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平成22年度 第3回生涯研修会 報告

実施日:
平成22年7月25日(日)

テーマ:
「医療面接の基礎と演習」

講師:
徳島大学医学部保健学科 看護教育学教授 關戸啓子(せきど けいこ)先生

研修単位:
6単位(医学教養1単位・基礎医学1単位・臨床4単位)

参加者:
32名


午前中は医療面接の意義について、実施時の態度や質問法、カウンセリングの技法について講義があり、午後はグループに分かれて演習を行いました。

1.医療面接の意義
1) 医療面接が鍼灸マッサージ師の質の向上と治療効果を高める
2) 医療面接は患者満足度を高める

2.医療面接の基礎となる技法
1) 面接時の態度(ポーターの態度分類)
(1) 評価的態度:対象者の言ったことや、感じたことについて判断・評価し、それを対象者に伝える態度
(2) 解釈的態度:対象者の言ったことや感じたことについて、一定の解釈をし、対象者に伝える態度
(3) 調査的態度:あれこれと話してほしいと要求する態度
(4) 支持的態度:対象者の不安や恐れや心配な気持ちなどを緩和して、落ちつかせようとする態度(不安等の気持ちを当然のこととして支持する)
(5) 理解的態度:対象者が表現している感情、ものの見方、考え方などを面接者の側が正しく理解しているか確かめようとする態度(対象者の立場にたって理解する)
※医療の面接の場では、もうひとつ態度があるといわれている
(6) 逃避的態度:対象者の訴えから逃れようとする態度

2) 理解的態度をとる方法
(1) 傾聴
(2) 簡単な受容

3) 質問法
(1) 直接的質問法(=閉ざされた質問)
(2) 自由質問法:(=開かれた質問)
(3) 中立的質問法:質問者の意見や考えを入れずに対象者の話を促進させる質問法
(4) 重点的質問法:(=集中的質問法)
(5) 多項目質問法:選択の内容を限定して質問する方法
4) カウンセリングの技法
定義:悩みなり症状が主に心理的な要因によって生じていると考えられる対象者に対して、心理的な知識や技法を用いて全人格的なかかわりを持ちながら援助していくこと。
(1) 繰り返す
(2) 言い換える
(3) 要約する
(4) 感情を表情で返す
(5) 感情表現を繰り返す
(6) 感情表現を言い換える

5) 沈黙の意味:拒否的感情・戸惑い・是認や忠告を求めている・一歩前進できそうで考え込んでいる

6) コミュニケーションの技法
(1) 視線
(2) 向き合う位置と緊張度
(3) 対象との距離


<演習>
  午後は5〜6人の6グループに分かれ、3つの演習を行いました。
(1)2人で3分間、それぞれ相手をインタビューし、グループ内で紹介する。
★各グループより1名選出し、代表の6名が前に出て行う。

(2)解答側3名(みんな犬好きとして解答するが、実は犬嫌いが1名)
質問側3名(色々と質問し犬嫌いを探り、相談して犬嫌いを指名し、その理由を述べる)
会場も誰が犬嫌いかを挙手で予想しておく。次に交代して魚嫌い編も実施。

(3)施術者役3名(グループ内でどのように進めるか聞く内容、順番などをまとめておく)
腰痛、肩こり、膝痛の患者役3名(グループ内で患者像を作り上げておく)
皆の前で患者役と施術者役が1組ずつ来院時の様子を披露し、それぞれの良かったところをあげる。


演習においては、日常の具体的な想定により、臨場感に富んだ演習ができ、医療面接の意義や技法の理解と各人の治療院で展開する基礎づくりとなる有意義な研修会となりました。


(学術部 泉木礼子)

 

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