払いいただいた後に、患者さん自身が保険者に申請をして療養費がもどってくる方法”(償還払い)が原則ですが、患者さんの利便性の観点から、”施術所の窓口で療養費の一部負担金のみを支払い、委任を受けた施術所が患者さんに代わって療養費の請求や受領を行う方法”(受領委任払い)が多くの健康保険で認められています。

※ ご加入の健康保険が受領委任制度に参加しているかどうかは、事前に保険者にお問い合わせいただくか、施術所でお尋ねください。

 実際の手続きの流れは以下のようになります。

@保険取り扱いをされている施術所に問い合わせをする
 全ての施術所で健康保険の取り扱いが可能というわけではありませんので、上記の疾患または症状で、健康保険によるはり・きゅう・マッサージなどの施術を受けたいと思われたら、まずは、お近くの施術所で保険取り扱いをされているかどうかのお問い合わせをしてください。

A施術者から説明を受けた上で同意書用紙など所定の書類を預かる
 実際に健康保険による施術を行っている施術所で、お身体の状態などを診てもらった上で、健康保険による施術の流れや料金などの説明を受け、お医者さんに書いていただくための同意書など必要な書類をいただいてきてください。
(施術所によっては、必要な書類などを持って、患者さんのおうちまで説明にきてくれる場合もあります。)

Bかかりつけのお医者さんに施術所から預かった書類を持参し、同意書を書いていただく
 健康保険によるはり・きゅう・マッサージなどの施術については、お医者さんの同意が必須となっています。
 適応する疾患や症状であっても、お医者さんの同意書または診断書がいただけなければ保険での施術をすることはできません。
 施術所から預かった書類の中には、同意書の他、依頼状や施術計画書などが含まれますが、患者さんからも、「保険による施術を受けたい」ということを伝え、同意書を書いていただくようにしてください。

C同意書を発行していただいたら施術所に連絡をして保険による施術の開始です!
 お医者さんに同意書または診断書を書いていただいたら、健康保険による施術が可能になりますので、その同意書と保険証、印鑑などを準備して施術を受けようとする施術所に連絡をしてください。
 歩行困難などで施術所への通院が難しい場合でも、往療(訪問)による施術をしてくれる施術所もありますので、お問い合わせください。

◆同意書・診断書について

 はり・きゅう・マッサージなどの保険施術を受けようとする場合は、必ずお医者さんの同意書または診断書が必要となっています。
 同意書については、整形外科でなくとも何科のお医者さんに書いていただいても有効です。
 書式については、厚生労働省が定めたものがあるので、施術を受けようとする施術所でいただいてください。
はり・きゅう同意書(厚生労働省)マッサージ)同意書(厚生労働省)
 はり・きゅう・マッサージの同意期間は、特にお医者さんの指示がない場合は、6ヶ月です。
また、変形徒手矯正術については1ヶ月となっており、それらを超えて施術を受けたい場合には、再度、お医者さんの同意が必要となります。

※はり・きゅうの保険施術期間中に、同意書に記載されている疾患で他の医療機関などの治療を受けると、はり・きゅうの保険が支給されなくなる場合がありますので、ご注意ください。