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第2回生涯研修会の報告


学術副部長 加藤 博司


日時:
9月4日(日)
10時〜15時

会場:
自治会館(ホテル千秋閣)
TEL 088-622-9121
徳島市幸町3-55

テーマ:
『指圧の臨床』

講師:
行岡鍼灸専門学校非常勤講師
濱田勉(はまだ つとむ)先生

研修単位:
5単位
(医学教養0単位・基礎医学0単位・臨床5単位)

参加者:
28名



『指圧の臨床』について、ご講演と実技の指導をしていただきました。


1.人により実技の仕方が違う場合、迷ってしまう人がいるが、それについての見解

実技で、講師と自分の手技が違う場合は、指圧の基本を守りながら自分の個性が出る方法があればそれで良い。

手技療法も多数あるが、それぞれに効果を出しているのであるから、自分に合う方法を自分で選択していくことが大事である。

迷うという点では、自分の感性を信じて良いと思ったものを追試して自分のものとして消化吸収していくことが大事である。

濱田先生ご自身の体験から、学校を卒業して10年ほど経ってから押圧がしっくりこなくて一から指圧を改善したことがあり、そこから“ねじれ圧”と“素直な圧”の違いを体感していった経緯があるそうです。

講演の様子

2. 指圧の基本

@間接を一つにして押圧
間接を一つにするとは、肩→肘→母指の関節を一本にすることであり、肩からの力を母指に真っ直ぐに伝えなければ力が定まらず、母指を傷めてしまう。

A素直な圧で押圧する(“ねじれ圧”をしない)
最初から圧を加えながら押圧をすると、患部へ伝わる力が定まらず“ねじれ圧”となってしまう。患部へ押圧する角度が定まってから、肩から母指への関節を一つにして“素直な圧”で押圧を行う。


3. 逆転伸長反射とストレッチを活用した押圧

筋肉は強く引き伸ばされると反射性の収縮が起きるが、張力が強くなると収縮は停止し筋肉は弛緩する。

この強い伸張時に起こる弛緩反応(逆転伸張反射)を応用した押圧。

@筋肉の起始部か停止部に8割程度の押圧をかけ緊張させて、筋腹に2割程度の押圧をかける。

A施術する筋肉にストレッチを行ない患部に押圧を行う。

※Aのストレッチを行いながら@の押圧法を行うと、より効果がある。


4. 受ける人の姿勢を整える

押圧の力が逃げないように患者の体を固定する。


2.3.4.については、受講者に実施して体感してもらい、ご指導いただきました。



午後は、症状別の実技指導


・五十肩
肩関節の可動域を確認し、肩甲骨周囲への施術や手関節の牽引、肩関節の運動法の指導。

・大腰筋への施術
仰臥位と側臥位で、腹部からの大腰筋への押圧法の指導。

・頚部への施術
頚部の筋(胸骨舌骨筋、胸鎖乳突筋など)へのストレッチや施術での注意点などを指導。


実技全体の注意点として、施術の刺激は個人差があるので、押圧して心地よい程度の快痛を適刺激とする。

実技指導の様子

今回は、『指圧の臨床』ということで、受講者の方にも実技を体感していただきながらご指導くださいました。指圧の基本である肩から母指の一体化を再確認し、“ねじれ圧”と“素直な圧”、逆転伸長反射とストレッチを活用した押圧など、体感しなければ習得できない手技も丁寧にご指導いただき、長時間でしたが最後まで活気のある研修会となりました。

 

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