県師会
  1. トップ
  2. 研修会報告

令和6年度第3回学術生涯研修会報告(令和6年10月20日開催)

 令和6年10月20日(日)に下関市長府東公民館で、第3回学術生涯研修会を開催しました。午前は下関市東消防署の救急救命士の丸山凌平様、中村俊也様、草野隆真様を 講師にお迎えし、救急救命についての研修、午後は当会の業務部長渡邉敬子氏の講師による「ランナーのケア」とこれに関係する三吉宏之氏の膝のテーピング実習、 上野晃敬氏による対談を開催しました。参加者は12名でした。以下、内容を報告します。

1.救急救命の研修会(10:00~12:00)
1)座学
講師下関市東消防署様  傷病者の命を救い、社会復帰に導くために必要な4つの「救命の連鎖」を教えていだだきました。[心停止の予防]、[心停止の早期認識と通報]、 [一次救命処置(心肺蘇生とAED)]、[二次救命処置と心拍再開後の集中治療]の四つの輪で成り立っており、この四つの輪が途切れることなくすばやくつながることで、 救命効果が高まります。
 今回は[一次救命処置(心肺蘇生とAED)]についての実習を重点すると報告があり、早速実習に入りました。
【写真:左から中村俊也様、丸山凌平様、草野隆真様】


2)一次救命処置(心肺蘇生とAED)の実習
AED実習前教育

 119番通報から救急車が到着するまで、約8分かかります。この間に一次救命処置をすることで、救命の可能性が大きくあがります。 そのために行うと説明があり、人形を使い実習しました。



【 写真:胸骨圧迫方法の指導を受ける参加者】


3)実践実習
AED実践演技  参加者を2チームにわけ、各チームの代表3名が倒れた人の発見者、119番通報者、AED手配者になり、教わった一連の一次救命処置をしました。 発見者は周囲の安全確認し、肩を最初はゆっくり叩き、耳元で大丈夫ですかと声をかけ意識の確認をしました。意識のないことを確認し、発見者は119番通報者に 110番通報を依頼し、通報者は倒れた人の場所、年齢、性別、時間、呼吸の有無を電話しました。発見者はすぐに、AEDの手配を指示しました。そして、 胸骨圧迫、息吹き込みを行い、AEDが到着するとパットの装着、AED作動と一連の動作を行い、救急救命士の方に確認していだきました。
【写真:実践実習している参加者】
4)感想
 実践演技は皆様うまく演じられたと思います。実習したことで、万一、倒れた人に遭遇した時は積極的に対応ができると思いました。 講師の先生方の丁寧なご指導、ありがとうございました。


2.ランナーのケアの研修会(13:00~14:30)
 施術者の役割はランナーの傷めた筋肉への治療も大切だが、傷害を繰り返さないためにも適切なアドバイスをすることも重要な役目です。本研修はラ ンナーの訴えの多い腓腹筋けいれん、腸腰筋靭帯炎、大腿四頭筋腱炎を視野にいれ、関節や筋肉に必要以上に負担をかけない下記4項目について知識を深 めていただきたい。と渡邉敬子氏から説明がありました。
1)体力づくり
  足のつる原因の一つに肩甲骨周囲、上半身の固さと股関節の固さがあります。 タオルを使用した体操  ●タオルを使用した肩甲骨をやわらくする方法を教えていただきました。
【写真:タオルを使用しての実習】
●股関節をやわらくする方法
 両足をそろえ、片方の足を少しさげ、その足を外に回しながら、ハードルをまたぐようにして、元の位置にもどします。次に反対の足を同様に行います。


●膝をまもるための腸脛靭帯のテーピング
腸脛靭帯へのテーピング

 ランナーが腸脛靭帯炎にならないようにテーピング法を教えていただきました。腸脛靭帯炎は膝の屈伸運動を腸脛靭帯が繰り返すことにより大腿骨外側上顆部でこすれて、 炎症を起こすことです。写真の黒色テープは腸脛靭帯、2本の橙色のテープの上のテープは大腿筋膜張筋、下のテープは大殿筋を示します。





膝をまもるテーピング  使用したテーピング用テープは幅5cm長さ15cm1枚と幅5cm長さ25cmの1枚の合計2枚の収縮性テープです。 長いテープは脛骨粗面から、膝蓋骨の外側と腓骨頭の間をとおり、腸脛靭帯に沿って貼ります。膝蓋骨外側を通るまで、しっかり伸ばしして貼り、そのあとはあまり伸ばさず に貼ります。短いテープは脛骨粗面から膝蓋骨の内側をとおり、大腿四頭筋の内側広筋に沿って貼ります。こちらのテープはバランスをとるためです。これで膝が守られま す。三吉宏之氏の指導のもと、参加者はペアを組み、実習しました。
【写真:テーピング完成 テーピング用は肌色で目立たないので、橙色を使用】


2)足づくり
 片足立トレーニングの実習をしました。頭のてっぺんを上から引っ張られている姿勢で、足首、膝をまげないで、10秒キープの実習をしました。参加者は10秒キープが 難しいようでした。
3)姿勢(フォーム)づくり
 □体が一直線になる。頭のてっぺんを上から引っ張られた感じ
 □胸を前から引っ張られた感じで、肩から前に倒す。
 □背中全体を後ろから押された感じ。
4)脱水対策 
 □数日前からの水分調整、細胞にたっぷり水分を補給する。
 □前日には、尿の色がうすくなるまで、水分摂取に心がける。

3.上野晃敬氏との対談
上野先生  今回の研修会で、2名の新入会員の参加がありましたので、経験豊かな上野氏と対談をしました。その中で、新入会員から、開業と集客についての質問がありましたので、 上野氏の金言を紹介します。
1)開業とその継続の秘訣
 根性、根気、好奇心が必要です。
2)集客について
 自分自身の勉強が必要です。下記の図書を読むことを勧められました。
□ 経絡と指圧  増永静人 著
□秘宝一本鍼伝書 柳谷 素霊 著 この2冊の本は医道の日本で購入できます。
 宣伝も必要と思いますが良い施術者は口コミで広がります。私の場合はラインを使い、予約受付や患者さんの相談を受けています。 治療は患者さんが一番要求しているところをしてください。
【写真:新入会員さんの質問に答える上野晃敬氏】
4.感想
 ランナーのケアは私達が患者さんの悪いとことだけを見るだけでなく、体力つくり、フォームの見直し等のアドバイスをすることで、より良い状態に できることの研修でした。マラソンランナーが給水後、余った水を体にかけている姿をテレビで見ますが塩分を洗い流し、浸透圧による水分の吸いだしを防止している との説明に納得しました。研修の間に新入会員さんとの対談は私達にも大変役立ちました。ありがとうございました。

【報告者 広報部長 河口聖治】



令和6年度第2回学術生涯研修会報告(令和6年8月25日開催)

令和6年度第2回学術生涯研修会報告
 

業務執行理事 河口聖治


 令和6年8月25日(日)10時から15時15分まで、当会 業務執行理事の私が講師として、「東洋療法と免疫」について、お話をいたしました。 場所は周南市新南陽ふれあいセンターで参加者は14名でした。以下、内容を説明いたします。
1.始めに
講師河口  私達の体に備わっている2つの免疫システムで、体を病気から守ります。一つは体表を覆い、皮膚から侵入する病原体を防御する自然免疫です。 もう一つは血液中を循環し、記憶形成を持つ獲得免疫です。自然免疫は皮膚や粘膜などの体の表面に構築されています。その表面に発現したレセプターを介して 病原体を取り込み、その特徴を「獲得免疫」を担うT細胞あるいはB細胞などのリンパ球群に伝達し、記憶させ、この免疫細胞が病原体を排除します。 【右の写真は講義中の筆者】
 このことが約2,200年前の黄帝内経の霊枢・栄衛生会の「営気と衛気」が自然免疫と獲得免疫に当てはまり、上古天真論篇第一に書いてある「恬淡虚無心氣従」 と素問第43篇痺論 「営気と衛気の協調」が免疫力アップに相当すると考えました。免疫学と黄帝内経の関係、時空を超えての私見です。肝となる3項目を 理解してただいき、本文に入ります。
1)自然免疫と獲得免疫の図
自然免疫と獲得免疫の図









 免疫システム、黄帝内経の内容とその関係がわかりにくいので、図面化しました。自然免疫が衛気、獲得免疫が営気になります。
この2つの免疫システムで、体を病気から守ります。この抗原(病原体)を白血球が攻撃する図です。
2)気の種類
 飲食物から得られる「水穀の精微」及び肺が吸入した「清気」よって作られる「後天の精気」と両親から受け継いだ「先天の精気」により様々な気が生成されます。
 ●元気(げんき)
   生命活動の原動力。臓腑を動かす働きで、全身に分布している。
 ●宗気(そうき)
   胸に集まり、呼吸や血液の流れに関係している。
 ●営気(えいき)
   栄養があり、血の流れによって全身を養っている。
 ●衛気(えき)
   全身の体表、および、体の奥までくまなく分布している。
この気のなかの営気が【獲得免疫】に相当し、衛気が【自然免疫】に相当します。
3)血球の分化の主要過程
講習中写真  血球は赤血球、血小板、白血球は骨髄の幹細胞から分化します。体を守る白血球はさらに分化して、最終的に7種類になります。
7種類の白血球は以下の通りです。【右の写真は研修会場の様子です。】
A.顆粒球
 1)好酸球
 2)好中球 食作用 細菌のような比較的小さいもの
 3)好塩基球
B.単球   血中から組織にでるとマクロファージ
C.リンパ球 免疫担当細胞
 1)T細胞(胸腺) ヘルパーT細胞、キラーT細胞
 2)B細胞(骨髄) 形質細胞に転化して、抗体を産生し、抗体が抗原を攻撃する。
 3)NK細胞 キラーT細胞と同様にウイルスに感染細胞を攻撃する。
この白血球を元気にすると免疫力が上がり、病原体を排除すると考えます。
2. 黄帝内経の免疫の考え方
 ウイルスなどの知見のない2200年前の黄帝内経の霊枢・栄衛生会の「営気と衛気」が自然免疫と獲得免疫、上古天真論篇第一に書いてある 「恬淡(てんたん)虚無心氣従(無欲)」と素問第43篇痺論 「営気と衛気の協調」が免疫力アップに関係すると考えました。
1)「営気と衛気」の仕事
 東洋医学の「営気(えいき)と衛気(えき)」で、自然免疫を衛気、獲得免疫を営気に相当すると推定して話を勧めていきます。まったく、 同じではありませんが感覚的にも良く合っています。話を分かりやすくするため、邪気を新型コロナウイルス(以下、ウイルス)とします。
 体表面を覆い邪気を制御する衛気が自然免疫、経脈(気と血の流れ道)内を流れる血の邪気を制御するのが営気と考えられます。衛気には、肌表(皮膚)を保護して、 外邪の侵入に抵抗します。汗腺を開閉すことにより体温調節をはかります。臓腑を温煦(おんく:温める)、皮毛を潤沢するなどの機能があります。 外邪は多くは皮膚から侵入するがこれが衛気は経脈のなかに密集することにより、肌腠(肌のきめ)を温養し、皮膚を潤沢にし、汗腺の開閉をコントロールし、 外邪の侵入を防御しています。密集していると外邪は入りにくいが、衛気不固(衛気がうまく働かない)となり、腠理(そうり:皮膚など外邪の侵入に抵抗するところ) が緩むと、外邪はその虚に乗じて、容易に侵入し、疾病を起こします。まさにこれが自然免疫と考えます。
 黄帝内経を発展させた六経弁証(ろっけいべんしょう)には、外邪(ウイルス)が体の表面から入り、外邪が勝つと、深く内部まで入り込み、死にいたると示されています。 外邪が入り込むと今度は営気で外邪を退治します。営気は血脈中に分布しおり、血液の一部分として、循環することによって、全身に栄養を供給しています。 また、外邪と戦い退治します。このことより、人体には、営気が獲得免疫と衛気が自然免疫で、ウイルスを退治できるシステムを備えています。
2)「恬淡虚無心氣従」で衛気と営気の協調で免疫力アップ
 体にはウイルスを退治できるシステムがあります。この2つを協調することで、免疫力があがると黄帝内経に書いてあります。その方法が「恬淡虚無心氣従」 で、訳すと「あっさりして、物事に執着しないこと」(ストレスのない生活)になります。そうすることで、自然からの邪気は病気のもとであるが、 季節の変化に応じて生活(規則正しい生活、季節のものをいただき、バランスの良い食事)すればこれらを避けることができる。体内の営気は滞りなくめぐり体表 を防衛し病が侵入することいないだろう。と言っています。
3)黄帝内経の知恵から免疫力を高める3項目
(1)ストレスのない生活をする。
  ・「恬淡虚無心氣従」上古天真論篇第一」
(2)規則正しい生活をする。
     ・「食飲有節起居有常不妄作労」上記
(3)バランスの良い食事をする。
  ・ 上記と同
3.東洋療法でと免疫が上がるメカニズム
1)「はり・きゅう」の微小組織損傷と治癒の促進
 「はり・きゅう」をすると免疫力があがると言われ、鍼灸師は独自の経穴を臨床に使っていると思います。食事から栄養を取れる患者さんは良く食べて、 病気に打ち勝つように体力をつけ免疫力を上げることもできますが、食欲のない患者さん、早く治したい患者さんは「はり・きゅう」の刺激で微小組織損傷を 与えることで自律系、抗炎症の力を使用し治癒の促進ができます。
2)今回は後者の微小組織損傷と治癒の促進のメカニズム
 免疫機構は感染予防やがん細胞に対する攻撃、炎症修復といった生体に有利な仕組みです。「はり・きゅう」はこの炎症修復のメカニズムを利用します。 人為的にはり・きゅうを施術して、物理的刺激で微小組織損傷を作ります。局所の細胞や組織が壊れるとその近くいる肥満細胞からヒスタミン、セロトニンなどを放出し、 組織からはブラジキニンやプロスタグランシンなどがでてきます。これらの起炎因子は細動脈を一時的にとめ、次に細静脈をとめ、細動脈が開くと発赤ができます。 これがはり施術後にでるフレアです。
 次に細静脈が止められてため細静脈が拡張し、起炎因子で血漿成分が流出します。そして浸透圧でまわりの水を吸収し、組織が膨らみます。これも施術中に経験します。 この血漿成分のなかに抗体が含まれていますので、免疫反応が促進されます。これからが重要なことが起こります。血管内にあった白血球は血管の内周囲にあつまり、 血管の隙間から血管外へと泳ぎ出します。 おとりに使った「はり・きゅう」の微小組織損傷の修復のためやってきた抗体、白血球がその近くの病原細菌、組織の壊れたもの、異物を食べてくれるのです。 もう少しわかりやすく説明すると、下記になります。
「はり・きゅう」で傷ついた組織を修復に来た抗体、多数の白血球がその近くにいる病原細菌、組織の壊れたもの、異物を食べて免疫があがります。
4.まとめ
1)血流、リンパの流れが良くなり免疫力がアップする理由は西洋医学も東洋医学も同じで、東洋医学の方が先に気づいていたと思います。
その理由は上古天真論篇第一に、「恬淡(てんたん)虚無心氣従(無欲)」は体内の営気は滞りなく巡り、衛気はしっかりと体表を衛し病の邪気が体 に侵入することはないだろう。」と書いてあります。【恬淡:あっさりして物事にこだわらない。】
2)血管は網目で隙間だらけ
 白血球は網目を通り、脈内外を出入りする。
3)体を守るしくみの「免疫」は、ときに異常事態や暴走を引きおこす。
例1 サイトカインストーム
  (細胞間相互作用をつかさどる液性因子の総称)
例2 リュウマチ
例3 膠原病
4)私たちの鍼・灸・マッサージは血流を良くし、免疫力が上がる。これらの施術より、血管の拡張や白血球を患部にあつめ、痛み、しびれ等を軽減できる。
5.講師 プロフィール
□1949年(昭和24年)5月 山口県山陽小野田市生まれ
□1973年(昭和48年)3月 鳥取大学 工学部 機械工学科卒
□1973年(昭和48年)4月 新明和工業株式会社入社(兵庫県宝塚市で勤務)
             2009年5月退職まで36年間ポンプの開発設計に従事  取得特許多数
□2009年(平成21年)6月 シニア雇用で技術コンサル業務開始
□2010年(平成22年)4月 大阪医療技術専門学校入学(夜間)コンサル業務を継続しながら、100kmを通学
□2013年(平成25年)3月 同校卒業と鍼灸師の国家資格取得と同時にコンサル業務終了
□2013年(平成25年)3月  認知症の母を介護するため、山陽小野田市に帰郷
□2013年(平成25年)11月 山陽小野田市で河口鍼灸院を開業
6.所見
 免疫学、黄帝内経と少しとっつきにくい題目でしたが、私なりに理解したことをお話しました。「まんが黄帝内経」を読んでいましたので、 新型コロナウイルスに感染しにくくするためには免疫力をあげるのが一つの方法ではないか。また、西洋医学の免疫学はどうなっているのだろう とそこからの出発でした。まだまだ浅学です、これからも少しずつこの知識を広げたいと思っています。
参加者から気の存在、免疫力を上げるツボ、六経弁証の順番など核心にふれる質問があり、少しはお役にたったかなと思っています。 今年、11月24日に薬膳と養生について、李暁燕先生をお迎えし、公開講座を開催します。免疫と上げる方法の一つです。ご参加よろしくお願いいたします。 長時間のご清聴ありがとうございました。
7.参考文献
 1)帳恵梯、まんが黄帝内経、医道の日本社
 2)高橋秀実、免疫と漢方:黄帝内経に掲示された古代人の智彗、日東医誌Vol64 No1
 3)朝日新聞、bereport、 2020年7月18日
 4)吉村昭彦、免疫「超」入門、BLUE BACKS 講師河口と記念撮影

















    

【講演終了後の参加者と記念撮影です。】



令和6年度第1回学術生涯研修会報告(令和6年7月28日開催)

 令和6年7月28日(日)10時から15時15分まで、(一社)広島県鍼灸マッサージ師会 会長 郷田大介氏を講師にお迎えし、テーマ「物理療法機器を併用した 保険鍼灸施術」の研修会を開催しました。場所は周南市シビック交流センターで、参加者は20名でした。以下、内容を報告します。

○電気治療とは
理学療法の中の、→物理療法の一つで、生体に電流を流すことにより、人体につながっている電気的な性質をうまく活用し外部から電気を流して様々な作用で痛みの 感覚を和らげようとするもの
○電気治療の起源
紀元前3000年古代エジプト時代(~)
→当時は電気ナマズを活用していたとみられている
→紀元前350年ころ(アリストテレスの時代~古代ローマ時代)
=電気エイを活用したとみられている
紀元後1663年ころ静電気発生装置が開発された
→電気は人体に好影響を及ぼすと考えられるようになったようである
1900年頃~電気治療器の根本となるものが発明された。→1920年頃日本製のものが作製されたと考えられている
=明治時代ころ
(平賀源内も電気治療を受けていたのではないかという話もあるようです)
○電気治療というのは
=ゲートコントロールセオリー、下行性疼痛抑制系、内因性オピオイド により、疼痛、抑制効果が産まれている
○電気刺激効果
=鎮痛効果、筋緊張の緩和、関節可動域の改善、筋力増強神経筋委縮の予防、
循環対策、傷の治療、治癒促進、薬剤運搬促進
痙縮の改善、動作歩行機能の再現、浮腫の改善
郷田先生 ○電気の種類:直流・交流
直流=、+極→-極に流れる
交流:+極と-極を行き来する
【写真右:講師 郷田大介先生】
○波形~周波の波形 ・パルス波:四角形を波打つような
・左右波:きれいな彎曲をするような波を打つ波形
・三角波:三角形の波を打つ波形
・シスウ波:彎曲した流れと大きく降下を繰り返す波形
・干渉波:丸みをおびたような波形
・バースト波:四角形の波長
○干渉電流:2つの電流を交差させ、干渉させて出来上がった周波数成分
・利点:神経刺激によるものより筋を収縮させそのポンプ作用による血流促進で痛みの物質を除去できる。
→吸引することにより組織を持ち上げ、電流を流してふるわせるため、細胞内の痛み成分をポンピング作用で血中に流す効果がある
→痛みの物質を除去することができる
=皮膚抵抗値が低いため、通電の際の痛みを感じにくくなる
→周波数を上げることも可能だがあげすぎると筋疲労を出現することもある
○SSP療法とは
郷田先生の治療実演 ・干渉波より吸盤が小さく、
→電極を経穴におき、低周波通電を行う経皮的ツボ電気刺激する治療機器
※まさに鍼灸師が使うべき機器と考えられる
【写真右:郷田大介先生による実演】
1976年
大阪医科大学  麻酔科の兵頭先生により、刺さない鍼治療という発想から開発された治療機器
=鍼を使用しない鍼治療を再現した機器といえる
○ハイボルテージ治療とは
=高圧電流による電流刺激を皮膚に抵抗を与えずに深部組織まで到達する治療機器。体の深い患部へ直接アプローチできる。→皮膚の不快感を軽減し深部へ 電流刺激を与えることができる効果:疼痛抑制効果、血流、循環増加、浮腫の軽減、1950年頃には、既に臨床で、利用されていたという
日本では、2004年、柔道の世界大会で、負傷した選手に施したところ、すぐに腫れや痛みが軽減したことで一躍注目を浴びたそうである 容易に薬の使えないプロのアスリート選手の現場では、薬に代わる炒め止めの代わりと活用されているとのこと 大谷翔平選手も愛用されているとか。→治療効果も持続時間が長く、高価もあるとされている
○電気治療と鍼灸保険施術を併用する利点
・患者さんの服装・性別にかかわらず、電気機器を活用することで、患者サイド・施術者ともに負担を軽減することが望める
・多種の電気治療機器・鍼・灸を最大限に活用し、様々な症状への対応が期待できる
その他・・・
○午後の実技では、
干渉波・SSP・ハイボルテージ・電気鍼等の実際の機器を使用して、腰痛・頚腕症候群のモデル患者の実技が行われ、また参加会員もそれぞれの電気治療器の 体験もさせていただき、様々な発見があった。

○講師のプロフィール

□2006年 IGL医療福祉専門学校 鍼灸学科 卒業
□2007年 ロシア・ノボシビルスク市にて福祉施設や国立病院で鍼灸施術に従事
□2008年 故郷の広島で、みどり鍼灸治療院開業
□2023年 (一社) 広島県鍼灸マッサージ師会 会長就任
□IGL医療福祉専門学校 教育課程編成委員会 委員
□はり師・きゅう師臨床実習指導者
□協同組合 保険鍼灸マッサージ師会 理事

 この度の研修会では、訪問治療をされておられる郷田会長のお話の中で、通行人にも配慮しながら毎日の施術に向かわれる中で、応急処置が必要な時には声掛け を迷わずされ、大変驚かされました。また、訪問先の患者様への不快感を与えないようにとの配慮から、とても整備された治療機器・器具・道具の運搬状況など の細やかな説明もされ、参加者もみな関心をもち熱心に研修を受け、大盛況で終えたと思う。

講師合田先生と記念撮影









前列4名の右から2人目が郷田大介先生、その左隣が当会会長林和俊氏、後列右から2人目が筆者小澤由佳です。

【報告者 学術部長 小澤由佳】



    

令和5年度第4回学術生涯研修会報告(令和6年2月18日開催)

 令和6年2月18日(日)10時から15時15分まで、全日本鍼灸マッサージ師会 副会長 廣野敏明先生を講師にお迎えし、 「臨床力は説明力と察知力」のテーマで、学術生涯研修会を開催しました。場所は周南市シビック交流センターで、参加者は23名でした。 研修内容を以下報告いたします。

1.一人の患者様から出発
 鍼灸マッサージ師として、初めて就職された時、周囲の先輩治療家のなかで、はじめは一人の患者様しかいなかったころから、ご自分の経験を詳細に 観察・記録・評価を続け、そのうちに残業をしなければ仕事が終わらないという成果を得ることとなったといわれました。

2、明確な説明と結果に納得
 治療家として間もなく、背部の痛みの出現をきっかけに治療を受ける患者を経験し、大きな気付きを持ったそうでした。 「痛みの原因は、脊柱のずれ」、と説明を受ける。
→施術後、「脊柱のずれがなおりました」と成果を聞かされる。
→「痛みが消えた」=治療に納得!
この明確なステップは、重要な三療業界の要素だと考えられると気付きを持ったそうです。

3、患者様と施術者
 とにかく患者様とのコミュニケーションの時間を貴重な診断の要素が含まれていると考え、現在の患者様の状況を把握することに集中すること。 主訴としての表現を捉えるだけでなく、患者様の所見を注意深く、捉えることに努めること。また、言葉の表現だけを聞くだけでなく、その背景 も考慮することも忘れてはならないとのことでした。時折、技術の高い施術者となればなるほど、施術者の思いと、患者様との希望とのずれが大きくなる 危険性もあることを、決して忘れてはならないというようなことも、おっしゃっておられたと感じました。

 →主語が「患者様」
 「患者様がどうなればいいのか?」→「私(施術者)はどうしてあげればよいのか?」  廣野先生の思いとしては、治療とは、「患者様自身の治癒力を引き出すきっかけ作り」だと、おっしゃっていました。
「滞りを改善し、流れをよくしてあげれば、治癒力を引き出すことが可能となり、症状改善が期待できる」と考えているそうです。

4.【実技編】
「指圧療法」の注意点を教えていただきました。
・垂直圧・静止圧
・指の向こうに注意を向ける
・イメージが大切
・力を抜く
・体との会話
・左右差、変化を感じ取る

5.廣野敏明先生のプロフィール
□1961年生まれ 徳島県上勝町出身 みずがめ座、O型
□1985年 あんまマッサージ指圧師免許取得
□1986年 はり師・きゅう師免許取得
     病院・鍼灸接骨院など3ヶ所、15年間勤務・のべ20万人以上を施術
□2000年 「ひろの鍼灸院」開設
地球に何十億人いても、同じ人は一人もいません。(アタリマエですね)
いつも真っ白な心で接するように心がけています。
□2010年12月 ミヤネ屋の取材がありご出演
□2024年現在 (公社)全日本鍼灸マッサージ師会 副会長 、 総務局長・広報局長
(公社)大阪府鍼灸マッサージ師会 会長
(一社)吹田鍼灸マッサージ師会 会長
●廣野鍼灸院  HPアドレスはこちら

6.感想
 この度の研修会は、開業5年前後の方には、治療家としての心得として、ベテランの先生方におかれましても、初心を思い出し、 また新たな三療師としての意気込みを固めることができた研修会となったと思っています。
対がん治療オンコロモーションのお話も少しされておられ、この業界の更なる発展を目指し、益々の廣野先生のご活躍が今後、みられるに違いないと思いました。 わかりやすく、はっきりしたお声の研修、ありがとうございました。
 研修会終了後、記念写真を撮りましたので、HPに掲載いたします。
前列3名の左が廣野敏明先生、右隣が当会会長林和俊氏、右端が筆者小澤由佳です。 講師廣野先生と記念撮影









【報告者 学術部長 小澤由佳】



        

令和5年度第3回学術生涯研修会報告(令和5年10月8日開催)

 第3回学術生涯研修会を令和5年10月8日(日)に下関市長府東公民館で開催しました。 下関市東消防署の救急救命士の野津宙騎様、小原拓哉様を講師にお迎えし、救急救命についての研修を行いました。参加者は講師を含め22名でした。
以下研修内容を報告します。

1.救急救命の研修会 (10:00~12:00)
1)応急手当の大切さ
救命処置の座学  救急車が現場に到着するまで、約8分かかります。この間に心臓と呼吸が止まって、居合わせた人が救命処置をした場合の救命の可能性は約20%、 救急車が来るまで、なにもしなかった場合は約10%と2倍の救命の可能性があり、応急処置の大切さを教えていただきました。 また、応急処置も大切ですが、心停止の未然防止が一番効果的であり、小児の突然死の主な原因はけが、溺水、窒息などがあるが日常生活で注意することで 予防ができます。成人の突然死の主な原因は急性心筋梗塞や脳卒中で、生活習慣の改善で予防ができることも教えていただきました。
【写真右は救命処置の講義を受ける参加者】


2.一次救命処置(胸骨圧迫とAED)の実技
胸骨圧迫の演技

1)街中で倒れている人を発見した時を想定して,反応の有無、119番通報、AEDの手配など、倒れた人のところに早く救急車とAEDが到着する方法、 胸骨圧迫とAEDの使い方を以下の内容で教えていただきました。
【写真右:胸骨圧迫の実演する講師野津宙騎様、その説明をする講師小原拓哉様】




AEDの使い方 (1)自分の安全を確保するために、周囲の安全を確認する。
(2)両肩を叩き、耳元で声をかける。最初に大きな声をかけると意識がある場合、びっくりされるので、徐々に大きな声をだします。
(3)意識を確認
意識なしの場合は近くの人を指名し、貴方は119番に連絡して ください。貴方はAEDを持ってきてください。と指示をしてください。
(4)呼吸の確認
心臓付近を斜めから見て起伏を確認します。【右写真:AED使い方の説明】
(5)呼吸をしていない場合、胸骨圧迫をします。
(6)AEDが届いたらAEDを使う準備を始めます。この間も胸骨圧迫を続けます。AEDを使用し、救急車の来るのを待ちます。

2)回復体位にする方法を教えていただきました。


講師の回復体位
 写真右のような回復体位にして、救急車が来るまで待ちます。
倒れていた人に反応はないが「普段どおりの呼吸」をしている時に行う横向きに寝た姿勢です。 喉の奥の空気の通り道が狭まったり、吐物でつまったりすることを予防することが期待できます。下になる腕を前に伸ばし、上になる腕を曲げ、手の甲に倒れた人 の顔を乗せるようにします。さらに上側の膝を約90度まげ、仰向けにならないようにします。


参加者の回復体位実演
 参加者(写真右:意識のない人を演じている講師の左側)が意識のない人を
回復体位にする時、大きな力がいることを体験しました。





3)止血法
 止血法の内、圧迫止血法を教えていただきました。この方法は血液を手で触れるのを避け、タオル等で骨に向かって垂直に圧迫し、救命車が来るまで、待ちます。 その後は手を洗って消毒をしてください。
4)餅などを喉につまらせた時の吐き出し法
 背部叩打法とハイムリック法(腹部突上げ法)の紹介がありました。後者の方法をした場合、内臓損傷の可能性があるので、病院に行き、 診察を受けるように言われました。
3.感想
 座学、実習とも対話方式で、とてもわかりやすい研修会でした。胸骨圧迫は救急車が来るまで、8分間必要ですが、今回の実習では2人で2分間、 交代で、1分間に100~120回の胸骨圧迫を人形にしました。一人1分の胸骨圧迫でしたがかなりしんどい作業でした。 応急処置が必要な現場に遭遇した時、勇気をだし、やってみようと思います。

[報告者:広報部長 河口聖治]




 

令和5年度第2回学術生涯研修会報告(令和5年9月3日開催)

 令和5年9月3日(日)10時から15時15分まで、当会会員三吉宏之先生の講師で、「ロコモティブシンドロームとテーピング」のテーマで、研修会を開催しました。 場所は周南市新南陽ふれあいセンター 中会議室で、参加人数は講師を含め18名でした。座学、各グループに分かれて、講師の指導のもと、参加者全員がテーピングの 実習をしました。わかりやすい説明で、参加者は直ぐに実践できるようになったと思います。以下、研修内容を報告します。

1.座学
三吉先生  三吉宏之先生から、高齢化するとロコモティブシンドローム(以下、ロコモ)、サルコペニア、フレイルが原因で、一人で家に閉じこもる原因となります。テーピングは筋肉を補い外に出る機会を作ってあげる一つの方法です。 テーピングはホワイトテープで、関節を固定する方法と筋肉の補強があります。 今回はキネシオテープを使用し、筋肉を補強します。ロコモ原因は膝が主であるので、今回は膝と大腿部(大腿四頭筋の外側広筋)をメインに実習すると説明がありました。
【右写真:講義中の三吉宏之先生】


□語句説明
聞き澄ます参加者 ・ロコモティブシンドローム 【和名:運動器症候群】
 運動器の障害のために移動能力の低下をきたして、要介護になっていたり、要介護になる危険の高い状態
・サルコペニア
 加齢に伴う筋量・筋力の低下のこと
・フレイル
 虚弱のこと
【右写真:講義を聞き澄ます参加者】

2.膝のテーピング実習
1)テーピング用テープの準備
膝用テープ  幅75mm、長さ350mmのキネシオテープを使用します。 写真の両端中央から長手報告に長さ約85mmの切込みを入れます。次に、中央に長手方向に50mmのスリットを入れます。両端は皮膚からはがれにくくするため、 丸く面取りをします。紙をはがしておくと膝裏に貼り付けやすくなります。
【右写真:事前に準備したキネシオテープ】

2)模擬患者の膝をアルコール綿でテーピング場所の消毒と皮脂を除去


3)模擬患者は椅子に座ってテーピングする膝を伸ばす。

両足で挟み込む



【右写真:膝が動かないのように施術者の両足で挟み込みます】




4)膝裏から貼る。
膝裏から貼る



【右写真:膝を伸ばした状態で、膝裏にテープの中央部を当てます】




5)模擬患者の膝を曲げる。
骨底方向にテーピング

【右写真】
 膝を曲げ、テープを引っ張りながら、膝蓋骨を囲むように貼ります。
膝の前面で、上の切込みは膝蓋骨の上(膝蓋骨底)で×印なるようにクロスに貼ります。 下の切込みは膝蓋骨の下(膝蓋骨尖)で×印なるようにクロスに貼ります。



6)膝の後ろのスリットを広げる。
スリット部を広げる

【右写真】
 模擬患者に立ってもらって、施術者は膝の後ろを上からと下から指先を入れ、膝を動きやすくするためにスリット部を広げます。 その後、歩行し、テーピングの効果を確認します。



7)相互実習
参加者の相互実習


【右写真】
 グループに分かれ、相互にテーピングの実習をしました。参加者全員がテーピング効果を体得しました。



3.外側広筋のテーピング
1)テーピング用テープの準備
外側広筋のテーピング  幅50mm、長さ300mmのキネシオテープを使用します。両端は皮膚からはがれにくくするため、丸く面取りをします。
2)アルコール綿でテーピング場所の消毒と皮脂を除去します。
3)模擬患者の膝を曲げ、膝蓋骨底から外側広筋を引っ張る感じで、腸脛靭帯まで貼ります。その後、歩行し効果を確認します。
【右写真:外側広筋のテーピング完了】

4.三吉宏之先生のプロフィール
□ 鍼灸マッサージ師  スポーツトレーナー
□ 現在、周南市で開業し、各関係団体で、講師活動をしておられます。

5.感想
 テーピング研修は平成29年8月27日、平成30年7月22日、8月12日、9月23日のシリーズ研修と今回の研修で、参加者の皆様はかなりの知識を習得されたと思います。 講師の三吉先生、いつも丁寧なご指導で感謝しています。過去の研修内容はホームページに記載していますので、ご覧ください。私事ですが、膝の屈曲状態で、 左股関節を外旋(車を運転中に左膝をセンターコンソールに近づけた状態)すると腓骨頭付近からコキッと音がして、踏ん張れない状態でした。 早速、今回、教えていただきました膝のテーピングで腓骨頭を押さえるようにしました。音もしなく、不快感もなくなりましたことを報告いたします。ありがとうございました。

[報告者:広報部長 河口聖治]




 

令和5年度第1回学術生涯研修会報告(令和5年7月23日開催)

 令和5年7月23日(日)10時から15時15分まで、当会会員上野晃敬先生の講師で、「コロナ禍になって思うこと」のテーマで、研修会を開催しました。 場所は周南市まなび・交流プラザで、参加人数は講師を含め、17名でした。
 午前中はコロナについての座学、午後はコロナワクチン6回接種者、コロナ感染経験者、脊柱管狭窄症、顔面麻痺について、4例の臨床実習をいたしました。 以下、研修内容を報告いたします。

1.午前の部  コロナについて 【10時から11時20分】

上野先生  上野先生は東洋はり医学会会友としてご活動されていて、ここで学んだ技術は自分にとって大切で、自分の治療のベースになっているとおっしゃっておられました。
 コロナ発生から足掛け4年になりますが、毎日の臨床で感じたことはコロナ発生前とコロナワクチン接種後の患者さんの症状に微妙な違いがあり、ワクチン接種回数が 増えるにつれて、体に表れる症状に変化があることを感じておられています。 ワクチンに対する、上野先生の見解は下記の内容でした。
【写真右は講義中の上野先生】
【今回のコロナワクチンは遺伝子ワクチンであり、古くから使われているワクチンは病原体のウイルスを弱毒化や不活性化して注射をしていましたがmRNAワクチンは新型コロナウイルスのたんぱく質をつくるmRNAを注射することで、人の細胞の中にあるたんぱく質を作る装置にウイルスのたんぱく質を作らせる。このたんぱく質が抗原となり、次にコロナウイルスが侵入してきたときの抗体ができ、感染しにくくなるという仕組みです。 このワクチンは人類史上初めてです。このワクチン接種回数を増すごとに蓄積し、一生、体に残る可能性があります。この様なワクチンは人間の細胞内で、ウイルスの遺伝子を発現させ、自分の細胞の一部を保有する体内の細胞も攻撃する自己攻撃ワクチンです。筋肉注射をしたワクチンは肝臓、脾臓、卵巣、副腎、血管、心臓に運ばれ、免疫が攻撃するのは上記部位です。 それはつまり自己免疫病といわれ、大変こわいと思います。コロナワクチンを接種すると初産、高齢者、基礎疾患者が影響を受けています。私は3回受けたが、3回目が終わって、自分の体がおかしいことに気づき、ワクチンは何回も打つものではないと思いました。
 経絡的に診ましてコロナワクチンは、内分泌ホルモンや脳細胞に関係がありますので肝木経の変動と考えられます。コロナ感染によるものは、肝虚肺実が多く病状がすすむにつれて違った経絡の変動が考えられます。】
また、コロナ感染者の特徴について、教えていただきました。
熱心に聞き入る参加者 1)熱がある
2)喉が痛い
3)手足が熱っぽい
4)味覚障害がある
5)脈は沈・細・柔らかい
6)かゆみがある
7)その他 :足裏が痛い、うつ症状がでる、腕の痛み、足のむくみ、脈の上昇
 それぞれの症状を見て、その経絡の反応点(虚実)をさがし、鍼を用いての治療の紹介がありました。【写真右は熱心に聞き入る参加者】


2.午後の部 臨床実習 【12時20分から15時15分】

被験者はコロナ感染者  被験者にコロナワクチン6回接種者、コロナ感染経験者、コロナ感染者と同じような症状がでる脊柱管狭窄症の参加者を選ばれました。その他、最近、立続け3名の顔面麻痺の患者が来院された参加者から、コロナの後遺症との関係は不明であるがこの治療とリハビリについての質問があり、質問者が被験者となり、合計4名の臨床実習をされました。
 4名の被験者は治療後、体調の変化に驚かれていました。
【写真右は上野先生がコロナ感染経験者の診断をしているところ】


3.所見
顔面マッサージ  コロナワクチンの多回接種の問題点をわかりやすく説明していただきました。筆者はmRNAワクチンの有効期限が約6ヶ月であり、そのために接種を繰り返すと理解していました。mRNAワクチンは時限消滅ではなく、体内にのこり、体調不良を起こす可能性があるようです。
 その症状と虚実を考慮した経絡の取穴理由が難しく理解できず、教えていただいた内容を正しくお伝えできず心苦しく思っています。勉強をしなければと思う、いい刺激になった研修会でした。
 【写真右は上野先生が顔面麻痺の治療をしているところ】


4.講師 上野晃敬先生のプロフィール
□1975年10月22日生まれ
□1975年3月 山口県立盲学校(現在山口県立下関南総合支援学校)専攻科理療科卒
□一般社団法人 東洋はり医学会 本部49期生 現在会友
□現在 山口県熊毛郡平生町で平生鍼灸院を開業

[報告者:広報部長 河口聖治]




第4回学術生涯研修会報告(令和5年2月26日開催)

研修会参加者  令和5年2月26日(日)10時から15時15分まで、当会学術部長 小澤由佳先生の講師で、「姿勢性における肩こり・腰痛について」のテーマで学術生涯研修会を 開催しました。会場は周南市役所内にあるシビック交流センターとここからZoom配信のハイブリッド形式で行いました。
 会場参加者は講師を含め17名、Zoom参加は2名の合計19名でした。
【右写真:研修会参加者】
 午前の第1部は腰痛、第2部は肩こりと午後の第3部は実習、第4部は食についての4部構成で行いました。以下、研修内容を報告します。

1.第1部 腰痛
司会の渡邉先生 講師の小澤先生  講義の前に、小澤先生より、自分が学んだ本の「カパンディ 関節の生理学 体幹・脊柱」紹介と、恩師から患者・子供の姿勢性について、教えを受けたこと、 スタイルを良くすることが治療になることが恩師と自分の考えが一致したことから姿勢性に取り組んだ。と説明がありました。スタイルが良い、姿勢が良い人 は腰痛・肩こりが少ないので、L4,L5の脊椎と腰、棘突起に倒れの歪み確認しながら、相手の生活に入り込んで、原因を聞きだすことが治療のポイントになります。 例えば、寝る前に腰が痛くなく、朝起きると痛い場合は寝具を見直すことを提言しています。筋力が少ないと姿勢が保てないので、一人で、筋力をつけることは難しいので、デイケアの施設を利用することを薦めています。
【右写真:司会 渡邉敬子氏(左)と 講師 小澤由佳先生(右)】
 講義が終わると、司会の渡邉敬子氏から参加者の意見を聞かれました。
参加者から、寝返りを自由にすると腰痛が取れる。寝返りがしやすい寝具にする方良いとの意見が多くありました。

2.第2部 肩こり
スポーツタオルを使用したストレッチ  原因は肩甲帯、なで肩,いかり肩、猫背、巻き肩といろいろあります。硬い床で、大の字になり、重力を利用し、胸郭を広げるストレッチが良いと説明がありました。 特に肩こりのひどい人にスポーツらタオルを利用したストレッチを教えていただきました。また、頸部のストレッチに木枕を使用することを教えていただき、 この2つの方法は午後の実習ですると説明がありました。肩こりも腰痛と同じように姿勢をきれいにすること。姿勢をきれいにするには筋力をつけることが必要で、 患者さんができそうなことを聞き出して、トレーニング始めるようにすると説明がありました。【右写真:スポーツタオルを円筒状したストレッチ器具】
 講義が終わると、司会の渡邉敬子氏から参加者の意見を聞かれました。
  参加者から、転倒して、膝と肩を骨折し入院した。退院し、家でコロコロ転倒するようになった。入院すると足腰が弱くなった。筋力が必要と痛感している。 自分自身が運動していないと患者さんにも言えないので、今は一日5000歩 歩くようにしていると報告がありました。

3.第3部 実習
1)つま先立ち、筋緊張を体験 つま先立ちの実習


 壁に向かい、つま先立ち、かかと立ちをして、下肢の筋肉の緊張を体得しました。普段の立ち方で、筋緊張の少ないことを体得しました。 集中して仕事をしているとつま先になり、疲れやすいと報告がありました。



2)足の指の可動域を広げる。
足の指の屈曲実習


 足の指の伸展は通常生活で屈曲はしないので、指の屈曲と足の筋肉ゆるめ、可動域を広げ、姿勢を良くします。 この方法は親指から小指に一本ごと屈曲を行い、小指から親指に戻る。これを2,3 回繰り返します。



3)スポーツタオルによる肩こり治療
 T1~L5までの長さの円筒状(前第2部肩こりの写真参照)にしたストレッチ器具を仰臥位で背骨にあて、自重で胸郭を広げます。

4)木枕を使用し、首回りと頸部の血流改善
木枕を使用した実習


 半円柱形の木枕で、頸椎を圧迫し、血流を良くし、ストレートネック改善、肩こりを改善します。 木枕の高さはタオルを巻いて調整します。顎が水平になり、後頭部がベットにつかないように少し浮かせます。【右写真:木枕の使用実習】



5)腰痛改善
腰痛改善実習

(1)仰臥位で右大腿を90度屈曲【右写真】し、両手で90度を5秒キープします。終われば左を同様に行います。
(2)仰臥位で膝を立て、左右に2.5cm位に振ります。L4,L5の棘突起の動きが確認できます。
(1)(2)とも簡単な方法ですが効果がでます。



4.第4部 食について
  甲田光男先生と西勝造先生の健康法の紹介がありました。後者は西式健康法(木枕)、前者は少食と断食を取り入れた健康法の著者です。 講師の小澤先生は発芽玄米を食べて、体調が良くなったので、参加者に玄米大さじ2杯分を配られ、発芽させて生での試食と全体食 (シラスなど個体全部をいただく)を薦められました。

5.感想
  スタイルが良い体づくり(左右対象とバランス)にすることは体幹が安定し、脊柱、骨盤に偏荷重がかからず、肩こりや腰痛は防止できると納得しました。  格好が良い飛行機、自動車、新幹線も対象系でバランスの良いスタイルです。
関節生理学、食についての本の紹介がありましたので、読んでみたいと思います。

6.講師 小澤由佳先生のプロフィール
□昭和48年1月生まれ
□山口県山口市出身
□経歴
・平成12年3月 県立盲学校卒、あはき免許取得
・平成12年4月~ 東京親愛福祉協会鍼治療院研修
・平成14年1月 おざわ鍼灸室開業
・海響マラソンクールダウンボランティア2009 施術マニュアル作成
・海響マラソンクールダウンボランティア2010~2012 責任者
・平成29年 広島県鍼灸マッサージ師会学術研修会講師
・令和2年 出雲鍼灸マッサージ師会学術研修会講師
・所属 NINNA研究会    現在 山口県鍼灸マッサージ師会 学術部長

[報告者:広報部長 河口聖治]




第3回学術生涯研修会報告(令和4年10月16日開催)

 コロナ禍が少し落ち着いてきましたので、第2回学術生涯研修会報告に続き第3回も対面研修会として、令和4年10月16日(日)に開催しました。 午前は下関東消防署の救急救命士の木下純平様と武田大夢様を講師に迎え、救急救命の研修、午後は当会の渡邉敬子氏と三吉宏之氏で、ランナー のためのストレッチの研修でした。参加者は講師を含め16名の参加で、その中に当会のHPを見て、福岡市から1名の参加がありました。

●救急救命の研修会 (10:00から12:00)
 1.座学
 119番通報から患者のところに、救急車が到達するまで約8分かかります。それまでに、一次救命処置(心肺蘇生とAED)のあるなしで、死亡率が大きく変わることの説明がありました。また、鍼灸マッサージ治療院で、患者さんが意識を失ったことを想定して、 患者さんへの呼びかけから、治療院の待合室にいる患者さんを巻き込んで、119通報からAED調達、一次救命処置までの一連の流れをデモ演技していただきました。 講師の2名が迫真の演技で、とてもわかりやすかったです。
講師の木下純平氏



座学は質疑応答形式の進めかたで、問題点が明確になり、わかりやすかったです。 [写真は座学講師の木下純平様]





講師の木下・武田氏


 治療院での心肺蘇生は迫真の演技でした。 写真中央の講師2名は、鍼灸院の院長と待合室にいた患者さんの想定です。院長が心肺蘇生に疲れて、止めると生死にかかわるので、 待合室にいた患者さんに代わってもらっているところの演技です。




2.実技
講師の武田大夢氏


 参加者一人一人に蘇生訓練の人形が準備され、胸骨圧迫の力の入れ具合とAEDの取り扱いを個人指導していだだきました。 AEDのパットの貼り付けかたや、小児用の胸骨圧迫法等の質問が多くだされ、わかりやすい回答に質問者は納得していました。 [写真は講師の武田大夢様]





●ランナーのためのストレッチ(12:50~15:00)
 この研修会開催にあたり、渡邉敬子氏より、下記報告がありました。
海響マラソンが開催され、クールダウンボランティアケアを実施する年はそのケア要領の説明をしていましたが、今年度は,海響マラソンは 開催されますがコロナ感染拡大防止のため、クールダウンボランティアケアは中止となりました。その代わりに、ランナーためのストレッチ 研修をするので、参考にしてほしいとの報告でした。ストレッチには静的ストレッチと動的ストレッチがあり、後者は三吉宏之氏、 前者は渡邉敬子氏の指導のもとに参加者が静的、動的ストレッチを体験しました。
1. 渡邉敬子氏指導の静的ストレッチ実技の代表例
 静的ストレッチは反動や弾みをつけずに筋肉をゆっくりと伸ばし、伸展した状態を維持するストレッチです。 呼吸は鼻から吸って鼻からだします。 副交感神経が優位になり、リラックスします。

□上半身の筋肉を緩めるストレッチ
講師の渡邉敬子氏

 右手を挙げ、左手で右手首を持って、さらに上げ左に倒します。ここで、呼吸を整えます。次は左手を挙げ、右手で左手首を持って、さらに上げ右に倒します。ここで、呼吸を整えます。 疲労回復になります[写真は実演中の講師渡邉敬子氏]






□大腿四頭筋の静的ストレッチ
福岡からの池田氏


 仰向けになり、右足を開き、股関節を内転させて、足首を持ちます。逆パターンで左足をします。







2.三吉宏之氏指導の動的ストレッチ実技の代表例
 動的ストレッチは特定の関節を繰り返して動かして対象の筋肉を間接的にストレッチさせる方法です。競技前にこのストレッチをすることで、 体温も上がります。

●股関節周りの筋肉の動的ストレッチ
李春子氏


 開脚し、腰を落とし、足首つかんで前屈して、左右に振ります。 かなりきついですが股関節が弛みます。






●肩甲骨周りの筋肉の動的ストレッチ
講師の三吉宏之氏

 側臥位になり、下になった上肢をまっすぐに伸展させて、首を上腕の内側に入れ,揺らします。 肩甲骨まわりの筋肉のゆるみを体得できました。
[写真は指導中の講師三吉宏之氏]





3.感想
 午前中は一次救命処置が必要な現場に居合あわても対応できる環境を想定しての研修で、実践的でした。恥ずかしがらず、率先してできるように、 十分復習をしておきたいと思いました。このことが一命を助けるかもしれませんから。 午後は静的、動的ストレッチの理解と大切さを再認識しました。動的ストレッチについては参加者全員の質問に答えていただき、大変参考になりました。

[報告者:広報部長 河口聖治]




                                           

第2回学術生涯研修会報告(令和4年9月11日開催)

 令和4年9月11日(日)10時から15時15分まで、当会業務執行理事松村秀之氏の講師で、見えないからだ探し パートⅦの研修会を開催しました。 このシリーズは今回で、7回目を迎えます。
  会場は下関市東公民館で参加者は講師を含め16名でした。午前中は「氣」の体験と、氣(指)鍼緩流法実技、 午後は麻痺のある方の椅子のずり落ち戻し、体の起こし方等の方法について教えていただきました.以下報告します。


1.午前の部 10:00~12:00
講師の松村秀之氏
 氣(指)鍼とは、日本の氣功の先駆者の故津村喬氏(1948.7.10~2020.6.17)が中国から持ち帰った小冊子に少しだけ紹介されていました。 金属鍼を使用せずに指先を鍼に見立てて軽く皮膚に圧をかけながら、筋肉、筋繊維を伸縮しながら氣を通しゆっくり緊張を緩め、 氣血の流れを良くし本来の柔らかい状態に戻し痛みを和らげ動きを改善する療法です。ただ、この効果を高めるためには、事前に少し 「氣」のからだ作りが必要とのことでした。[写真は講師の松村秀之氏]


   逆腹式呼吸
●下記のご指導内容で、事前の「氣」のからだ作りをしました。
□丹田の逆腹式呼吸をする。
□スワイショウ(両手ゆらし 振るのではない)をする。
□抱球功(両手の中にできた氣)で体を浄化する。
[写真は逆腹式呼吸をしているところ]



●氣(指)鍼緩流法実技
氣(指)鍼緩流法の施術
模擬患者に氣(指)鍼緩流法の施術をしました。
□注意点
1)一本の指先に氣を集中させる。
2)強く押さえない。(300~500グラム)
3)指を当てた部分を「ソーン」の音を丹田の氣と一緒に入れるイメージで、収縮、伸展させる。
4)筋繊維、筋肉の走行方向に対して、なるべく直角に当てる。僅かな筋繊維の動きと変化を感じ取る。
[写真は前腕部の筋肉を氣(指)鍼緩流法で緩めているところ]


2.午後の部 13:00~15:15
 お年寄り、体の不自由な方(被介護者)の扱いはとても力が必要で、介護者の負担となりますので、「氣」を利用した楽な方法を教えていただきました。 代表として、2例を紹介します。

●椅子のずり落ち戻し
上体起こし


 椅子からずり落ちそうになった被介護者の膝の内側に介護者の膝の介護者の膝の外側(下肢の外側)を当て、被介護者の上体を起こします。






  椅子移乗


 被介護者のそれぞれの膝のお皿の下をしっかりとつかんで、介護者の腕と体で、転倒をさせないように、 ゆっくり椅子の背もたれの方に押し上げる。この時、「ソーン」と声を発すると、介護者、被介護者とも、緊張 がほぐれ、ずり落ち戻しが楽になります。





●からだ起こし
体起こし


 被介護者を仰向けにして、両腕を胸の上にクロスします。横にしたい方向と反対の膝を立てます。介護者 は被介護者の肩(肩甲骨部)と膝に手を当て、自分の方に引き寄せて、被介護者を横に向けます。





上体起こし



 被介護者の首の下に手の甲を上に向けて入れます。反対の手は被介護者の腰に当てます。







首に手の甲を入れる



 被介護者の上体を起こしながら、同時に腰に当てた手を外側に押し体を起こします。この時、「ソーン」 と声をだすと、介護者、被介護者とも、緊張がほぐれ、からだ起こしが楽になります。




3.感想
 見えないからだ探しは長期にわたり継続的に続いています。6回目までを集大成して、2019年夏号の山鍼報に「氣」についての特集をしていますので、是非ご覧ください。今回の研修会でも「抱球功」やお互いが向き合って両手 と合わせるように近づけると「氣」を体感できまました。「氣」のからだ作りをした私達施術者がゆったりおちついた気分で、 治療を行うと治療効果が上がり、患者さんが満足され、双方にいい方向に向かうと思いました。

[報告者:広報部長 河口聖治]




                    

第2回学術生涯研修会・保険研修会報告(令和3年7月25日開催)

 令和3年7月25日(日)に周南市新南陽ふれあいセンターで、午前10時から昼食をはさんで午後2時まで、内科・漢方内科・小児科医の 本田圭子先生による「漢方内科の観点から」の学術生涯研修会と午後2時から午後3時まで、当会保険部長の吉野秋人氏による「療養費取り扱いの手引きの解説と事務連絡」 についての保険研修会を開催しました。
以下報告します。

●本田圭子先生による「漢方内科の観点から」について
本田圭子医師
 コロナ禍のため定員24名満杯参加の中、田布施町の内科・漢方内科・小児科医師の本田圭子先生による「漢方内科の観点から」というテーマで研修会を開催しました。 初めに本田先生の自己紹介で始まり、漢方的に基本は体の深部に冷えがあるかないかを診て、冷えの改善の処方し、免疫力をあげることをする、市販の漢方薬は二倍位大目 に服用した方が効果あることが多い、漢方薬と西洋薬の成り立ちや使い方の違い、実際の様々な症状に対する漢方薬の効果を詳しく説明をされ、また、1時間30分位あった質問コーナーでは、参加者から時間いっぱい 盛んな質問あり一つ一つに丁寧に答えて頂き、大変有意義な研修会になりました。
【写真:質問者にわかりやすく回答してくださっている本田圭子先生】
 先生は、患者さんと15分から30分お話をする時間を作られ、その中で表に見えてこない部分の病気の原因を見つけるような診療をされているとのことで、最近では少ない内科の先生だと感じました。
今回の研修会の報告は、「山鍼報夏号」で少し詳しく報告させていただきます。
                               

[報告者 総務部長 松村秀之]


●当会保険部長の吉野秋人氏による「療養費取り扱いの手引きの解説と事務連絡」について
吉野秋人
 今回の研修は、新型コロナ感染下での2年ぶりの研修会でした。研修前半は、新しい申請用紙等の変更で、事務連絡に終始しました。後半も質疑応答で中身の濃い内容だったと思います。 【写真:申請用紙の変更を説明する吉野秋人氏】
 今回は保険取り扱いについてのアンケートに答えていただきました。保険を取り扱う理由の問いに、1番目に多いい回答は、患者さんからの要望でした。2番目は、施術回数が増え早く改善する。 3番は訪問施術が可能の順でした。保険を取り扱わない理由としては、1番目に多い意見は、同意書がとりにくい、2番目に事務手続きが面倒だ。3番目に施術料が安いからの順でした。
 保険取り扱いの良いところの問いに、1番目は料金が手頃で来院回数が増えるが多数でした。2番目は、患者さんから信頼が増す。3番目は施術経営が安定の順でした。保険取り扱い理由の中で (患者さんからの要望)が大多数でした。特に鍼灸が保険で施術できるのが、最大の魅力であるということです。次に高齢者、障碍者の方に訪問施術も可能になるのも大きな魅力です。 鍼灸、マッサージ業に求められているのは、適正な価格と安心な施術ではないでしょうか。常に患者さんは何を求めているかがポイントで、ソフト面ハード面も充実しなければ患者さんの 安心と満足感は得られません。保険取り扱いの施術所というだけで、安心と信頼を提供できると思います。次に保険取り扱いの良いところの問いに、1番目は料金が手頃で来院回数が増えること。 2番目は患者さんからの信頼が増す。3番目は施術所経営が安定する。この回答は鍼灸師、マッサージ師が目指す理想とするところではないでしょうか。
 最後に保険を取り扱わない先生方の扱わない理由として、最も多かったのが、医療機関での同意書がとりにくい、次に事務手続きが面倒。今回のアンケートではっきり見えてきたのは、 医療機関で同意書交付が最大の原因であることがはっきりしてきました。研修会では同意書問題を少し語らせていただきましたが、無認識と誤解による同意書拒否は今後も続くと 思われます。一方で理解ある医療機関もあります。現行法の中で今何ができるか、出来れば山口県内の3業団全体で問題解決の核心を解決できる方向で協議して行きたいと考えています。 今後患者さんからの保険適用需要がますます増えると思います。保険部未加入の先生方は勇んで保険適用施術にご特段のご理解とご協力をお願いいたします。

[報告者 保険部長 吉野秋人]



第1回学術生涯研修会報告(令和3年6月13日開催)

 令和3年6月13日(日)9時30分から15時まで、Zoomを使用した初めての研修会を開催しました。参加者は21名で、午前中に全員入室準備ができ、午後1時から、 下関南総合支援学校教諭の小澤史典先生による「生理学 ホルモンについて」の講義を受けました。以下、広報部から報告します。

1.午前中: 9時から12時30分
渡邉敬子・小澤由佳・松村秀之
 接続支援部隊(小澤由佳、渡邉敬子、山本摩理、松村秀之、河口聖治の5名)は本来、下関市立長府東公民館で、Zoomの使用が初めての会員の接続支援を計画 していましたが、コロナ禍で使用できなくなり、急遽、渡邉敬子氏の施術所をお借りし、ここから、支援を行いました。
【写真説明:スクリーン画像で、入室状態を確認しているところ】
 9時から、2台のパソコンを使用し、プロジェクターからスクリーンに投影された参加者の入室状態確認と、スピーカーを使用し、支援・講義内容が支援部隊全員に聞こえる ようにし,情報を共有しました。もう1台は接続困難な参加会員にZoom接続先のアドレス、ID、パスコードなどのメール連絡用に使用しました。(合計3台使用)
9時30分より、自力入室できる会員が次々に入室され、接続できない会員については講師の小澤史典先生、学術部長  小澤由佳氏が中心で、支援を行い、12時30分に全員 が入室可能になりました。 小澤史典先生は午前中に使用したZoomの待機室機能をなくし、簡単に、講義に参加できるよう改善して、12時50分からの入室を待ちました。

2.午後:12時50分から15時
 12時50分より、次々に入室され、定刻1時より、林会長の開催挨拶後、小澤史典先生の講義が始まり、内容はホルモンを作りだす器官とホルモン名称とその作用でした。 わかりやすい説明でした。今回、無料のZoomを使用したため、40分の制限時間があり、講義を2回ほど中断し、入室の繰返しがありましたが、参加者全員が問題なく対応 できました。講義終了後、林会長から、講義、資料の事前配布やZoomの接続等々のご尽力に対し、小澤史典先生への謝辞があり、 15時に研修会が終了しました。

3.Zoom研修に使用した機材の評価
専用カメラは解析度が高く、鮮明に映ります。今後、パソコン、スマホでZoomが利用できない環境にある会員にはサテライト会場において、プロジェクター、 スクリーンとスピーカーで、聴講できることを確認しました。

[報告者:広報部長 河口聖治]


第2回学術生涯研修会報告(令和2年10月18日開催)

 

 コロナ禍の中、下関市立長府東公民館で、午前は下関市東消防署の中村様、蛭子様を講師に迎え、救急救命の研修会、午後は当会の渡邉敬子氏のランナーのための ストレッチ研修会を開催しました。前者は救急車がくるまでに行う救命処置について、後者はストレッチの実技体験型の研修会でした。講師を含め14名の参加者は体温に異常がないことを確認後、 ソーシャルディスタンスを確保して、座学と実技を行いました。 いずれもわかりやすく、丁寧に教えていただきましたので、紹介します。
●救急救命の研修会(10:00〜12:00)

1.座学 中村・蛭子講師
 傷病者の命を救い、社会復帰に導くために必要となる一連の行いを「救命の連鎖」と言います。
1)心停止の予防
2)心停止の早期認識と通報
3)一次救命処置(心肺蘇生とAED)
4)二次救命処置と心拍再開後の集中治療
の四つの輪で成り立っています。[写真は講師の中村様と蛭子様]


座学風景
この輪が途切れるとこなくつながることで救命効果が高まります。
救急車がくるまでにその場に居あわせ人が1から3を行うことで、生存率や社会復帰率を高められます。今回の研修は 上記3)一次救命処置(心肺蘇生とAED)を重点に教わりました。[写真は座学講義風景]



2.救命処置
 1)胸骨圧迫
胸骨圧迫
実技を重点的に教えていただきました。各参加者、一人一人に人形を準備されていて、個人個人に姿勢など、アドバイスをいただきました。救急車がくるまでの15分を想定して、一人が30回の胸骨圧迫を順番に行いました。 生き返って欲しいと気持ちが入る実技でした。




2)AEDの使い方
AED使用訓練
胸骨圧迫中にAEDが届いたとの想定から、AEDの使い方の説明がありました。 パッドの貼り方等、音声案内にしたがって行うこと、パッドは貼り付けたまま、胸骨圧迫を行うこと。ショックボタンを押す時は誰も傷病者に触れないことを教わりました。 [写真は届いたAEDを準備しているところ]




3)もちなどをのどに詰めた時の除去方法
胸部突き上げ法
背部叩打法は手の付け根で、肩甲骨の間を強くたたく、腹部突き上げ法は写真のように 片手で握りこぶしを作りみぞおちにあて、手前上方に圧迫するように突き上げます。この 方法は内臓を痛めている可能性があるので、救命隊員に伝えることを教わりました。




4)回復体位
回復体位
反応はないが「普段どおり呼吸」をしている傷病者に行います。下になる腕(写真は右腕)を伸ばし、上側の膝を約90度曲げ、横向きにしま す。下あごを前に出して、気道を確保し、上側の手の甲に傷病者の顔をのせます。 [写真は気道の確保を確認しているところです。]
 研習会終了後に参加者に普通救急講習会終了証をいただきました。




●ランナーのためのストレッチ(1:00〜2:00)

今年は海響マラソンが中止になり、クールダウンケアも中止になりました。 今後のために、マラソンを走り終えたランナーの体の回復を早めるための下肢と首のストレッチの実技指導がありました。 ストレッチで大切なことは息を止めないで行うこと。無理をしないで、楽しく行うことです。代表例を紹介します。


□ ハムストリングのストレッチです。
ハムストリングのストレッチ
あぐらを組んで、右足を伸ばします。左手で膝が浮かないようにして、右手で足指をつかみ引き寄せます。上体を伸ばした足にゆっくり近づけます。 逆も行ってください。





   □ 首のストレッチです。

首のストレッチ
右手を左側頭部にあて、腕の自重で首を右に倒します。手のあてる位置を変えると、よりよいストレッチ効果が でます。逆も行ってください。






□ 内転筋のストレッチです。

内転筋のストレッチ
参加者から痛い、痛いがあちこちで、聞こえてきました。年齢と日頃の運動不足を痛感したストレッチです。





                     [報告者:広報部長 河口聖治]


 

第4回学術生涯研修会報告(令和元年11月24日開催)

 

 肩周辺における鍼灸マッサージの症例検討会
〜五十肩(肩関節周囲炎)に対するスキルアップ〜

   

 令和元年11月24日(日)10時から15時15分まで、下関市立長府東公民館で、三宅健一郎先生を迎え、昨年に続き、2回目の研修会を開催しました。 講義中の三宅先生 参加者は講師を含め29名でした。座学は配布された研修会資料のロコモ、サルコペニア、フレイル、凹凸の法則の説明があり、そのあと、五十肩の症例、経筋療法の説明がありました。
 今回はこれに関して、参加者の質問に参加者が回答し、三宅先生が補足説明をする参加者参加型の研修でした。参加者から肩関節の腫れをひかせる方法の質問があり、各参加者が施術 経験を話されました。肩の痛みをとるエクササイズ(アイロン体操)の実演も参加者が行ないました。この時、肩に負荷をかけるおもりを手で持たず、手首にかける方がよいと補足説 明がありました。参加者が失敗例も話されて、とても充実した内容でした。[写真は講義中の三宅先生です。]
 午後からは実習があり、理解を深めました。以下代表例を報告します。

1.肩関節の緩め方Ⅰ
肩緩め
 仰臥位になり、両膝を曲げます。次に両手を組んで、肘を伸ばしたまま、お腹の上に置きます。万歳をするように、上腕が耳にあたるくらいまで、上げます。 そこから、肘をまげて、親指が鼻にあたるくらいまで、下げて元の位置まで戻します。肩が回転するのが実感できます。




2.肩関節の緩め方Ⅱ
肩回転
 側臥位になり、患者の肩甲骨の下角を持ち、片方の手で肩関節をつかみ、肩甲骨を肋骨上に沿って、ゆっくり回します。次に上方旋回、 下方旋回、挙上、外転、内転をします。





3. 肩関節の緩め方Ⅲ
肩けん引
 肩関節を手で引っ張るのではなく、体重を乗せてけん引します。







4.その他
 研修会終了後に参加者から学術部長小澤氏に三宅先生への質問依頼があり、学術部経由で回答をお願いしました。ご丁寧なご回答をいただきました。
なお、三宅先生のプロフィールは平成30年度第6回学術生涯研修会報告をご覧ください。
                                         [報告者 広報部長 河口聖治]



第5回学術生涯研修会報告(令和元年12月8日開催)

周南市「学び・交流プラザ」にて、当会会員の上野晃敬先生を講師にお招きして「経絡治療における基本刺鍼」を テーマに先生が所属されている東洋はり医学会の経絡治療の基本についてご指導いただきました。(講師を含め参加者12名) 上野先生の講義はこの度で3回目ということもあり、サブタイトルとして「姿勢を整える」を目的とした実技を指導していただきました。

●午前の部 ( 10:00〜12:00)
講義と基本刺鍼
1.補瀉調整が最も重要でありそのためにはとにかく軽く手さばきをすること。
(押し手は患者の皮膚にくぼみを作らないで触れる程度、刺し手は鍼を落とさない程度)
2.脈状にあった鍼さばきとして、皮膚面に対して45度の角度で鍼を接触することを基本に、浮数では30度にたおす。
 また、沈遅では60度に起こすなど。
3.基本刺鍼の実技指導

●午後の部(12:45〜15:00)
飯田氏と林氏がモデル患者として経絡治療を体験されました。他の参加者は連動脈診で上野先生がされる経絡治療を脈診にて確認しました。 また、サブタイトルでもありました「姿勢を整える」 については本治法によって気を整えてから、左右の虚実、上下の虚実、前後の虚実を観察したのちに虚実に応じた手法で施術することでした。 患者役の両氏も観察していた参加者の方々もその変化に大変驚かれていました。 実技については言葉足らずかと思いますが、"手から手へ"という我々の技術の世界ではその場にいなければ伝わりにくいものがあると思いますので、皆さん、是非ご参加ください。
[報告者:会員 藤本隆夫]


第3回学術生涯研修会報告(令和元年10月27日開催)

 今年11月3日に第12回海響マラソンが開催されます。フルマラソンを完走したランナーが無事に帰宅できるように、
第1回からクールダウンケアを継続して行っています。当会独自のケアシステムはランナーに大変喜ばれています。
もっと喜んでいただけるようにケア参加者の「知識」、「技能」、「おもてなしの心構え」をブラッシュアップする研修会(講師を含め参加者31名)を山口市小郡ふれあいセンターで行いました。下記に内容を報告します。

□第1部 10:00〜11:30
  ・講師 株式会社 大塚製薬工場 OS-1 事業部 営業部 広島支店
      NR.サプリメントアドバイザー 宮地 幸太郎 先生
  ・講義内容:脱水と熱中症 水分補給について

宮地先生PP説明 ●OS-1の効果
 成人の体の60%が水分でできており、水分が不足すると脱水症状がでます。
高齢者は体の水分が50%で成人に比べて少ないので、脱水症状を起こしやすくなります。
水分補給に経口補水液のOS-1を飲用すると吸収が早いので、効果があると説明がありました。[写真:講義中の宮地先生]




質問に答える宮地先生 ●OS-1の使用方法
・一般のスポーツドリンクより、ナトリウム、カルシウム、カリウムを多く含むので、薄めて飲むと効果がありません。
・冷やして飲むと、体温も下がり、より効果的であります。
・点滴とほぼ同じ成分です。
・よく、寝る前に飲むと夜中にトイレに行くので、水分を取られない方がおられるがOS-1は塩分を含むのでそのようなことはありません。 寝る前に飲むほうが効果的と説明がありました。[写真:質問に明確に答える宮地先生]

 どのような質問にも、明確に答えていだだき、質問者は納得されていました。


□第2部 12:20〜14:00
・講師 当会会員 三吉宏之先生
・講義内容:ランナーのセルフケア「ストレッチ」

三吉先生 ●肩甲骨の動きをよくするストレッチ、外側広筋トレッチ方法等を教えていただきました。
●つりが起こった時の対処方法を教えていただきました。
手取り足取りで、わかりやすく教えていただきました。[写真中央が三吉先生]




□第3部 14:00〜15:30
・講師 当会事業部長 渡邉敬子先生
・講義内容:海響マラソンクールダウンケアの実践と心構え

渡邉先生雄叫び ●クールダウンケア内容をパワーポイントで詳しく説明がありました。
●コーナー毎に別れて、渡邉先生指導のもとで、参加者が実習をしました。
●講義の最後に参加者全員で成功への「雄叫び」をあげ、ワン・チームで「おもてなし」をすることを誓いました。 [写真右端が渡邉先生]





                                        [報告者:広報部長 河口聖治]

第2回学術生涯研修会報告(令和元年8月25日開催)

 令和元年8月25日(日)、周南市新南陽ふれあいセンターで、山口県鍼灸マッサージ師・保険会会長 武田正樹先生を講師に迎え、「訪問マッサージの現状とその実際」 についての講義をしていただきました。参加者は23名で、昼食時間を含め10時から14時まで、実例が多くとてもわかりやすい講義でした。 以下、その内容を報告いたします。

1.訪問マッサージに取り組んだ理由
 当初、療養型リハビリ病院で働いていたが、外来患者さんで来られない方が多くおられ、理由を聞くと、家でしっかり治療を受けたい、交通の便が悪い、 タクシー代がかかるので来院したくてもできないという患者さんがおられたこと、勤めていた病院の理事長が西洋医学と東洋医学を共存させたいとの理念に共感して、 3年務めた病院を退職し、訪問マッサージの道を選んだ。
2.訪問マッサージで気を配ること
武田正樹先生  1)言葉の使い方
   患者さんは暗い話をする人が多く、暗い話は後に残るので、
   ユーモアを交えて明るい話をする。
 2)身だしなみを整える
   ・散髪、服装、靴に気をつける。
   ・身分証明証の着用
   ・着替えを準備
 3)モチベーションの維持
   朝はモチベーションが高いが疲れてくると下がるので、最後の患者さん
   まで、維持すること。                           講義中の武田正樹先生
3.訪問マッサージの利点
 1)ローテーションが組めて、キャンセルが少ない。
 2)個人宅に入るので、患者さんの日常の様子が同意書に署名をいただいた医師に報告でき、患者さんのためになる。
 3)保険が適用でき、収入が安定する。
4.今後の訪問マッサージの展望
 医療費削減のため、介護施設から地域がサポートする在宅介護が進められており、在宅介護が増加する。在宅患者さんの健康維持のため、地域で活躍している 鍼灸マッサージ師が自分の地域にウエイトを置き、保険を使用した訪問マッサージを推進することで、無資格者と差別化ができるし、患者さんのためにもなると考える。
                                         [報告者:広報部長 河口聖治]

第1回学術生涯研修会報告(令和元年7月28日開催)

 令和元年7月28日(日)、下関市立長府公民館で午前中は下関市役所 総務部 防災危機管理課 主査 牧田健司氏を講師に迎え、 「災害時の鍼灸マッサージケアとその心得」についての講義を受けました。
午後からは防災ラジオドラマの聴取と当会会員が講師になり、災害ボランティア参加体験談と第2回DSAM報告がありました。 以下内容を報告します。
1.午前の部(10:00〜12:15)
牧田主査
  保存用の資料をいただき、その内容をパワーポイントで、わかりやすく説明していただきました。
下関市のハザードマップとハザートマップが確認できない障害者のサービス、市役所が行う非難情報伝達等はとても役立ちました。[写真:講義中の牧田健司氏]



2.午後の部(13:00〜15:15)
 1)災害ボランティア参加体験談
   ●熊本地震:渡邉敬子先生
    平成28年5月15日(日)熊本県宇城市松橋 「ウイング松橋」での活動報告 
   ●広島豪雨災害:藤本隆夫先生
    平成30年8月19日(日)広島県坂町 「町民センター他」での活動報告
 2)防災ラジオドラマ(豊橋市障害者福祉会館さくらピア作成)の聴取
 3)災害で発生しやすい症状の説明
   ●エコノミークラス症候群 小澤由佳先生
   ●クラッシュ症候群    松村秀之先生
 4)第2回DSAM 災害支援鍼灸マッサージ師合同育成講習会報告(令和元年7月21日開催)
    林 和俊先生
   ●避難所でのアセスメント
   ●鍼灸マッサージ師ができること
   ●行政との防災協定
   ●西日本豪雨災害活動状況
                               [報告者:広報部長 河口聖治]

第7回学術生涯研修会報告(平成30年12月16日開催)

 リンパ浮腫について

 平成30年12月16日(日)10時から15時20分まで、周南市学び・交流プラザで中森慶子先生を迎え、 上記研修会を開催しました。参加人数は講師を含め28名と多く、座学・実技と充実した研修でした。 本研修会開催は平成29年5月14日の定時総会で会員の堀江氏からの希望があり、有資格者の技術向上心の促進のため、林会長、学術部長小澤氏が主となり、 研修会の日程調整等も大変な中、外部講師の選出から準備を始め、実現しました。 リンパドレナージは専門性が高く、一日の研修会ですぐに患者様に施術はできませんが リンパドレナージはどのようなものかが理解でき、受講された先生方がリンパドレナージセラピストにステップアップする動機付 けになったと思います。
以下、研修会内容を報告いたします。

1.座学 中森慶子先生
 10時から11時35分までリンパについて説明を受けました。
  1)リンパ管の走行
  2)リンパ管の構造
  3)リンパ浮腫について
  4)浮腫を悪化させる蜂窩織炎について
  5)リンパドレナージの禁忌症等
  6)圧迫療法の弾性包帯と弾性着衣の見本と目的
    [写真は講義中の中森慶子先生]


接触圧体験
●リンパドレナージの基本手技である接触圧を参加者全員の腕に施術
していただきました。






2.実習 (12時35分〜15時20分)
   リンパドレナージ実習
乳がん患者さんで、右リンパ節を廓清し、右腕にリンパ浮腫が起こったことを
想定し、 リンパドレナージを行う手技を教えていただきました。







  リンパドレナージ実習
●参加者はペアを組み、リンパ浮腫を軽減するリンパドレナージを実習しました。








  亀田先生リンパドレナージ実習
●手技がわからないときは手を取って、教えていただきました。








小澤先生弾性包帯体験
●最後はリンパ浮腫の圧迫療法である弾性包帯を参加者の足に巻き、使用する 包帯の種類とその圧迫感と関節の動きを体験しました。






3.中森慶子先生のプロフィル
  1996 広島修道大学 商学部管理科卒業
  1999 神奈川衛生学園 東洋医療総合学科 卒業
      はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師免許 取得
  2003 鍼灸マッサージ治療院 ピュアティ開業
  2004 フェルディ式医療リンパドレナージセラピスト 上級取得
  2013 IGL医療専門学校 柔整学科卒業
      柔道整復師免許取得

[報告者:広報部長 河口聖治]



第6回学術生涯研修会報告(平成30年11月25日開催)

腰仙椎関節・変形性膝関節の機能不全対するアプローチ 

平成30年11月25日(日)10時から15時15分まで、下関市立長府東公民館で三宅健一郎先生を迎え、 上記研修会を開催いたしました。 参加者は講師を含め27名でした。主に関節・軟部組織 に手技でアプローチすることが多 く、 参加者は関節にアプローチするモビライゼーション知識を習得して、施術の幅が増えたと思います。 講義は臨床に重点を置いた研修会で、とてもわかりやすく、明日からの施術に利用できる内容でした。 以下、内容を報告いたします。

1.手関節の背屈制限改善の実習
背屈検査
(1)三宅先生の指示で参加者が両手を前方に出し、手関節を背屈しました。


写真は右手が左手に比べ背屈ができていません。




(2)背屈の改善
背屈実習
橈骨茎状突起部と尺骨形状突起部を両手母指で 押さえ、両親指を 手関節の中央でクロスさせ、背屈させながら手部を末梢にけん引します。

上記写真で背屈制限があった参加者の右手の背屈が改善されました。




2.肩こりの改善実習
肩こり改善
肩こり(僧帽筋)が仙腸関節を緩めることと経筋治療で改善できることの実習です。

モデル患者は50台の女性で、施術前に僧帽筋の状態を参加者が確認しているところです。



(1)EHL(Extensor hallucis longus) 長母趾伸筋テスト
EHL検査
 L5神経障害を疑うテストでモデル患者に母趾を約5秒間伸展させるように指示し、参加者はそれに抵抗を加え、 5回程行って左右の力の差を確認しました。   左母指の方が弱かったので、L5からの出ている神経を疑がいました。

※(神経の初期障害がある場合、等尺性収縮を5秒ぐらい5回程行うことによって筋力低下が見られる)


(2)ファディレフテスト
ファデイレフテスト
 三宅先生によるFadirf ( Flexion・Adduction・internal rotation ・ flexion)ファデイレフテストの指導を受け、左股関節の屈曲、内転、内旋、屈曲を行い、痛みを確認しました。(右写真)
この後、Fabere (Flexion abduction external rotation )ファベラ-テストのテストを行い、 股関節の屈曲・外転・外旋・伸展(パトリックテストと同動作)を行い、痛みの確認を行なう指導を受けました。


(3)仙腸関節を緩める実習
仙腸関節を緩める実習1
 仙腸関節を緩めるために、 仙骨部と腸骨部に手をあて、力を入れずに軽く揺動させる方法の指導をうけました。







仙腸関節を緩める実習2
 仙腸関節の関節面を引き離す手技で、参加者は力の入れすぎの注意を受けました。 モデル患者を抱え込み、仙骨部(右写真)と 腸骨稜を抱え込み、体全体で仙腸関節を引き離すことが大切で、指だけでの 引き離しは駄目であることを教えていただきました。 仙腸関節を緩めることとばね式てい鍼で膀胱系の栄穴・通谷、兪穴・束骨に刺鍼して、モデル患者の肩こりが軽減しました。



3.ボールを使用した膝関節のモビライデーション
ボールを使用した膝関節モビ
 膝下にゴムボールを置き、軽く押し付けるようにして膝関節の関節包と関節を緩める方法の指導を受けました。  モデル患者の膝が楽になりました。

変形性膝関節症などに効果があります。




4.三宅先生を囲んでの懇親会

三宅先生との懇親会
  講義終了後、熱のこもった講義のお礼と、もう一度、講義していただきたいお願いを兼ねて有志で懇親会を開きました。


 和気あいあいの懇親会で、皆様の笑顔が本日の講義の充実を物語っています。












5.三宅健一郎先生のプロフィール
三宅先生の顔写真
  ●昭和23年7月15日 大阪市生まれ
   公益社団法人全国病院理学療法理事(前副会長)
   みやけ鍼灸整骨院 院長
   川西市障害支援区分認定審査会 会長
   元川西市介護認定審査会 委員 
   元近畿肢体不自由児通園施設連絡協議会 副会長
   厚生労働大臣賞表彰受賞
   平成30年春の藍綬褒章受賞
  ●学校法人 行岡保健衛生学園 日本高等整復専門学校卒業
   学校法人 明治東洋医学院 明治鍼灸柔道整復専門学校鍼灸学科卒業
   厚生省認可 社会福祉施設長通信教育修講 社会福祉施設長資格取得
   元関西福祉大学社会福祉士実習モデル研究会委員 
  ●海外研修歴
   台湾国台中市 中國醫藥学院 解剖学・鍼灸学・薬草学
                                      [報告者:広報部長 河口聖治]


第5回学術生涯研修会報告(平成30年10月28日開催)

 11月4日(日)の第11回海響マラソンクールダウンケアに向けて、下関市立長府東公民館で研修会を開催しました。
参加者は講師を含め22名でした。 午前中は講師の渡邉敬子先生がパワーポイントで各コーナーの役割の説明と参加者が理解しやすいように、※ロールプレイを併用しました。
※ロールプレイ(役割演技)
 クールダウンケアをする先生を渡邉敬子先生、ボランティア高校生を松村秀之先生、ランナーを小澤由佳先生がそれぞれの役を演じ、それを見て、参加者が理解しやすくする。
 今回は例年より一歩進め、クールダウン申込書の損傷部位に腰部を追加し、ランナーの選択肢を増やしました。このために各コーナーの対応の追加説明がありました。その後、 質疑が活発に行われ、4日当日に参加者からの改善提案を取り入れることにしました。 講義の最後に下記の「全コーナー共通の心得」の説明があり、午前中の講義を終了しました。
   「全コーナー共通の心得」
 ■「治療」ではなく、疲労回復の「お手伝い」
 ■ランナーへの「おもてなし」
 ■仲間を「思いやる」気持ち
 ■来てよかったと思える「場」をみんなでつくり上げる
 午後は各担当のコーナー分かれ、渡邉敬子先生のご指導で参加者が実習し、手技手順と時間の確認をしました。最後にクールダウンケアの成功を祈念し、雄叫びを上げ終了しました。 以下講義内容を報告いたします。

1.午前中の講義(10:00〜12:15)
 チェックコーナー
 ①4日当日の役割分担と会場についての説明を松村秀之先生が行いました。
  ②各コーナーの目的とケア要領の説明を渡邉敬子先生が行いました。
  ・チェックコーナー
  ・クールダウンケアコーナー
  ・はり・テーピングコーナー
  ・アイシングコーナー
  写真は「チェックコーナー」の要領をロールプレイしているところです。

2.午後の実習(13:00から15:00)
クールダウンコーナー
  参加者は担当コーナーに分かれ、全員が手技手順とケア時間の確認
を行いました。

写真は渡邉敬子先生のクールダウンケアのご指導です。




3.成功を祈念して参加者全員が心を一つにしました。

  雄叫び
「がんばろう!!」と
全員が斉唱しました。










>








                                         [報告者: 広報部 河口聖治]


第1,2,4回学術生涯研修会報告(平成30年7月22日、8月12日、9月23日開催)

 学術部はより深く掘り下げた内容を参加者に体得していただくため、7月22日、8月12日、9月23日と3回の「施術所で行うテーピング①②③」研修会を開催しました。 また、研修会会場を周南市、山口市、下関市に分散して参加しやすいようしました。講師は毎年、海響マラソンクールダウンケアでテーピングを担当されている 三吉宏之先生で、鍼灸マッサージ師、スポーツトレーナーとしてご活躍です。実習が多く、疑問点を明確に答えていただきましたので、とてもわかりやすい研修会でした。 鍼、灸、マッサージにテーピングを加えて、幅広い施術をすれば患者様に喜ばれると思います。
以下、研修内容を報告致しますのでご参考にしてください。

●第①回テーピング研修会
 7月22日(日)、周南市新南陽ふれあいセンターで10時から15時15分まで、一番基本となる足関節のテーピングと大腿四頭筋肉離れに効くテーピング研修を行いました。参加者は講師を含め15名でした。

1. 三吉宏之先生の座学
三吉先生
 テーピング用テープの種類、テーピング前の肌の汚れ除去の理由、テープの端を丸く切って使用するなど 基本的なことを教えていただきました。
また、鍼灸マッサージ師は解剖学を勉強しているので、テーピングに取り組みやすいと教えていただきました。
 一番基本的なテーピング法のヒールロック、フィギュアエイト(内・外反捻挫:主として足関節に使用) を非伸縮性ホワイトテープを使用して指導していただきました。



2.大腿四頭筋の肉離れに効くテーピング
外側広筋肉離れホワイトテープ

□マジックペンの印を肉離れ部(外側広筋)と想定してテーピングをしました。

 使用したテープは非伸縮性のホワイトテープです。
 写真は外側広筋の走行に貼った1層目のテープの上に、直角に貼った2層目です。




□キネシオテープとの比較
外側広筋肉離れキネシオテープ

・右足が非伸縮性のホワイトテープを使用し、ラッピングをしています。
・左足がキネシオテープを使用したテーピング
 ホワイトテープとキネシオテープの締め付け具合を比較するために行いました。




□テーピング部を触って大腿四頭筋の締めつけ具合の確認
比較確認

 参加者が非伸縮性のホワイトテープを使用した場合と伸縮性のキネシオテープを使用した場合の締め付け具合を触って確認しました。






●第②回テーピング研修会
 8月12日(日)、山口市小郡ふれあいセンターで10時から15時15分まで、内反・外反捻挫と予防に効くヒールロック、 フギュアエイトと外反母趾テーピング研修を行いました。参加者は講師を含め16名でした。

1.三吉先生のお手本
三吉先生のお手本

三吉先生のテーピング技術の一挙一動を覚えようと 真剣なまなざしです。







2.ヒールロックの実習
ヒールロック

 内反・外反捻挫と予防に効くテーピングの実習をしました。
写真は外反捻挫に効くテーピングです。




3.外反母趾に効くテーピング
外反母趾テーピング

母指を内側に寄せるため、縦サポートをしているところです。





4.ヒールロックを触れて確認
ヒールロックの確認

参加者はテープの巻き具合を触れて確認しました。





●第③回テーピング研修会
 9月23日(日)、下関市市立長府東公民館で10時から15時15分まで、肩部の損傷に効くテーピング研修を行いました。 参加者は講師を含め18名でした。今回が最終回です。

1.三吉先生のお手本
カバーロールストレッチ

 肩部を固定するため、カバーロールストレッチ(ソフト粘着包帯)を使用しアンカーをしているところです。 貼り方は鎖骨を抑え込むようにして、荷重を前後に振り分けるように貼ります。




2.アンカーの確認
カバーロール触診 

 アンカーに使用したカバーロールストレッチは本研修会で初めて使用するテープでしたので、 触れて感触を確認しました。




3.伸縮テープ(ハードタイプ)を使用しての肩部の固定
肩部の固定ホワイトテープ

 上腕の一番太いところのアンカーテープ上にテープを一周まき、肩部の前方をとおり、前胸部のアンカー部まで貼ります。後方転倒時に手 をついた時、このテーピングで肩関節が保護され前方脱臼の予防にもなります。




4. キネシオテープを使用しての肩部の固定
肩部の固定キネシオテープ

 キネシオテープを使って、肩部の固定を実習しました。キネシオテープは伸縮性で使いやすく、 長時間の貼りつけが可能ですので、三吉先生のお勧めです。
五十肩、腱板損傷にも効きます。




                                       [報告者:広報部 河口聖治]

平成30年度第3回学術生涯研修会報告(平成30年8月26日開催)

 平成30年8月26日(日)10時から15時15分まで、周南市新南陽ふれあいセンターで上野晃敬(あきのり)先生を講師に迎え、 「打撲捻挫の鍼治療」についての座学と臨床実習を行いました。参加者は18名(講師を除く)で大変有意義な研修会でした。以下内容を報告します。

1.午前中の講義
上野先生 ●座学[右写真は講義中の上野先生]

 四診(望診、聞診、切診、問診)についての説明と、触診にあたってはその部分の触感、温度、硬結、赤く腫れた熱感を確認し、押して痛いは「実」、 冷たく、押せば気持ちの良いのが「虚」と教えていただきました。




●硬結の探し方
硬結の探し方
 上野先生が参加者全員の手を触れながら、丁寧に教えていただきました内容を下記に示します。

「肩の力を抜いて、指腹を静かに滑らせ、時にはゆり動かし皮膚の裏を見る。左右を比べる。範囲が広ければ両手で見る。」



2.午後の臨床実習
臨床実習
 演題の「打撲捻挫」の受傷者がいませんでしたので、右手示指のしびれ1名、体調不良2名、腰痛1名の合計4名の臨床実習をしました。

 それぞれ、脈診、「虚」、「実」の判断と選穴を教えていただきました。また、鍼の刺し方(押手、左右圧)を丁寧に教えていただき、施術後の皮膚の色やつや、潤い、硬結部の消滅、脈の変化(浮沈、遅数、虚実)を確認しました。
 施術を受けた4名全員が上野先生の治療に満足し、その感想を下記に示します。
●右手示指のしびれ 1名
 何をされているのかわからなかったが変化がでた。
●体調不良 2名
 ・一鍼ごとに膜をはがされるようだった。
 ・治療のあと、緊張が取れ、楽になった。
●腰痛 1名
 声がはっきりでるようになり、すっきりした。
                                       [報告者:広報部長 河口聖治]



第6回学術生涯研修会報告

平成30年1月28日(日)10時から15時30分まで、下関市立長府東公民館(視聴覚室)で午前は有冨早苗先生(山口大学医学部付属病院勤務) による「アレルギーと食品そして体」、午後は浜田幹生先生(松小田薬局勤務)による「医薬品の正しい使い方」についての講義がありました。当会から の出席者は27名で時間をオーバーするほど質問が多く出て、活発な研修会でした。以下内容を報告いたします。

1.午前の講義内容
有冨先生  1)アレルギー表示について
 表示の義務の7項目、表示を奨励(任意表示)の20項目の説明と表示例についての説明がありました。 食物アレルギーとそれによるアナフィラキシーショックについての説明で、運動すると増悪すること も教えてくださいました。
 2)食品表示について
  清涼飲料水には多くの砂糖が含まれ、天然水の表示にも砂糖が含まれおり、 野菜100%表示のジュースの中にも果汁が含まれているものがあるので、表示を確認することが 大切であることの説明がありました。[写真は講義中の有冨先生]

質問に回答する有冨先生 3)加工食品のナトリウムと塩分の換算
 ナトリウム400mgが食塩1gに相当する。国の推奨している食塩摂取量は男性が8.0g、女性は7.0g  山口県民の成人は男性11.6g、女性9.1gと多いので、減塩方法を教えていただきました。
4)その他
 規則正しい食事習慣についてなど私たちの健康に対してのアドバイスをいただきました。[写真は質問に対し丁寧に回答中の有冨先生]



2.午後の講義内容
浜田先生  浜田先生は昨年の海響フルマラソンに参加し、当会のクールダウンケアのアイシングを受けて、「あとがとても楽になった。来年もお願いします」と冒頭にあいさつがあり、 下記、4項目の講義に入られました。
1)日本人の寿命と死因
 (1)男性80.79歳(世界4位)、女性87.05歳(世界2位)2015年のデータ
 (2)死因
1位 悪性新生物(がん)2位 心疾患 3位 脳血管障害 4位 肺炎 5位 老衰

2)薬に関する素朴な疑問
測定器を説明する浜田先生  クイズ方式で薬の特性、飲み方、点眼方法など分かりやすく説明していただきました。
3)薬剤師に聞いてみよう!
  出席者からの次々の質問に時間の多くをかけて、わかりやすく説明していただきました。日頃聞けない薬についての効能等ををお聞きし、知識を深めました。
4)測定器を持参して、希望者を測定しました。
 心電図、BMI,体脂肪率、水分率等が測定できる測定器を持参していただき、測定とデータ内容の説明をしていただきました。皆様、こわごわと聞かれていました。[写真は測定器を説明されている浜田先生] [報告者:広報部長 河口聖治」



下関市鍼灸マッサージ師会主催の創立60周年記念「第1回市民公開講座」報告

 

 平成29年12月24日午後1時より下関市生涯学習プラザ・宙のホールで第1回市民公開講座を下関市鍼灸マッサージ師会主催、県師会が協賛で開催しました。 講師は東京杏林堂院長小川卓良氏と同副院長北川美千代氏で150席準備した席がほとんど埋まるほど盛況でした。

1公開講座会場
 ●スケジュール
会場の様子  1時に司会原勉氏の開演宣言後、 下関市鍼灸マッサージ師会会長の川谷いず み氏の挨拶、ご来賓の下関市会議員 下関市鍼灸マッサージ師会顧問 関谷 博様のご挨拶後、1時15分から2時30 分まで小川先生の講演、休憩をはさんで3時から4時30分まで北川先生の講演 を行いました。




 ●鍼・マッサージ体験
体験施術 講演と講演の間を利用し、8名の有資格で、希望された皆様に「はり・マッサージ」を体験していだだきました。 皆様、「楽になった」と喜んでおられました。






2.小川先生の熱弁
小川先生講演  テーマは「からだの中の宇宙」で演題は「健康で長生きしたいならば・・・」でした。 西洋医学は死を見つめる医療、東洋医学は生を見つめる医療である。後者は未病や軽症に強く、 前者は重篤な病気に強い。この二つの医学をうまく使い分ける方法を豊富なデータを使用して、 わかりやすく説明していただきました。




3.北川先生の熱弁
北川先生講演   演題は臨床に役立つ病態生理学「めまいの病態生理とその対応」でした。 講演の最初に問題提起、そして、その問題に対し、大きく幅を広げ、さらに深い機序説明があり、 最後に最初の問題の解答と大学で聞くようなスマートな講演でした。 解答は洗濯物を干す時、ふらっとするめまいの8割が頸部の筋緊張によるものだそうです。



4.講演後の親睦会
懇親会全員  講演会で頭いっぱいに知識を詰め込み、親睦会ではおなかを一杯にして、とても充実した一日でした。 海を見ながらのわきあいあいの懇親会で、皆様の笑顔が今日の充実を物語っています。
 写真下段中央が小川先生、右隣が川谷会長、その右隣が北川先生        [報告:広報部長 河口聖治]









第10回海響マラソンクールダウン研修会報告[平成29年10月22日(日)開催]

 

 11月5日の第10回海響マラソンクールダウンに向けて、10月22日(日)に下関市立長府東公民館で「第5回学術生涯研修会:海響マラソンクールダウン研修会」を開催しました。 講師は渡邉敬子先生で、30名の参加者がありました。午前中の座学はパワーポイントを使用しての各コーナーの施術説明と質疑応答、 午後は参加者がお互いにランナーになり、施術の確認実習を行いました。

1.午前中の座学(10:00〜11:45)

渡邉座学  ①当日の役割分担と会場運営の説明
 ②クールダウンの目的
 ③各コーナーの目的と施術要領
  •チェックコーナー
  •フルクールダウンコーナー
  •はり・テーピングコーナー
  •アイシングコーナー



2.午後の実習(12:45〜15:00)

クールダウン実習  「チェックコーナー」、「フルクールダウンコーナー」、「はり・テーピングコーナー」の3コーナーの代表者が講師となり、当日と同じ器具を使用し、参加者に教示しました。その後、参加者各自が施術の確認をしました。
 写真はフルクールダウンの施術を確認しているところです。






3.成功に向けての雄叫び

雄叫び  渡邉敬子先生のご発声で、笑顔での「おもて なし」を誓って「エイエイオー」と一致団結の唱和で締めくくりました。[報告 広報部長 河口聖治]







第16回東洋療法推進大会in京都の報告[平成29年9月24日(日)、25日(月)開催]


1.大会概要

伊藤会長 平成29年9月24,25日にリーガロイヤルホテル京都で開催されました。
開会式は24日12:00に始まり、参加者は約500人でした。 今回のテーマは「先端医療と伝統医療の融合〜未来への期待」です。その先端医療の「ips細胞による網膜再生とロービジョンケア」の特別講演と 伝統医療関係の10テーマについての活動報告と活発な質疑応答がありました。県師会(山口)の8名は各々のテーマの部会に参加しましたので、 その詳細を山鍼報・新年号に記載いたします。





  2.山口県鍼灸マッサージ師会 会長林先生の発表

林会長発表 災害対策委員会「熊本地震災害医療派遣の報告」は京都鍼灸マッサージ師会 理事 山内敏司先生、大阪府鍼灸マッサージ師会  理事 秦章先生、熊本県鍼灸マッサージ師会 会長 高橋武良先生、当会会長 林和俊先生の4名のパネラーが発表と質問を受けました。 山内、秦、高橋各先生は「災害支援活動について」の発表で、林会長は「視覚障害鍼灸マッサージ師として災害支援を考える」の題目の発表でした。 内容は視覚障害者(本人)が晴眼者とチームを組み、作業を補完しあうことで災害ボランティア活動ができたので、視覚障害者も参加する 勇気をもってほしいとの「思い」を語られました。報告:広報部長 河口聖治



2団体保険取り扱い者合同講習会実施報告 [平成29年9月10日(日)開催]

1.合同講習会開催にあたって

全員写真  9月10日(日)、午前の部は10時、午後の部は1時から上記講習会を小郡ふれあいセンターで開催いたしましたので報告します。2団体とは山口県鍼灸師会と山口県鍼灸マッサージ師会のことで、今回、初めて合同で日本鍼灸師会療養費適正化事業業務執行理事中村聡先生をお招きして、[保険取り扱いの現状と保険の未来について]の講習会を開催しました。  冒頭に山口県鍼灸師会会長の平瀬会長が開催の挨拶を述べ、その中で、無資格・無届施術所と識別するための「施術所開設所届済み証明書」が山口県健康福祉部医務保険課長名で発行できると県内3団体に通知があったと報告がありました。続いて来賓挨拶で山口県出身の公益社団法人日本あん摩マッサージ指圧師会の会長安田和正様より、現在の中央情勢について説明がありました。 そして、今日の2団体合同講習会は大変意義があり素晴らしいことだと述べられました。参加者は2団体で24名の先生方が熱心に講習を受けました。


2. 午前の部:保険取り扱いの現状と保険の未来について

中村聡先生
今日の講義は画像を交えて、丁寧に講義していただきましたので大変わかりやすかったと
思います。又先生が、静岡県浜松市にて運営されている、「こもれびの丘」のご紹介でこれぞ鍼灸マッサージ師が関わる、究極の老人施設だと感心いたしました。未来の鍼灸師、マッサージ師が目指すヒントが満載の講習会でした。





3.午後の部[一般公開講座] 感染症対策について

感染症対策
上記の講習会の講師は山口県健康福祉部健康増進課主任の川崎加奈子先生で、感染症対策の正しい知識を持ち人権が損なわれないようにしましょうと強調され、特にノロウイルスの対処法をしっかり学びました。まとめとして感染症をゼロにするのは難しい、拡大の阻止は可能であると強調されました。我々の業界は清潔をモットーとする仕事ですので今日の講義は大変参考になりました。本日の午前、午後の講習会は将来的に山口県全体の鍼灸師、マッサージ師に、なくてはならない講習会になればと願っています。 報告:保険部長 吉野秋人



平成29年度第4回学術生涯研修会報告 

8月27日(日)に周南市新南陽ふれあいセンター(参加者16名)で行われた研修会内容をお知らせします。
三吉宏之先生から座学で「テーピング基礎知識」を教えていただき、その後は会員さんが体験者となり、三吉先生が 内側側副靭帯損傷、上腕骨外側上顆炎(テニスエルボー)を想定してのテーピングを行いました。最後に参加者がお互いにキネシオロジーテープ(キネシオテープ)で膝にテーピングを行い、効果を確認しました。

1.座学でテーピング基礎知識を教えていだだきました。
座学 

テーピングは動くギブスといわれ、関節を固定するギブスと違い、運動に支障のない範囲で関節や筋肉の動きを制限し、部位の機能をサポートします。 ケガの予防、再発防止、応急処置のためにテープで関節を補強します。





2.内側側副靭帯をテーピングでサポートする方法を教えていだだきました。
座学 

体験者は立位で行います。まず、テーピングをする部分を清浄にして、床と踵の間にスプレー等の「ふた」を置き、膝を45度にします。アンダーラップ、ホワイトテープ(参加者にわかりやしように緑、赤、黄色のテープを使用)で内側側副靭帯部をサポートします。その後、テーピングの始点と終点を決めるアンカー テープを巻きます。写真はこの状態です。この後、コンプレッションテープを巻き、ラッピングをします。体験者は膝部に圧迫感はなく、膝が動かしやすいと感想を言われていました。





3.上腕骨外側上顆炎(テニスエルボー)をテーピングでサポートする方法を教えていだだきました。
座学 

前記の内側側副靭帯のテーピングは競技者などに行う本格的なものでしたが本テーピングはキネシオテープを使用して、簡単にテーピングを行う方法を教えて いただきました。外側上顆部にキネシオテープの中央部がくるようにして、前腕から、前腕の延長線上に「しわ」にならないように上腕に向けて巻きつけます。 視覚障害の参加者に対し、三吉先生は一人一人にテーピング状態を触らせて、教えていただきました。





平成29年度第3回学術生涯研修会報告 

県師会ホームページを改新しましたので、7月23日(日)に周南市新南陽ふれあいセンター(参加者23名)で行われた
研修会内容をお知らせします。当会会員の上野晃敬先生の講師で午前中は「てい鍼の使い方」、午後は参加者の主訴
を聞き、先生の実践治療を行いました。
1.てい鍼の使い方を参加者全員に教えていただきました。
てい鍼実習 

治療点を正確にとらえ、そして、虚か実かを判断し、てい鍼で補法、瀉法を行う治療方法です。写真は参加者の質問に対し、てい鍼の使い方を、丁寧に説明されているところです。





2.実践治療を行いました。
   脈診実習                                            「足のむくみ」、「鉄の靴をはいたように重い」の主訴に対し、脈診、体全体を観察して、鍼を使用しての 施術でした。写真は施術で脈が変わり、参加者が驚いた瞬間をとらえました。
被験者は足が軽くなり、満足されました。 他3名の実践治療(体調不良、不眠・腰痛、耳鳴り)を行い、4名全員が満足されました。