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鍼灸 News Letter No.1(テキスト版)掲載しました
鍼灸News Letter No.1(テキスト版)をお届けします。
※掲載にあたり、鍼灸医療推進研究会のご承認をいただいております。ご活用下さい。

*****

鍼灸News Letter No.1


News Flash /鍼灸界の動き

1. 鍼灸専門学校入学者に医療資格者が増加
2. パーキンソン病治療への関心高まる
3. 期待される動物への鍼灸治療

Topics/鍼灸最前線

1. ニーズに応える鍼灸院
「女性専用」、「バイリンガル対応」、「メタボリック対策」、「きれいになりたい」等々
ニーズに細やかに対応するサロン的鍼灸院が身近に増えてきています

2. 現代の病と鍼灸:アレルギー性疾患
明治鍼灸大学附属病院で長年「アトピー治療」に携わってきた江川先生にお話を伺いました

Event Report /鍼灸関連イベントからの話題
1. 全日本鍼灸マッサージ師会大会 in なにわ
婦人科疾患の鍼灸

2. 日本鍼灸師会全国大会
Dr.コトーのモデルになった瀬戸上医師、離島医療の現実を語る

3. 日本伝統鍼灸学会学術大会
吉川正子氏の接触鍼実技が評判
脳性マヒ児が野球部に入るまで改善した症例発表

鍼灸医療推進研究会概要

◎メディアお問合せ窓口◎
(株)ジャパンピーアールビジョン 担当:千手
中央区銀座5−10−6 御幸ビル 
Tel(03)3574−6591 
Fax(03)3574−0056 senju@jprv.co.jp
(株)医道の日本社 担当:由井
新宿区新宿1−7−1 新宿171ビル6階 Tel(03)3226−3777 
Fax(03)3226−3780 yui@idojapan.co.jp



P2
News Flash
1. 鍼灸専門学校入学者に医療資格者が増加
(社)東洋療法学校協会が加盟43校に実施した「平成15年度〜平成19年度入学者の構成に関するアンケート調査」によると、この2-3年で、現役の医師を含む医療資格取得者が増えていることが見受けられます(グラフ参考)。最も多いのは柔道整復師。次いで看護師、准看護師、理学療法士、保健師等。また、歯科医や歯科衛生士、歯科技工士も見られます。
 この背景には、鍼灸が、西洋医学をはじめ美容やスポーツ等の様々な分野と融合し始めたことがうかがえます。


2. パーキンソン病治療への関心高まる
 明治鍼灸大学附属鍼灸センターでは、1989年に京都駅前に新たに「明治鍼灸大学附属京都駅前鍼灸センター」をオープンし、明治鍼灸大学と附属病院の連携により、東洋医学の特徴と長所を生かした鍼灸治療を行っています。
 同センターでは2004年10月、一般外来に加えて専門外来を開設しました。高血圧症、男性更年期、スポーツ障害、アトピー性皮膚炎に加えて、パーキンソン病の鍼灸治療専門外来を鍼灸学博士・江川雅人先生が担当しています。パーキンソン病専門外来に関しては、今年に入ってから来院者が増加の一途にあり、一日に20人近い患者さんが来院されることもあります。
 江川先生によれば「薬物療法とは違い、鍼灸は副作用もなく、また痛みの緩和やパーキンソン病特有のうつ症状の緩和という点で非常に有効です。慢性の疾患ですので、治療を継続することが必要ですが、遠方からも多くの患者さんが来院されます」。

◎明治鍼灸大学附属京都駅前鍼灸センター
Tel (075)361-8998
http://www.meiji-u.ac.jp/ekimae/index.html


3. 期待される動物への鍼灸治療
 去る10月、“岩手大学発ベンチャーの「いわて動物鍼灸センター」が動物専用の鍼灸鍼を開発”というニュースが、各マスコミで報じられていました。15年前から動物への鍼灸治療を行っている「かまくらげんき動物病院」の石野孝院長(写真)によれば、「動物専用鍼の開発ということは、それだけ動物への鍼灸治療への関心と期待が高まっていることの証拠」だそうです。

P3
 石野院長が獣医師として鍼灸を始めたきっかけは不思議な因縁。「鍼灸師の父親を持ち、プレセボ効果(心理的な影響)を受けやすい人間への鍼灸治療を見るにつけ、私自身は鍼灸を非科学的として受け入れられなかったのです。それで、動物なら治療に対してのプレセボ効果がないだろうと、獣医を志しました。大学を出て農業高校の教員をしていたとき、動けなくなったブタに鍼をしてみたら、歩けるようになったのをみて、動物に鍼灸治療を始めました」。
「1992年の開業当初から治療で鍼灸をしていますが、長い間“怪しい獣医”という見方をされていました。ところが、最近では飼い主さんも関心を持ち、獣医さんたちも鍼灸を学んでいます。ペットの寿命も伸びている一方で人間同様に生活習慣病も増えていますので、従来の西洋医学的な治療だけでは、難しくなっているのでしょう」。

「すべての獣医師がスタンダードな鍼灸治療ができるようなマニュアル作り」、「動物への鍼灸の科学性の追求」、そして「欧米から学ぶ状態から離脱し独自の鍼灸治療を日本から海外に普及させていく」ことが石野院長の目標だそうです。

◎かまくらげんき動物病院
神奈川県鎌倉市手広6-1-1
Tel (0467)32-9113
http://www.genkivet.com/index.html


Topics
1. ニーズに応える鍼灸院
 欧米では、近年、鍼治療に関する関心と理解が高まり、実際に多くの人が鍼治療を活用しています。この世論を裏付けるかのように、マスメディアでも鍼治療に関する話題が非常に多く取り上げられています。特に英国では“Facial Acupuncture”、“Cosmetic Acpuncture”(「美容鍼治療」)が大きな関心を呼んでいますが、この「美容鍼治療」は、日本でも最近、徐々に注目を集め、鍼灸治療が受けられる高級ホテルのスパなども登場しています。
 実際、美容鍼治療を行っている治療院を中心に、これまで鍼灸には馴染みにくかった人たちや女性たちが安心して通える鍼灸院が各地に登場しています。「女性専用」、「バイリンガル対応」、「メタボリック対策」、「きれいになりたい」等々、様々なニーズに対応している鍼灸院の一部を紹介します。


ホリスティックケアをめざす、バイリンガル対応の鍼灸サロン
アキュラ鍼灸院
◎◎◎東京都渋谷区/オーナー:徐 大兼さん

痛くなく、熱くなく、そして心地よい清潔な空間

 「今までのようなステレオタイプの鍼灸院ではないものを作りたかった」という徐大兼氏。明るくて落ち着ける、そしてきれいでさわやかな空間。それがアキュラ鍼灸院の第一印象。来院するのは、ほとんど女性。また海外から日本に駐在している外国人やそのご家族の方も多いそうです。
「女性専門というわけではないのですが、女性が多いですね。自分の身体に対する意識は、女性の方が高いのかもしれません」。
 婦人科系疾患、生理不順、子宮内膜症、子宮筋腫、月経痛など女性特有のトラブルを抱えてアキュラに来院する人の多くは「冷え」が強いそうです。
「交通機関の発達で歩かない、冷蔵庫やコンビニの普及で冷たい飲み物を摂る、不摂生な食事など“冷え”を引き起こすものが蔓延しているのが、現代の生活です。“冷え”は万病のもと」。
 そして「身体の不調はもちろん、あから顔やニキビ、くすみ、シミなどの肌トラブルも、原因は一人ひとり違い、ライフスタイルの中にある」と徐氏。“冷え”ない身体にするためには、鍼灸で整えることも大切だがライフスタイルも変えて自分でケアすることが重要ということです。

P4
「原因は何かを、その人の日常生活や食事など、ライフスタイルから掘り下げていって、その人に合う治療を心掛けています。肌の健康だって、そもそも身体の健康です。自分で本当の健康を勝ち取ること、そのお手伝いをするのが私たちの役目だと思っています。ですから、日常の運動や食事、精神的なアドバイスなどいろいろお話しするようにしています」。
 今いちばん女性が注意しなければいけないことは?―答えは「水毒」。
「ペットボトルをパソコンの脇に置いて、絶えず何か飲んでいませんか?最近の人は水の飲み過ぎです。植木に水をやり過ぎると根腐れするのと同じで、水の飲み過ぎは毒。身体を冷やしてしまいます。とにかく冷やさない生活をすることが、健康、そしてスキンケアの基本ですね」。


アキュラ鍼灸院の特徴
<専門領域>
不妊症、美容、ペインコントロール、不定愁訴の改善
◎ 鍼は痛くなく、お灸は熱くなく、がモットー。
◎ 問診票にチェックしてもらうだけでなく、直接話をして、その人のライフスタイルを把握する。
◎ 身体を診て、自己申告と違うのでは、と感じると、もう一度確認する。
◎ EDFTという一種のフィンガーテストを行い、鍼がきちんと効果をあげているかどうか、チェックしながら施術する。
◎ 施術の時間は特に設定していない。その人の身体の状態によって、その回の目標を決めて、その目標に到達したら終了。

オーナープロフィール
徐  大兼(じょう たいけん)先生
熊本県生まれ。代々鍼灸を営み、4 代目。祖父母、両親、弟、叔父叔母、従兄弟等
親族全員が鍼灸師。
インターナショナルスクール、カリフォルニアのビジネススクール、日本鍼灸理療専門学校、日本柔道整復専門学校を卒業。
資生堂アカデミー・ビューティ&ファッション・エステラピー科修了。
日本不妊カウンセリング学会認定の不妊カウンセラー。
平成18年度(財)東洋療法研修試験財団生涯研修終了。


東京都渋谷区渋谷1-4-7 Park Axis渋谷702(表参道または渋谷駅から徒歩7分)
Tel (03)5469-0810 http://www.acuraclinic.com
営業時間:10:00〜20:00(最終受付19:00) 日曜定休
治療費の目安:鍼灸総合治療費\7000、初診料\3000


P5
西洋のエステと東洋の鍼灸を融合させた美容鍼灸の草分け的、女性専用サロン
東洋医学美容/美容鍼灸&エステティック「JUNON」
◎◎◎横浜市西区/オーナー:森谷恵子さん

「健康な身体こそ、きれいの素」がJUNONの基本姿勢

 化粧品メーカーの教育課に勤務、その後フリーランスになりメイクアップアーティストとして、またエステティシャンとして活躍していた森谷さんに転機が訪れたのは、フランス研修のとき。
「フランスで教わった先生が、経絡やツボに詳しくて。美容に東洋医学を取り入れていること自体に驚きました。それまで私はメイクとかエステとか、外側からケアする美容しか経験がなくて、“日本人なのに何も知らない、勉強しなくては”と一念発起しました」。
「順風満帆だった仕事から離れ、37歳にして鍼灸マッサージの専門学校に入学したのです。そのとき学園長に、美容に鍼灸を取り入れたいと言ったら、とても驚かれたことを覚えています。当時そんな生徒はいませんでしたから」。
 鍼灸師、マッサージ師の資格を取得するとすぐ、“JUNON”をオープン(’91年)。開業当時は、美容と鍼灸という組み合わせは理解されず、苦難の連続だったそうです。
「最近は、美容鍼灸を掲げた鍼灸院も、少しずつですが増えてきています。それでも、鍼灸が“きれい”をつくるということが一般的になったかというとまだまだ。肌にハリやツヤがないとか目の下にクマができたとか、肌の調子が悪いときは、身体が不調なときなのです。健康な身体じゃないと、きれいにはなれないのだということを、みなさんに自覚して欲しいと思います」。


JUNONの美容鍼灸の特徴

◎ 痛くない鍼 <髪の毛くらいの細さのディスポーザブル鍼(使い捨て鍼)>を使用。
◎ 「健康な身体でなくては、きれいは生まれない」というポリシーから、全身に鍼をする。 (鍼の本数は、体の表・裏など合わせて約80本と、贅沢に使用)
◎ 悩みや身体の状態に合わせて、さらに必要なツボに、鍼や温灸を施術。
◎ 清潔な空間とプライバシーを保つ個室。
◎ 美容鍼灸以外に、フェイシャルエステ、まつげパーマ、脱毛、メイクアップ指導など美に関するメニューが豊富。

オーナープロフィール
森谷 恵子(もりやけいこ)先生
化粧品メーカーの美容教育課勤務後、30代後半までフリーのメイクアップアーティスト
エステティシャンとして活躍。フランスやアメリカにて美容留学を経験後、東洋医学に 興味を抱き東京衛生学園専門学校入学、鍼灸マッサージを学ぶ。臨床歴16 年。
日本エステティック協会正会員。シデスコインターナショナルエステティシャン。
日本エステティック協会認定トータルエステティックアドバイザー。
日本鍼灸師会、神奈川県鍼灸師会会員。美容師、鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師。

P6
横浜市西区北幸2-13-5 ぐうはうすA903 (横浜駅西口から徒歩7 分)
Tel (045)320-5533
http://www.junon-moriya.com
営業時間:10:00〜20:00(最終受付19:00)、木曜定休
治療費の目安:鍼灸治療60 分\8400、初診料\2500(再診時に請求) 他


東洋医学のトータルサロン
ファイン鍼灸院
◎◎◎東京都杉並区/オーナー:丸山智子さん

鍼灸と漢方を融合させた“漢方セラピー”

「腰痛や肩こり、冷え症、むくみの人が最近増えている」という丸山智子さん。
「代謝が滞っているのか、身体が冷えている方が多いですね。まずマッサージを行って、身体をほぐして温まりやすくなったところで、鍼の施術をします。肩や腰が緊張している人も、マッサージをするとリラックスするので、本来の症状(コリの場所や痛いところ)が把握しやすくなります」。
 冷え症やむくみはほったらかしにしておくと、下半身太りの原因になってしまうそうです。
「上半身は太っていないけど、下半身だけ重い感じの方が多いですよ。鍼で代謝をあげて、やせやすい身体にしてあげると、キュッと締まってきます。そのうえ肌がきれいになるという“おみやげ”もついてきます」
 疲労は貯めると老化を引き起こす。「早め早めに解決してあげること」が結果的にアンチエイジングになると丸山さんは言います。ファイン鍼灸院には、鍼灸だけでなく、漢方やアロマテラピー、漢方エキスを使ったエステティックなど、女性にうれしいケアメニューがいっぱい。
「婦人科に行くのはハードルが高いけれど、ここならいろいろ相談できてと、いつも来てくださる30代、40代の女性も多いですね。ご自分の身体のチェックのためにもお役に立てればと思っています」。

ファイン鍼灸院の特徴
◎ 問診後、マッサージをして身体をほぐしてから鍼治療をする。
◎ マタニティケア(乳腺炎や逆子に効果的)や美顔鍼が人気。
◎ 婦人科系疾患の相談、漢方相談。
◎ メタボリック対策(部分やせなど)、たるみ、二重あご、肌トラブル。
◎ エステティック、アロマテラピー。

東京都杉並区阿佐ヶ谷南1-35-21 2F
(阿佐ヶ谷駅、南阿佐ヶ谷駅より共に約5 分)
Tel (03)5378-4107  
http://www.fine-therapy.com/
営業時間:10:00〜20:00、日曜定休
治療費の目安:鍼灸治療(40-60分) \3150〜\5250、美顔鍼\5250
初診料\3150 他


P7
医学的知識に基づいたカリキュラムで、からだをトータル的にメンテナンス
b−studio in GINZA (ビースタジオ イン ギンザ)
◎◎◎東京都中央区/オーナー:大前優子さん

西洋医学と統合したカリキュラムにより身体をトータルにメンテナンス

 医師の多い環境に育った大前さんの前職は代議士の秘書。仕事を通じて鍼灸と出会い、いつしか「西洋医学と鍼灸を融合させた環境を実現できないか」という思いを抱くようになり、2004年にb−studio in GINZA(以下、ビースタジオ)をオープン。銀座駅からほど近いビルの中にあり、落ち着いて清潔感もあり、癒される雰囲気の空間です。
 ビースタジオでは、「なぜ、痛みが起きたのか」、「なぜ辛いのか」、「なぜ体調が優れないのか」という原因や身体機能の状態を正しく知るところから始めます。そして、主に神経障害の治療法として使われてきたPNF(※)トレーニングと、鍼灸マッサージ師による物理的治療、また、栄養士による栄養指導、医師によるカウンセリング等を組み合わせたカリキュラムを作り、身体をトータルにメンテナンスしていく仕組みです。来院者は、スポーツによる負荷や怪我などで痛みを持つ中学生から疼痛に悩む80代の方までと幅広く、もちろん、アンチエイジングやダイエット、健康維持を目的に通うサラリーマンやOL の方も。
 大前さんのめざす所は「日本では医療と鍼灸が離れてしまっているけれど、特にヨーロッパでは医師が積極的に鍼灸を医療に取り入れています。人びとの身体のケアに西洋医学と東洋医学とがもっと共に取り組めるような仕組みを作っていく」ことだそうです。

(※)PNF(Proprioceptive Neuromuscular Facilitation)
1940 年代、アメリカにおいて神経生理学者や理学療法士により確立されたリハビリ手技。
本来は主に神経障害の治療法として使われてきたが現在では脳卒中、パーキンソン病、腰痛、スポーツ障害といった整形外科的疾患など幅広く用いられている


b−studio in GINZAの特徴

◎ 痛みや不調の原因や身体機能の状態を正しく知り、医学的知識に
基づいたカリキュラムでからだを総合的にメンテナンス。
◎ 国際PNF協会の教育プログラムを受けた理学療法士が指導するPNFトレーニング。
◎ 医師によるドクターカウンセリング。
◎ 様々な症状やダイエットのための栄養指導。

東京都中央区銀座4-10-6 銀料ビル2F
(東銀座駅からすぐ、銀座駅から約5 分)
Tel (03)3541-0040
http://www.e-bodycare.net
営業時間:10:00〜20:00(予約受付9:00〜19:00)、日曜祭日休
治療費の目安:鍼灸60 分 \7350、鍼灸+マッサージ60 分¥10500 他


P8
Topics
2. 現代の病と鍼灸:アレルギー性疾患
 世界中で都市化が進み、ストレス、アレルギー、慢性疲労など、先進国特有の身体のトラブルや生活習慣病が蔓延しています。薬物投与や外科治療で対処してきた西洋医学だけでは治せない、病気ではないけれど「なんとなく不調」、あるいは原因が分からない症状に悩まされている人々が、子どもから高齢者まで、幅広い年齢層で増加しています。
 一方では、社会の高齢化に伴い、いつまでも元気で若々しくありたい、との願いも万人共通のものとなり、「病気にならないための医療=未病」への関心が広まってきています。
 こうしたなか、古くからの医療が見直され始めていますが、なかでも東洋医学の中核を成す鍼灸は世界中で注目され、鍼灸のメカニズムを解明する研究も各国で進められています。
 今回は、現代の疾患のなかで、前述のパーキンソン病に取り組む以前から、アレルギー、特にアトピー性皮膚について、長年、治療と研究を進めている明治鍼灸大学の江川雅人先生に鍼灸の可能性についてお話を伺いました。

Q 先生がアトピー性皮膚炎を研究テーマにしたきっかけは?

A. 大学を卒業した直後は内科学教室に所属する鍼灸師として、内科系疾患が研究テーマでした。その中でも、私自身が気管支喘息を持っていて、患者さんの気持ちが理解しやすいということから、最初はアトピー性皮膚炎ではなく、気管支喘息の鍼灸治療を研究テーマにしていたのです。ところが80 年代後半から、気管支喘息に代わって、アトピー性皮膚炎の患者さんが非常に多く来院されるようになりました。同じアレルギー性疾患ということで、喘息からアトピー性皮膚炎に研究の対象が移ってきたわけです。

Q 素人から考えると、鍼灸とアトピー性皮膚炎とが結びつかないのですが

A 明治鍼灸大学附属鍼灸センターに来院されたアトピー患者さんのほとんどは、すでにステロイド外用剤などの標準的な治療を受けています。それでも症状のままならない患者さんが鍼灸治療に期待して来院されます。したがって、アトピー性皮膚炎に対する鍼灸治療の研究は、患者さんからの強い希望が発端です。薬物療法でも効果がなかった患者さんをどのように治療していくか、手探りで臨床を繰り返していくうちに、研究の形が出来上がったというわけです。

Q 当時は、アトピー性皮膚炎に対する鍼灸治療法はなかったということですね

A. アトピー性皮膚炎に関しては症例報告も多くは認められませんでした。ただ、東洋医学には「弁証論治」と呼ばれる特有の診断―治療過程があって、疾患に関係なく、食欲がなくて身体がむくむということであれば脾が弱いとか、足腰が悪くて髪の毛が抜けやすいということであれば腎の病症だとか、イライラして目がチカチカしていたら肝の病だというように、全身の状態から東洋医学的な判断と治療を行います。
当初の鍼灸治療はこうして始めていきました(ここでいう肝、心、脾、肺、腎は東洋医学的な臓の名称で、解剖学的に呼ばれるそれとは若干の違いがあります)。

表1: アトピー性皮膚炎の中医学的分類

弁証 皮膚の症状 治則
風熱証:症状の変化が激しい。乾燥が強くカサカサしている  清熱涼血
風湿証:症状の変化が激しい。ジクジクしている       去風化湿
風寒証:症状の変化が激しい。皮膚は乾燥傾向にあり、寒冷刺激が誘引や悪化因子となる    去風散寒
気血両虚証:症状の変化は激しくない。皮膚は白く、乾燥傾向。症状は軽度である   気血双補


表2:アトピー性皮膚炎の患者にみられる全身性の随伴症状

症状     症例数
肩こり     18
全身または四肢の冷え  13
過食      12
イライラ    9
便秘      9
不眠      9
ほてり感、熱感 7
全身倦怠感   6
下痢      4
腰痛      3
生理不順    3
食欲不振    2
残尿感     1
四肢倦怠感   1
眼精疲労    1


P9
Q 鍼灸治療の方法は?
A. 前頁の表1に示す通り、私共の治療では、皮膚の症状から患者さんを4つのタイプ(弁証)に分けて鍼灸治療を行っています。各々の弁証に対する治療の原則(治則)に従って治療点(経穴)を決めていくのです。また、ほとんどの患者さんは表2 に示すような全身の随伴症状があります。これらの随伴症状は、皮膚炎の悪化と同時に増悪するか、皮膚炎悪化の予兆として増悪してきます。こうした症状に対してもきめ細かく治療を加味することが重要です。従って、治療内容は人それぞれに異なります。

Q アトピー性皮膚炎に対して、鍼灸医学と西洋医学では治療に対する考え方が違うのでしょうか
A. 私は、西洋医学ではアトピー性皮膚炎を皮膚の病気だとみているように感じます。西洋医学ではアトピー性皮膚炎の病態に関する皮膚における研究は、近年、極めて細かいレベルまで行われています。
細胞から放出されるサイトカインの発現や免疫細胞のかかわり合いなどです。こうした皮膚の病態を改善するために、西洋医学では「塗る薬(外用薬)」を重視しています。アトピー性皮膚炎の治療において最も信頼性と安全性の高い外用薬はステロイド外用剤であり、それに続く外用薬としてタクロリムス外用剤があります。これらは抗炎症作用、免疫調整作用を有する外用薬として高い治療効果をあげています。
二次元的な広がりをもつ皮膚という器官に「塗る」という局所的な治療を行うのが、西洋医学の視点だと思います。
 一方、鍼灸医学では、皮膚をより立体的(三次元的)にとらえる視点を重視しています。東洋医学では、皮膚は肺と深い関係をもつと考えられています。さらに肺は「肝、心、脾、肺、腎」の中で互いに関連しあいながら機能しています。皮膚に異常があるとき、皮膚をつかさどる肺にどのような影響が及んでいるのかを考える必要があります。そう考えるとき、皮膚は身体全体の機能と関連していることが意識されるわけです。皮膚そのものよりも「皮膚を全身の機能との関連性の中でとらえていく」、これが鍼灸医学の視点だと思います。

Q 身体全体から診ていくのが、鍼灸医学の考え方だということですか
A. かゆみを伴う湿疹がアトピー性皮膚炎の主な症状であることは間違いありません。でも診察すると、症状は皮膚だけにとどまらないのです。特に成人のアトピー性皮膚炎の患者さんのほとんどに、肩こり、足の冷え、易疲労、精神的なイライラ、便秘、生理不順など、皮膚症状に随伴する様々な全身症状がみられます。でも、患者さんのほとんどは附属鍼灸センターに来院されるまで、外用剤や保湿剤で皮膚の治療やケアは行っても、皮膚以外の症状のケアは受けてはいません。
 鍼灸医学では、こうした随伴する症状を含めた全身的な治療を行うところに特徴があります。易疲労、精神的なイライラなどは、実際に西洋医学では対処しにくい症状でもあり、鍼灸治療はこうした症状をコントロールするのに優れた治療法だと思います。皮膚の組織は日々新しく生まれ変わりますからね。随伴する症状を緩和することが、皮膚の正常な機能回復に結びつくものと考えています。身体のひずみを治すことが自然治癒力を高めて、アトピー性皮膚炎への治癒へと結びつくのだろうと考えています。

Q でも西洋医学も否定されているわけではない?
A. 前述した通り、ステロイドやタクロリムスの外用剤は抗炎症作用、免疫調整作用を持ち、専門医により処方を受けることで高い治療効果を得ることができます。鍼灸治療には即効性はありません。あくまでも全身の機能調整を通して皮膚の機能回復を求めるものです。したがって、強い炎症(かゆみ)や急激な症状の悪化時には、まず薬物療法が有効でしょう。そして同時に鍼灸治療を行って身体のひずみを治すことが、アトピー性皮膚炎では重要なのです。すなわち、西洋医学と鍼灸医学、それぞれの得意分野を生かした「統合医療」が有効であると思います。


P10
Q アトピー性皮膚炎に対する鍼灸治療の臨床成果は?
A ステロイド療法などでも症状が持続していた45症例に対する鍼灸治療の結果から、平均24回の鍼灸治療により、約8割の患者さんに皮疹の改善やかゆみの軽減が認められました。また、治療を20回、30回、1年と継続することで、かゆみの軽減する症例の割合が高くなりました。治療を継続し、成果の上がった症例では、血中のIgE抗体値や血中好酸球数も減少しており、いわゆるアレルギー状態が改善されるという臨床結果もみられました。アトピー性皮膚炎の治療において、鍼灸治療は大きな可能性のある治療法だと思っています。


鍼灸学博士
江川 雅人(えがわ まさと)先生
’87 年明治鍼灸大学卒業
同大学附属病院研修鍼灸師、教員養成課程を経て、東洋医学臨床教室助手。
’03 年老年鍼灸医学教室(現 加齢鍼灸学教室)の講師に就任。
’04 年「アトピー性皮膚炎に対する鍼灸治療の効果に関する臨床定研究」で学位取得。
現在は「パーキンソン病」「高齢者のうつ」を研究テーマに臨床と学生の指導を担当。
明治鍼灸大学 http://www.meiji
u.ac.jp/index.php
明治鍼灸大学附属鍼灸センター http://www.meiji-u.ac.jp/cli_orie/index.html


Event Report
 鍼灸師は日々の治療や研究に役立てるため、定期的に開催される勉強会(セミナーや学術大会)に参加しています。学術大会では講演、セミナー、研究発表、実技などが行われ、著名な講演者が呼ばれることもあります。

1. 全日本鍼灸マッサージ師会大会から……7月8〜9日、大阪にて開催
鍼灸講義「婦人科系疾患の鍼灸」

 全日本鍼灸マッサージ師会大会では、森ノ宮医療学園専門学校講師、于 思(ユース)氏による講義が行われました。氏は、
「鍼灸は東洋医学(中医学)の中の一つの領域であり、生薬、導引、食養などと共に古くから伝わってきた伝統医学である。長い歴史の中で、総合して病気を対応し、健康を維持してきた。従って、その基礎になる諸理論、学説などが共通であろう」とし、特に婦人科疾患に関しては「『金匱要略』(キンキヨウリャク)や『諸病源候論』をはじめとする歴代の医書の中に多く記載されている。その中に『血の道症』という病症は婦人科疾患と密接な関係があると見られ、それに対する鍼灸治療にも論じられているところは少なくない」と説明しました。
 婦人科系疾患が増加傾向にあるのは「現代社会になって、生活環境及び食習慣が大きく変わってきたためとみられている」として、数例の月経異常の症例治療を踏まえた上、婦人科疾患の鍼灸治療に対しての見方、治療及びその結果を紹介しました。


P11
2. 日本鍼灸師会全国大会から……10月6〜7 日、大阪にて開催

Dr.コトーのモデルになった瀬戸上医師、離島医療の現実を語る

 特別講演「離島医療から見たプライマリケアとは―ドラマより面白い離島医療」で登壇したのは瀬戸上健二郎氏(薩摩川内市立下甑手打診療所所長、写真)でした。フジテレビで放送されたドラマ「Dr.コトー診療所」のコトー先生のモデルになった医師です。瀬戸上医師は昭和50年ごろの針麻酔がきっかけで鍼を始めるようになりました。一時は1日60人を治療、鍼治療を望む患者が押しかけ、夕方6時になっても診療を終えることができないほどだったそうです。昭和58年には中国の医療事情視察の機会があり、本場での鍼治療を勉強したというエピソードも紹介されました。すべての疾患を鍼で治そうとまで考えていた時期もあったとか。しかし、鍼治療をしながら、自分が打つ鍼の持続性のなさにその限界を感じたといいます。
 離島では、人間の他にカモメやウサギも診なければならないことや、 検査から診断・治療まで、また小児科、産婦人科、精神科といった自分の専門外の患者さんを前に自分の未熟さを痛感することなど、プライマリケアの一言では収まりきれない離島医療の現実を瀬戸上 医師は語りました。


3. 日本伝統鍼灸学会学術大会から……10月27〜28日、札幌にて開催

吉川正子氏の接触鍼実技が評判に

 鍼灸の学術大会では教育セミナー、講演、シンポジウムなどを聴くことができますが、ベテラン鍼灸師の実技を観ることもできます。今回の日本伝統鍼灸学会学術大会では9つの研究団体が技を披露しました。会場にいる参加者から患者役を募集し、実際に治療を行います。参加者は問診、触診のコツ、鍼の刺し方、お灸の据え方を、一流の実技を通して学びます。
 学術大会は日本だけでなく、海外にもあります。10月20日〜22日には北京で世界鍼灸学会連合会(WFAS)が開かれ、28の国と地域が参加しました。そこで注目を集めたのが日本の鍼灸師の「接触鍼」という技です。患者の皮膚に鍼が触れるか触れないかのわずかな刺激で変化をもたらすというものです。日本伝統鍼灸学会学術大会でWFAS について報告したのは鍼灸ジャーナリストの松田博公氏(元共同通信編集委員)。WFAS の会場で、北海道の吉川正子氏(中医鍼灸研究会、写真)が行う接触鍼に大勢の中医師たちが興味を示して 「この腕に実際にやってくれ」といって吉川氏を取り囲んだといいます。
 日本伝統鍼灸学会学術大会でも吉川氏の実技は人気でした。

脳性マヒ児が野球部に入るまで改善した症例発表

 一般研究発表でとくに耳目を集めたのは、京都で治療院を営む三浦由夫氏の「脳性(四肢)マヒ児が超浅刺で野球部に入れるまでに改善した症例」でした。
「超浅刺」とは日本伝統鍼灸学会の会長で開業43年の超ベテラン鍼灸師 首藤傳明氏が開発した刺鍼法です。深さ0.5 ミリしか刺しません。
 自力座位ができなかった8歳の脳性マヒの少年が、往復3時間かけて三浦氏の治療院に週2回通い、鍼治療とリハビリを継続して受けたところ、1年後に握力計を握れるようになりました。その経過を三浦氏は報告しました。少年は小学校で念願の野球部に入ったそうです。会場のスクリーンには少年の症状が徐々に改善していく様子、ボールを投げたりバットを振る姿が映し出されました。鍼灸治療の可能性の広さを感じる発表でした。


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鍼灸News Letter No.1
2007 年12 月/発行:鍼灸医療推進研究会

鍼灸医療推進研究会 概要

鍼灸医療推進研究会は、鍼灸医療に携わる組織が協力して設立した任意団体で、鍼灸医療への理解を広めるためのコミュニケーション活動を推進しています。

<鍼灸医療推進研究会 加盟組織>

(社)日本鍼灸師会
〒170-0005 東京都豊島区南大塚 3-44-14
Tel(03)3985-6771 Fax(03)3985-6622
ホームページアドレス http://www.harikyu.or.jp/


(社)全日本鍼灸マッサージ師会
〒160-0004 東京都新宿区四谷三丁目12-17
Tel(03)3359-6049 Fax(03)3359-2023
ホームページアドレス http://www.zensin.or.jp/


(社)全日本鍼灸学会
〒170-0005 東京都豊島区南大塚 3-44-14(日本鍼灸会館内)
Tel(03)3985-6188 Fax(03)3985-6135
ホームページアドレス http://jsam.jp/


(社)東洋療法学校協会
〒105-0013 東京都港区浜松町1-12-9  第1 長谷川ビル4F
Tel(03)3432-0258 Fax(03)3432-0263
ホームページアドレス
http://www.toyoryoho.or.jp/index.php


◎ 本ニュースレター掲載のテーマ以外に、各分野に詳しい鍼灸師、医師を紹介いたします。
内容や取材についてはメディア対応窓口(表紙参照)まで、お気軽にお問合せください。

以上
Date: 2008/02/20


鍼灸FACTBOOK(テキスト版)掲載しました
鍼灸FACTBOOK(テキスト版)をお届けします。
※掲載にあたり、鍼灸医療推進研究会のご承認をいただいております。ご活用ください。


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鍼灸FACTBOOK
 しんきゅう ファクト ブック

−よく耳にするのによく知らない
 「はり・きゅう」の基礎知識−

鍼灸医療推進研究会

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古くて新しい「鍼灸」のこと
もっと知りたい

 世界中で都市化が進み、ストレス、アレルギー、慢性疲労など、先進国特有のトラブルや生活習慣病が蔓延しています。薬物投与や外科治療で対処してきた西洋医学では治せない、病気ではないけれど、「何となく不調」。そんな症状を訴える人々が、子どもから高齢者まで、幅広い年齢層で増加しています。
 慢性疲労社会のなかで、古くからの医療が見直され始めていますが、なかでも東洋医学の中核を成す治療法「鍼灸」は世界中で注目され、「鍼灸」のメカニズム研究も各国で進められています。
 古くて、現代人にとって新しい「鍼灸」のことをもっと知りたい!
 おばあちゃんおじいちゃんの世界と思われていた「鍼灸」は、今、新たなステージを迎えつつあります。
 

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鍼灸ABC

■鍼灸とは?
鍼灸の考え方
 西洋医学と、東洋医学である鍼灸ではベースとなる考え方が全く異なります。
 鍼灸は、身体をひとつの小宇宙としてとらえ、そのバランスの崩れたときに「病」が発症すると考えます。たとえば鍼灸では臓器そのものを直接治療するのではなく、臓器の機能を遠隔操作によって治療します。言い換えれば、外科医は心臓が悪いと心臓にメスを入れますが、手や足を触ったりはしません。鍼灸では、足や手など離れた場所に鍼や灸を施すことで、心臓の機能回復をはかるのです。
 レオナルド・ダ・ヴィンチなど解剖学から発達した西洋医学と、身体の表面(皮膚、舌など)を微細に観察して生まれた東洋医学とは、始めから異なる医学であったのは確かです。

鍼灸の仕組み
 鍼灸で刺激すると、中枢神経内にモルヒネのような役割をもったホルモンが放出されます。この物質(内因性オピオイド)が、痛みを抑え、また痛みを脳に伝える神経経路をブロック。脳から、そして脊髄からの痛み抑制のダブルブロックで、痛みを緩和します。鍼灸が痛みを緩和する効果が高いのも、このメカニズムが働くからです。また、神経を刺激して血行を促進し、痛みの原因となる物質を老廃物として流してくれます。
 痛みに対する効果だけでなく、自律神経が支配する胃腸などの内臓や、血圧などにも作用して、機能を調整しバランスを整えてくれます。
 最近の研究では、免疫系や内分泌系への効果も期待されて、さまざまな研究が進んでいます。鍼灸による免疫力の向上、アンチエイジングなど、より幅広い効果が期待されています。

鍼灸は、紀元前の中国で生まれた治療法
 鍼灸の起源は石器時代にまで遡るともいわれますが、紀元前の中国王朝、殷・周時代にはすでに鍼治療が広く流行したという文献が残っているそうです。
 その鍼灸が日本に渡ってきたのは、奈良時代。中国の僧侶が仏典とともに鍼灸の医学書を携えてやってきたとされています。「漢方」が渡来してくるのもこの時代です。
 平安から室町時代にかけて、書物を通してだけでなく、人的交流も盛んに行われて、鍼灸や漢方といった中国医学が日本社会に定着していきます。
 江戸時代に入ると、鎖国によって大陸との国交も途絶えますが、鍼灸は日本人研究者により、日本の伝統医学として独自の進化を遂げていきます。また、中国では下火になった「灸」が、庶民の間に広まっていくのも、この時代です。
 鍼灸や漢方の立場が変わったきっかけは、杉田玄白の『解体新書』の登場でしょう。当時の日本人にとっても、日本医学界にとっても、オランダ医学は驚異的だったはずです。その後、明治政府の西洋化政策によって、鍼灸や漢方などを主流とする日本の伝統的な医学は、表舞台から追いやられてしまうこととなります。
 昭和に入ると、伝統医学の見直し運動が起きますが、やはり、西洋医学の台頭に、鍼灸は民間医療としての地位に甘んじることとなります。
 しかし、その後も民間での支持は強く、鍼師、灸師は国家資格として制定されることになりました。これにより鍼灸の教育制度はさらに充実し、教育を基盤に鍼灸も新しい時代へ突入します。
 各国の伝統医療が見直されている昨今、鍼灸は最も優れた伝統医療として、世界各国の医療関係者が、そのメカニズムと研究成果を発表。日本でも、従来の腰痛や肩こりといった、一般にもなじみの深い症状だけでなく、スポーツ、免疫、ストレスなどさまざまな分野での治療への取り組みがなされています。
 約2000 年前に確立し、1500 年もの間、日本、そして世界で進化し研究が続けられてきた「鍼灸」は、無限の可能性を秘めた治療法だといえそうです。


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鍼(ハリ)を打つ、お灸をすえる、「ツボ」って何??
 鍼を打ったり、お灸をすえたり、指圧やあんまをする経穴(けいけつ)(ツボ)。何となく知ってはいるものの、「どうしてツボなのか、どうしてツボをおさえると身体が軽く感じるのか」。それは、東洋医学の理論に基づいた治療法だからです。東洋医学では、“気血(きけつ)は経絡を通り、全身の元気を司る”と考えます。この気血の通り道、経絡が何らかの作用で滞ることで、病に到るといわれます。経絡が滞らないように、また、滞った経絡を改善するために、経絡の各所にあるポイント、経穴に鍼や灸、指圧を施して、気血の流れをスムーズにします、これがツボの役割です。


鍼灸治療のベース「経穴(ツボ)」が世界統一基準に
 鍼灸は2000 年以上の長い歴史があるだけに、ツボについて国によって名称や位置に違いが生じてきました。世界的に東洋療法への関心が高まる中、WHO(世界保健機関)がこの問題に関与し、1989 年に名称が統一され、2006 年の国際会議で361 穴の位置が決まり、統一されました。
 国際統一ができたことで、日本でも鍼灸の教科書で約40 ヶ所のツボの修正が必要になりますが、これは、これまでのツボの位置が間違っていたということではありません。ツボの国際統一は、各地でさまざまな影響を受けて、位置や名称にズレが生じていたものを標準化し、座標を整えたということになります。医学的な研究や臨床比較を推進するためのスタートです。


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鍼灸の治療の仕方
【鍼】(ハリ)
 鍼治療では、通常直径0.12mm. 〜 0.18mm 程度の極めて細いステンレス製の鍼をツボに刺入します。刺入するときは、管鍼法といって円形の金属あるいは合成樹脂製の筒を用いる方法か、筒を使わずに鍼を親指と人差し指でつまんで刺入する方法が行われていますが、どちらも殆んど無痛に近い方法です。
 ツボに刺入した鍼は、上下したり回したり、振動させるなどの一定の刺激を加えて直ぐに抜く場合と、10 -15 分程、刺入したまま置いておく場合があります。また、刺入した鍼に微弱な低周波パルス通電をする場合もあり、これは筋肉のコリや痛み、血液循環の促進に効果があります。
 他にも刺入せずに皮膚に接触させたり押圧させたりする方法もあり、これらは小児鍼として乳幼児の夜尿症や夜泣きなどに効果があります。
 
【灸】
 一般的に「やいと、お灸」と呼ばれているのが、艾(もぐさ)を用いてツボに熱刺激を加える方法です。もぐさは、よもぎの葉を乾燥させ、葉の裏側の部分だけを集めたものです。灸の方法には、大きく分けて、もぐさを直接皮膚上に乗せて着火させる直接灸と、皮膚との間を空けて行う間接灸とがあります。直接灸の場合、もぐさの大きさは糸状のもの、米粒ほどの細かいものが主流で、病状に応じて熱刺激を与えます。直接灸をした後は、少し痕が残ったりすることがあることも予め承知しておく必要があります。
 間接灸は、もぐさと皮膚の間に空間を作ったり、味噌や薄く切ったしょうが、にんにくなど、熱の緩衝材になるものを入れたりして熱さを和らげていますので、比較的気持ちがよいものです。
 この他にも、灸頭鍼といって、刺入した鍼の先端にそら豆ほどの大きさのもぐさを取り付けて点火する方法や、熱の刺激源として遠赤外線やレーザー光線を使用する科学的な試みも実用化されています。灸は鍼灸師の指示に従えば自宅でも行うことができます。


鍼灸の補助療法
 鍼灸院では、症状によって遠赤外線照射や低周波通電、吸い玉、テーピング、予防体操などの指導を行う場合もあります。
 
○ プラスチックの鍼管が付属された鍼。鍼柄の色で鍼の太さが分かるようになっている
○灸頭鍼
○ 手軽なタイプのお灸もある
○ 円皮鍼
○ 皮内鍼



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■世界各国で注目される東洋療法
東洋療法を行うには国家資格が必要
 日本はもとより、世界で期待される東洋療法としての鍼灸ですが、鍼灸の施術を行うには国家資格が必要です。通常、高等学校を卒業後、鍼灸専門学校、鍼灸大学や鍼灸短期大学などの教育機関で3 年以上の間に、知識や技術を習得し、さらに国家試験に合格しなければ資格を得ることができません。
 また、日本で国家資格を持っていても、その国の規定に沿って免許を取得しなければならず、外国で施術を行うことはできません。
 2007 年春に行われた国家試験は、鍼(ハリ)師は受験者5,275 人のうち合格者4,068 人( 合格率77.1%)、灸師は受験者5,261 人のうち合格者4,416 人(合格率74.3%)という結果だそうです。一定の教育期間を経ても必ず国家試験に合格できるわけではない、厳しい資格であることが分かります。
 この5年間で鍼灸国家資格を受験する人の数は約1.7倍に増えています。
 鍼灸専門学校には、高校卒業後の進路として選ぶ人たちの他に、大学卒業後や社会人経験の後に、「専門性の高い職業として」、或いは「社会貢献ができる技術を身に付けたい」など、様々な抱負をもって鍼灸師をめざす人たちが増えているそうです。


多様化するニーズに応える高度な教育制度
 東洋療法としての鍼灸は、NIH(アメリカ国立衛生研究所)の会議で一定の範囲における鍼治療の有効性が発表されるなど、代替治療としてはもちろんのこと、健康意識の高まりから予防医学としても益々注目されています。
 こうして、地域医療や老人医療、スポーツ医療など新たな職域へと活躍の場が広がるなか、多様化するニーズに対応できる鍼灸師たちの育成が急務となっています。鍼灸の教育機関では、新しい時代のニーズに応え社会に貢献できる優秀な鍼灸師を育成するために、カリキュラムの充実、教員の資質向上、学術振興など、教育の質と東洋医学の向上に邁進しています。特にカリキュラムについては、東洋医学はもちろん、病態生理学や解剖学、臨床医学など、西洋医学の基礎もしっかりと学ぶ構成の他、医療に携わる人としての知識や教養を身に付けられるように組まれています。


鍼灸師、鍼灸を学ぶ学生たちの社会貢献活動
 新潟中越地震、能登の地震などでは、地域の鍼灸師会に所属する鍼灸師たちがボランティアとして活動しています。避難場所の体育館、仮設住宅を訪ね、被災した人たちに鍼灸の施術を行うと、心身共に疲れ果ててしまっている方たちは、大変喜んでくださるのだそうです。鍼灸施術のボランティア訪問は、新潟中越地震から1 年間以上にわたって続いたそうです。
 また、近年では国民体育大会や各地で行われるスポーツイベント会場でも、地域の各師会が交替で担当し、鍼灸コーナーを設置して施術のボランティアを行っています。現在のスポーツ医療での鍼灸への意識の高まりも、このような地道な活動が基盤となっていると考えられます。


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欧米の主要メディアが発信する 鍼灸NOW!
 医療保険制度の違いもありますが、ヨーロッパやアメリカでは、病気にならないための自己防衛策として、代替医療が盛んです。また、仕事のために体調を整える、体力や免疫力を高める、アンチエイジングの一環として身体の機能を高めるなど、さまざまな予防策として鍼灸が活用されています。
 例えば、俳優が体力維持のために鍼灸を受けているとか、有名プロゴルファーが手首の治療と予防に鍼灸に通っているなど、セレブリティが鍼灸をライフスタイルに取り入れていることが、テレビや新聞のニュースで話題となっています。
 また、医療研究者が鍼灸の効果を、さまざまなエビデンスをもとに研究発表していることも、鍼灸普及の要因です。東洋医学を東洋医学だけで理解するのではなく、西洋医学的見地で実証することで、鍼灸の重要性を訴えているのです。
 伝統的な医学のなかでも、世界中で信頼を得ている鍼灸。世界の医療現場で欠かせぬ治療法として、確立されていくことは確かでしょう。


Worldwide 鍼灸世界の鍼灸トピックス
“膝と腰の関節炎による痛みや運動制限に対して、鍼治療が効果があるかどうか、ドイツの研究「鍼治療による関節炎の痛みと運動制限に対しての効果の科学的検証」論文が発表されました” (タイムス紙)

“鍼治療、運動療法、リラックス法による片頭痛の治療効果を検証した研究がスウェーデンの研究グループによって発表されました。その結果、痛み止めの薬を用いることなく、それぞれの方法を活用することで、片頭痛の症状が改善されたということです”(ロイター、CNN )

“人気ドラマ「Sex and the City」の主演、クリスティン・デービスさんが、鍼治療を日常的に取り入れることで、多忙なスケジュールにも関わらず、体調を維持している。超多忙スケジュールのために健康に不安を覚えた彼女は、「健康維持のために鍼を取り入れたのですが、鍼はもはや私の生活の一部です」という。”(タイムス紙)

“プロゴルファーのミッシェル・ウイーが、持病の手首の痛みをコントロールするために、鍼治療を取り入れている”( ボストン・グローブ紙、ガーディアン紙、NBC スポーツ)

“癌と闘うロックバンドのギタリストは、治療に鍼を取り入れて、癌と闘っている”
(ブルームバーグ)

“ペットを対象とした鍼治療が広まっている”(ワシントン・ポスト紙、FOX ニュース)
“北アイルランドでは、鍼治療、ホメオパシー、マッサージ治療など代替医療を健康保険の適用に”(BBC)

資料提供: 月刊『医道の日本』掲載「世界メディアが伝える鍼灸最新動向」(中田健吾、藤田康隆)より



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■鍼灸の効果
鍼灸といえば、肩こりや腰痛を連想
 「ハリ」や「お灸」といえば、やはり祖父母の肩こりを思い出す人も多いはずです。
 確かに鍼灸を受ける人の多くの症状は、首、肩、腰、ひざなどの疾患に伴う痛みです。しかし、私たちが知らないだけで、実は鍼灸は、運動器系の痛みだけでなく、消化器系疾患、呼吸器系疾患、循環器系疾患から小児疾患など、さまざまな症状に効果があるといわれています。

ストレスによる不調の改善も 鍼灸の得意ワザ
 家事や仕事のストレスに加えて、パソコン使用による眼性疲労や長時間同じ姿勢をしているためによる疲労など、環境疲労やストレスが、さまざまな症状を引き起こしています。何となく身体がだるい、寝つきや寝起きが悪い、ぐっすり寝た感じがしない、食欲がないなど「病院に行くほどではないけれど、絶不調!」という人が多くなっているようです。そんな身体の不具合を整えて、元気を取り戻すのも、鍼灸の得意とするところ。病気を予防する、病気にならない身体を作る、それこそ、これからの社会が求める医療。鍼灸は、新たな医療として、大きな可能性を秘めているのです。

NIH(アメリカ国立衛生研究所)が鍼の有効性を確認
 ヨーロッパやアメリカで浸透し始めた鍼灸療法。1997 年には、NIH から、鍼の有効性に関する見解が発表されました。鍼灸療法の病気に対する効果とその科学的根拠が認められ、西洋医学の代替医療として、有効であると発表されました。
 WHO(世界保健機関)でも、様々な症状や疾患について鍼灸療法の有効性を認めています。


< 鍼灸が効果的な症状や疾患>
★運動器系疾患
肩こり、五十肩、腰痛、頸椎症、変形性膝関節症、腱鞘炎、テニス肘etc.
★消化器・呼吸器系疾患
便秘、下痢、痔疾、慢性胃炎、食欲不振、気管支喘息、鼻炎、感冒、扁桃炎etc.
★疼痛性疾患
頭痛、坐骨神経痛、術後疼痛、ヘルペス後神経痛、三叉神経痛etc.
★循環器系疾患
低血圧症に伴う諸症状、冷え性、本態性高血圧症etc.
★泌尿器& 産婦人科系疾患
月経異常、更年期障害、逆子、不妊、インポテンス、失禁症etc.
★感覚器系疾患
仮性近視、眼性疲労、メニエール病、耳なり、難聴etc.
★小児疾患
夜尿症、小児神経症、消化不良etc.
★その他
不眠症、肥満、自律神経失調症、片麻痺、顔面神経麻痺、アレルギー疾患etc.
   社団法人 日本鍼灸師会資料より



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鍼灸の可能性

■ 私たちと鍼灸〜治療から未病へ〜
 進む高齢化と共に、医療は社会にとって大きな課題となっています。健康保険の見直し、医療保険の負担増、高齢者の新たな医療負担など、私たちの暮らしに直結する変化が始まっています。そして、高齢化= 長寿社会の中で求められているのが、病気になる前に治す、あるいは病気にならないための医療です。それは、東洋医学が理想としてきた姿です。
 ライフスタイルは多様化しても、健康で生き生きと暮らしたい、という願いはほぼ万人に共通であるといえるのでしょう。
 「未病治」という東洋医学の基本が、これからの日本社会を大きく変えていく―東洋医学の治療法、鍼灸の古い伝統と新しい研究がもたらす大きな可能性。その可能性を探ります。


スポーツ鍼灸
 スポーツ鍼灸は、スポーツの世界での鍼灸治療から始まりました。筑波大学で1988 年に始まった“スポーツ医科学プロジェクト”の一員であり、その後、筑波大学大学院人間総合科学研究科スポーツ医学専攻で教鞭をとる、宮本俊和准教授に、スポーツ鍼灸についてうかがいました。

障害の早期回復に効果
「スポーツ鍼灸は、ケガをしたアスリートに鍼灸治療を行うことで、腰や膝などの痛みを軽減し、スポーツ現場への復帰を早めたり、練習や試合などによる疲労を回復したりすることを目的として生まれたものです。でも、今やアスリートだけでなく、健康保持増進を目的に行う中高齢者や介護の必要な高齢者の方々まで、幅広い分野に拡大しつつあります」
 アスリートの世界でのスポーツ鍼灸は、@スポーツ競技による外傷や障害の治療や手術後のリハビリテーション、Aスポーツによる疲労の早期回復、B競技能力の向上という3つが大きなテーマです。アスリートの治療を行いながら、スポーツ疾患の原因と治療過程を研究していくうちに、これはスポーツ選手だけにとどまらず、一般の人々の運動や、歩く、階段を上る、立つ、座るなど、人間の日常生活に深く関わるテーマであるということが明らかになっていきます。
「スポーツ選手がケガをした場合、まず温めたり冷やしたりなどの物理療法を行います。しかし、中には手術をする選手も出てきます。手術後はスポーツに復帰するまでのリハビリに入ります。鍼灸治療はこのリハビリの段階でも復帰を早める目的で行います。骨折、捻挫などで動かないでいると廃用性筋萎縮が始まります。これらの鍼治療の目的は、寝たきりの人たちの治療にも応用可能です。最近、中高年の登山が人気ですが、もし鍼灸師が登山に同行できれば、膝や腰の痛みをやわらげて、翌日の山歩きをラクにこなすことも可能です。またスポーツ選手の中には、コンディション調整のために大事な試合の前に鍼を受ける人もいます。一般の健康な人に対してもコンディションを調整し、健康な日常生活を過ごすためにも鍼灸治療は有効です。鍼灸の可能性はどんどん広がって行きます」

病気の未然予防が東洋医学の基本
 医療は、病気を治すことに終始するだけでなく、早期発見、早期の治療へ。そして今、病気を未然に防ぐために、健康な人間も半健康な人も病気にならないことを重視する時代に入りました。
 「西洋医学は、基本的には、病名に基づき治療をします。しかし、東洋医学は“未病治”といって、病気を未然に防ぐという考え方が基本にあるわけです。健康な人や半健康な人が医療対象となった現在の状況は、西洋医学の考えより東洋医学の考えに近づいています。私たちは、筑波大学という医学と体育、そして鍼灸を専門とする教員が同じキャンパスにいるというメリットを生かして、スポーツという特殊なジャンルの治療・研究を行ってきましたが、これが、実は一般の人々の日常生活と重なってきているのです」
 アスリートたちの鍼治療を部位別で比較すると、圧倒的に多いのが腰部。次に大腿部、肩関節、膝関節、下腿、足関節、頸部と続きます。
 「一般の患者さんたちも、腰の痛み、肩こり、五十肩、膝痛などで、鍼治療を受けていますが、アスリートと治療部位はほぼ同じです。大腿部の肉離れなど特殊な部位ももちろんありますが。できるだけ健康で長生きするためには、バランスのとれた“栄養・休養・運動”が必要です。そのために、ウオーキングをしたり、山登りをしたり、運動を心がけて、元気に暮らしたいと思っている人が増えています。しかし、中高齢者のほとんどが五十肩、腰痛、膝痛などを抱えています。これらの痛みを予防し、痛みを最小限にして、運動を続けるように応援するのもスポーツ鍼灸の役割です」
 宮本先生は、スポーツ鍼灸は決して特殊な世界の治療ではなく、私たちの日常生活と密着したものになる可能性があると考えています。
 「ウオーキングや山登りを楽しむためにも、鍼灸治療をもっと活用していただければ、と思います。また、鍼灸師もお灸やセルフマッサージ、ストレッチ、アイシングなど、自宅でできるセルフケアプログラムを患者さんのために作成し指導するなど、工夫が必要ですね」
 
プロフィール
宮本 俊和(みやもと としかず)先生
筑波大学大学院人間総合科学研究科准教授。(筑波大学理療科教員養成施設併任)全日本鍼灸学会スポーツ鍼灸委員会委員長。
1984 年より筑波大学陸上競技部での鍼治療。1988年より筑波大学スポーツクリニックでの鍼治療。長野オリンピック、パラリンピックでの鍼治療。現在、スポーツ領域での鍼治療の効果を臨床と基礎の両面から研究している。
著書: 「スポーツ傷害のハリ療法」(医道の日本社)「スポーツ鍼治療マニュアル」(南江堂)、ビデオ: 「スポーツ障害の診かたと治療」(ジャパンライム)、DVD:「スポーツ障害を治す 早期復帰の鍼治療とリハビリテーション」など。



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肥満対策に期待される鍼灸
 記憶の片隅に残っていませんか? 「耳ツボ・ダイエット」のこと。ワーッと盛り上がり消えていった、ある種ブームのひとつであったことは確か。あの「耳ツボ・ダイエット」って何だったのか。あの当時はまだ医学的な検証も少なく、特に西洋医学の世界では認められていなかったのは事実ですが、やせているのにもっとやせたいという、自然の摂理に逆らう女性たちの願望を瞬時に満たすダイエット法ではなかったようです。でも、本当に肥満の人や、最近話題のメタボリック症候群対策として、鍼が有用であるということが、動物実験や人での検証で明らかになってきました。医学博士、白石武昌先生に、耳鍼と肥満についてうかがいました。

耳鍼刺激による減量の可能性
メタボリックシンドロームからの脱却
 「耳鍼療法というのは、食事療法、運動療法、薬物療法、行動療法、外科的療法とともに、肥満治療のひとつであることは、よく知られています。耳鍼療法をやった人が驚くほどやせたということで、マスコミにも取り上げられたこともありました。でも、耳鍼がなぜ減量に効くのか、その仕組みに不明な点も多く、一般の人々に全面的に受け入れられることは、やはり難しいことでした」

耳鍼と脳、そして食欲の研究
 「耳と摂食調節中枢である脳の一部である視床下部が、ほんとうに連絡し合っているのかを、ラットを使って実験しました。耳のさまざまな場所に鍼刺激と電気刺激を行い、視床下部との神経線維連絡の有無を検討、耳のなかでも、ある特定のポイントが視床下部と相互連絡していることをつきとめたのです。次に、肥満ラットと健常ラットによる、耳鍼刺激を行いました。その結果、耳鍼療法は、食欲感の減退と満腹感発生と維持があきらかになりました。また健常ラットより、肥満ラットのほうが、その効果が大きいという結果でした」

耳鍼刺激はなぜ、太るメカニズムへ作用するのか
 「94年の12 月、肥満遺伝子の解明と白色脂肪内で作られるホルモン、レプチンの発見は、さまざまな医学分野に分子生物学的・遺伝子生物学的手法を導入するきっかけとなりました。もちろん肥満症の研究にも大きな発展をもたらしたのです」
 「私たちは何故がお腹がすくのか、沢山食べると何故満腹になるのか、それはどのような仕組みで行われているのか。簡単に説明すると、お腹がすくと、血中のブドウ糖が低下して、脳内の摂食誘発物質が上昇し、視床下部内でブドウ糖の変化を感じる細胞の活動が高まり、食欲が発生します。そして食事をするうちに、血中の血糖値とインスリンが上昇、視床下部内のブドウ糖を受け取る細胞が興奮して、満腹感をもたらします。ブドウ糖やインスリンの上昇で発現する、ある種のホルモンの存在は、94年までは解明されていなかったわけです」
 「レプチンとは何か。食事によりインスリンやブドウ糖が上昇すると肥満遺伝子が白色脂肪組織に命令し、白色脂肪内でレプチンが生成されるのです。レプチンは自律神経系などを介して脳内へ、視床下部、そして視床下部腹内側部へとシグナルを発します。最終的に摂食の停止が命令されます。このレプチンこそ、強力な摂食抑制、体重増加抑制の作用をもつ“満腹物質”であることわかったのです」
 「私たちの研究では、耳鍼刺激によってレプチンの血中濃度が増え、視床下部内の摂食促進物質の生成が抑制され、併せて種々の摂食抑制物質の分泌が亢進するなどがわかりました。このように脳内の摂食調節に関わる諸物質の消長を測定することにより、“耳鍼刺激による減量効果”が明らかになりました。これらの研究成果を国際的な専門雑誌などに既に発表しました。次に、動物実験の結果を踏まえて、肥満者やそうでない人たちに対する耳鍼刺激による減量効果も初めて発表しました。」
 臨床的にある治療法が特定の疾患や症状に有効であるとする事実を理論的・実験的な手法で示すことがこれからの鍼灸のみならず医学一般にも求められているところです。

プロフィール
白石 武昌(しらいし たけまさ)先生 医学博士
元 東海大学医学部 助教授
元 (財)東洋医学研究所 副所長
現 (財)東洋医学研究所 相談役
現 東海大学非常勤教授、
日本生理学会 評議員、日本肥満学会 評議員、日本神経科学会 評議員、日本病態生理学会 評議員など学会活動多数
 「学生のための生理学」(医学書院)、「肥満症」(日本臨床)、「肥満症治療マニュアル」(医歯薬出版)など著書・発表論文多数


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女性と鍼灸
 ハリウッドの女優やセレブたちの「ハリ」通いがメディアで紹介され、今、欧米では「ハリ」美容が注目の的。日本の美容と鍼灸、女性と鍼灸事情を、北川 毅先生にうかがいました。

女性特有のトラブルにも鍼灸は大きな可能性を秘めている
 たるみ、シワ、ニキビなどの皮膚のトラブル、生理痛、月経前症候群、生理不順など婦人科系疾患、ストレス性疾患などにも鍼灸が果たす役割は大きいと、北川 毅先生は指摘します。
 「パソコンの使用やデスクワークの多い女性、職場でストレスを抱えている女性は、首や肩周辺に症状があらわれているケースが多いですね。また、疲れてくると、どうしても顔全体が下がってきます。そうすると老けて見える。そんなとき首、顔、足などに鍼を打つと、スーッと顔全体が上がってきます」
 美容のトラブルは、そのトラブルの箇所だけ、局所的に見てしまいがちだが、東洋医学では局所だけではなく、身体全体を診てトラブルの原因を把握することを基本とします。 「美容を目的として、何回か通われた方から、肌の調子が良くなっただけでなく、手が上がらないくらいひどい肩こりが治ったと喜ばれるようなこともあります。鍼は局所だけ治すのではなく、身体の機能を調節して、身体のバランスを健康な状態に戻すのが役目。きっかけは美容ですが、“目の疲れがとれました”とか“首のコリも治っちゃった!”とか実感できるのが、鍼灸の強みだと思います」
 女性ならではの悩み、生理痛や月経前症候群で悩んでいる場合にも、鍼灸で悪循環を立ち切ることで、人生が大きく変わるケースもあります。
 「仕事もできなくなるほど生理痛がひどくてと、いらっしゃった女性が、鍼灸治療によって今までの人生がうそみたいというくらい改善した事例も少なくありません。つい最近も、体調が改善したことで、仕事に対する意欲が湧き、新しいプロジェクトを立ち上げて生き生きと働くようになった女性がいらっしゃいます。身体の不調によって悪循環に陥っていた仕事や生活が、鍼灸治療をきっかけとして、体調だけではなく、生活ごと改善されるケースもあるのですね。それは生理痛だけでなく、美容上のトラブルも同じこと。鍼を打つことが、小さなターニングポイントになれば、治療家としてこんなにうれしいことはありません」
 
プロフィール
北川 毅(きたがわ たけし)先生
鍼灸師。YOJO SPA オーナー。鈴鹿医療科学鍼灸学部大学非常勤講師(美容鍼灸学)。東京医療福祉専門学校中医セミナー講師(中医美容学)。特定非営利法人日本スパ振興協会理事。大学卒業後、一般企業に就職。学生時代からの志を実現するために、退職して鍼灸師の道へ。東京港区に東洋医学をコンセプトとしたデイスパ「YOJO SPA」を開く。著書・監修・翻訳に『中医学 美養生ダイエット』(新潮社)、『きれい&元気になるツボ』(池田書店)、『DVD 美容鍼灸の実践』(医道の日本社)など。『HANAKO』、『日経ヘルス』、『MEN’s CLUB』など、雑誌取材も多数。


“インナービューティ”と“鍼灸”、どちらも、身体の中からきれいになること
 もともと東洋医学では、肌の状態や目、口など、身体の外側に露出している部分を診て、内側の症状や疾患を診断し治療してきた。鍼灸や漢方を用いることで、内側の疾患を治すと、逆に今までトラブルが出ていた肌も、きれいに改善されるケースが少なくありません。
 「肌荒れやくすみ、小じわ、クマ、むくみなどは、身体の中に何らかのトラブルがありますよ、というシグナルでもあるのです。鍼灸治療によって、内臓や全身的なトラブルが改善されれば、多くの場合に自然と肌トラブルも改善されてきます。このように、健康に基づく“インナービューティ”を追求することが美容鍼灸の本質だと思います」


P13
子どもと鍼灸
刺さない鍼(ハリ)?
 子どもに鍼?とは少し怖い印象ですが、子どもには「刺さない鍼」を使います。中国の鍼灸のバイブルにもある治療法です。
 皮膚への刺激を行う小児鍼を使う方法で、乳幼児から小学生の子どもが主な対象ですが、大人でも鍼を刺すと刺激が強すぎる人や抵抗の強い人などに使います。鍼灸師は、肌質、体質などしっくりと見極めて、その人に合った鍼を選んでいます。

小児鍼の効果と可能性
 小児鍼はいろいろな形をしています。振子鍼、いちょう鍼など接触刺激を行うタイプと、ローラー鍼やウサギ鍼など、摩擦刺激を行うタイプがあります。
 小児鍼は、夜泣き、かんの虫、風邪、中耳炎、夜尿症、下痢、便秘、また、喘息や花粉症などのアレルギーにも効果があります。
 西洋医学と異なり、副作用のない点が安心です。
 小児鍼ではツボのまわりを軽く刺激していくだけで、刺激が伝わり、脳や内臓の働きを活発にします。刺激することで、血流を促進し、交感神経と副交感神経のバランスも整えて、精神的なリラックスもあります。
 鍼灸院では、治療の際、家庭でもできる方法を指導してくれますので尋ねてみるとよいでしょう。


ペットと鍼灸
 今や家族の一員として重要な存在となっているペットの治療に、マッサージとともに鍼灸にも関心が寄せられています。米国や英国を始めとする世界の様々なメディアで、獣医の分野で鍼治療をペットの代替医療として積極的に取り入れる動きが広まっていることが紹介されています。人間に効果のある鍼治療を代替医療としてペットにも積極的に受けさせたいと考えているペットオーナーが増えているそうです。
 近い将来、さらに必要性は高まり、鍼灸師と獣医師との連携によって、ペットへの鍼灸治療もますます盛んになるでしょう。



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■ 鍼灸治療院の選び方

信頼できる治療院を選ぶ
 西洋医学では、運動器、消化器、泌尿器、婦人科、耳鼻科などの診療科目に分かれていますが、鍼灸院はこれら全ての疾患や症状を対象に治療しています。長期の教育期間を経て国家資格を取得した鍼灸師は、当然、確かな技術を有していますが、それぞれの鍼灸院・鍼灸師によって、得意とする分野があります。従って、どの鍼灸院が良いかというのは、患者さんのニーズに応えられるかどうか、また一方で、患者さん自身が信頼関係を築けるかどうかにかかっています。
 治療を受ける際に、問診やカウンセリングがしっかりしているかどうか、助言が適切であるかどうかが重要な判断材料になるでしょう。
 また、通いやすい場所にあることや衛生管理がきちんとしているか、といったことも大切です。シーツやバスタオル、鍼の管理、鍼灸師の手や指の消毒などをチェックしてみてください。
 時間をかけて少しずつ改善に導いていく東洋療法であればこそ、自分自身が信頼できなければ効果を期待することはできません。分らないことがあれば、黙って不安になるよりきちんと問い合わせることです。勿論、患者の立場でも、急に予約の時間に行けなくなった場合には必ず事前に連絡を入れるなど、信頼関係を相互に築く心がけが必要なことは言うまでもありません。

健康保険を利用する
★保険の取り扱い手順
1) 鍼灸院に「健康保険の取り扱いをしていますか?」と問い合わせる。
2) 保険取り扱い可能な鍼灸院で「同意書」という用紙をもらう。
3) この「同意書」をもって、日頃かかりつけの医院か病院に行き、必要事項を記入してもらう。あるいは、同意書の代わりに、病名、症状、発病年月日が記されていて、鍼灸の治療が必要と保険者が判断できる医師の診断書でもOK(一般的には同意書により運用)。
4) 記入済みの同意書か診断書、保険証を鍼灸院に持参。(手続きは鍼灸院にお尋ねください)
 治療院によっては保険を扱わないところもあるので、事前に問い合わせをした方が確実です。

健康保険が受けられる症状
神経痛(例えば、坐骨神経痛など)
リウマチ(急性、慢性で各関節が腫れて痛むもの)
腰痛症(慢性の腰痛、ギックリ腰など)
五十肩(肩の関節が痛く腕があがらないもの)
頸腕症候群(首から肩、腕にかけてしびれて痛むもの)
頸椎捻挫後遺症(首の外傷、むちうち症など)
その他、これに類似する疾患。

その他の保険にも適用
 交通事故の傷害や後遺症などは自賠責保険の適用になりますので、事故を取り扱う保険会社の担当者にお問い合わせを。もし保険適用外といわれたら、通院予定の治療院や各都道府県師会、(社)日本鍼灸師会、(社)全日本鍼灸マッサージ師会に尋ねてみてください。
 また、通院している鍼灸院が労災指定施術所であれば労災が適用されます。
 この他にも、各自治体により鍼灸の助成制度がありますので、鍼灸院にお問い合わせください。

□ 鍼灸の治療費の目安はどの位?
 自由診療の場合で、3,000 〜 5,000 円が目安ですが、内容によっても異なりますので、事前に各治療院にお問い合わせください。

□ 鍼灸院検索サイト
・ 鍼灸ネット http://www.hariq.net/
(サイトの「探す」から検索してください)
・ 各県師会ホームページ
http://www.harikyu.or.jp/ac_contact.html
・ 全日本鍼灸学会ホームページ
http://www.jsam.jp/index.html
(サイトの「認定者検索」から検索してください)
・ 全日本鍼灸マッサージ師会ホームぺージ
http://www.zensin.or.jp



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鍼灸 よくある質問

Q1 鍼灸には副作用はあるのでしょうか?
 ツボを刺激し身体のバランスを整えていく治療法ですので、副作用は殆んどありません。子どもからお年寄りまで、安心して治療を受けることができます。

Q2 鍼は痛くないですか?
 治療に用いる鍼は、直径が0.2mm 以下の細さで、突端も裁縫や注射の針とは異なり痛みをできるだけ伴わないような形状です。痛みといってもほとんど無刺激で蚊に刺される程度のものです。

Q3 鍼はきちんと消毒されているのでしょうか?
 鍼は「ディスポーザブル(使い捨て)」を使用している鍼灸院が大半です。ディスポーザブル鍼は消毒滅菌されて一回使用ごとに廃棄されます。または、「患者さん専用鍼」などの方法もとっていますが、この場合も一回使用ごとにオートクレーブという高温高圧式滅菌装置などで消毒滅菌を行います。心配な場合は、治療院で確認されるとよいでしょう。

Q4 鍼をしている状態で動いても、大丈夫?
 取ることを前提とした皮内鍼といって、皮膚を十分に消毒した後、3-5mm 程の、体の中には入り込まないようにできている鍼をテープでとめておくものであれば、その状態で動いたり運動したりしても大丈夫です。皮内鍼は、色々な疾病に有効で、肥満対策などにも使う場合があります。

Q5 妊娠中でも鍼灸治療をして大丈夫ですか?
 鍼灸治療は身体の免疫力や自然治癒力を高めていく治療法ですので、妊娠中の女性や胎児などへの副作用はなく、投薬による治療ができない方に適しています。鍼灸によってつわりが緩和されたり、流産癖のある人が無事に出産したり、また、逆子が直ったという例もあります。ただし、妊娠していることは治療を受ける前に必ず申告してください。

Q6 病院での治療や投薬中でも鍼灸を受けて大丈夫ですか?
 疾病によっては、投薬と鍼灸との併用によってより高い効果を望める場合もあり、欧米ではそれが標準的な考え方になりつつあります。日本でも積極的に併用治療を推奨している医師、鍼灸師も多数存在します。

Q7 ストレスや更年期、うつ病にも鍼灸は効くのですか?
 ストレスから来るさまざまな症状の改善に、鍼灸は大変有効であるといわれています。また、更年期障害に伴う自律神経失調症や不定愁訴(めまいや動悸、肩こり、腰痛など更年期になってから起こる症状)を治めるには、鍼灸がもっとも適している治療法の一つです。うつ病に関しては、心療内科などの西洋医学との併用治療がより有効と思われます。

Q8 鍼灸は脱毛にも効果があるのでしょうか?
 脱毛の原因は様々ですが、ストレスによる円形脱毛の人が多く、その場合はある程度の効果が期待できます。その他の場合も長期間の治療で効果がみられることもあります。

Q9 鍼でタバコをやめられる、というのは本当ですか?
 治療を受ければ全ての人がやめられるわけではありませんが、効果があるという報告があります。関心がある場合は鍼灸院にお問い合わせください。

Q10 痩せるツボ、はあるのですか?
 痩せるツボとして一般的によく知られているのは耳ですが、鍼による通電や、皮内鍼という鍼による刺激を耳の胃点、肺点に加えると食欲を抑制して体重減少や代謝異常を改善させる可能性が推測された、という報告などもあります。
 しかし、ダイエットを成功させる上で一番大切なことは、正しい生活習慣を継続していくことで、鍼によるツボへの刺激は、そのきっかけを作ることです。よい鍼灸院では、心身全体の健康のために適切なアドバイスや治療を行うことを心がけています。



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鍼灸FACT BOOK (しんきゅう ファクトブック)

−よく耳にするのによく知らない「はり・きゅう」の基礎知識−

第1版 2007年9月発行
発行  鍼灸医療推進研究会
制作:(株)ジャパンピーアールビジョン
資料協力:(株)医道の日本社、森ノ宮医療学園 出版部
写真提供:セイリン(株)、(株)釜屋もぐさ、(株)カナケン

■ 鍼灸医療推進研究会 概要
 鍼灸医療推進研究会は、鍼灸医療に携わる組織が協力して設立した任意団体で、鍼灸医療への理解を広めるためのコミュニケーション活動を推進しています。

■ 鍼灸医療推進研究会 加盟組織
(社)日本鍼灸師会
〒170-0005 東京都豊島区南大塚 3-44-14
Tel:(03)3985-6771  Fax:(03)3985-6622
ホームページアドレス:http://www.harikyu.or.jp/

(社) 全日本鍼灸マッサージ師会
〒160-0004 東京都新宿区四谷三丁目12-17
Tel:(03)3359-6049  Fax:(03)3359-2023
ホームページアドレス:http://www.zensin.or.jp/

(社) 全日本鍼灸学会
〒170-0005 東京都豊島区南大塚 3-44-14(日本鍼灸会館内)
Tel:(03)3985-6188  Fax:(03)3985-6135
ホームページアドレス:http://jsam.jp/

(社)東洋療法学校協会
〒105-0013 東京都港区浜松町1-12-9 第1 長谷川ビル4F
Tel:(03)3432-0258  Fax:(03)3432-0263
ホームページアドレス:http://www.toyoryoho.or.jp/index.php


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< 2007−2008年 鍼灸イベント情報 >

第669回 学術講習会
日時 9月23日(日)13:00-16:30
会場 日本鍼灸会館2 階
会費 会員・学生 3,000円、 一般 3,500円
テーマ
「糖尿病予備軍にどう対処する?」
(講師: 順天堂大学医学部 内科学 教授 河盛隆三)
「糖尿病に対する鍼灸 −骨格筋の糖代謝改善効果−」
(講師: 東京大学医学部附属病院 リハビリテーション部鍼灸部門主任 粕谷大智)
 * 学術講習会は毎月第4 日曜日 13:00-16:30 を基本に開催しています。

第670 回 学術講習会(10月28 日(日))
テーマ「腰痛」

第671 回 学術講習会(11月25 日(日))
テーマ「頭痛」

第672 回 学術講習会(12月9 日(日))
テーマ「スポーツ医学」
詳細情報: http://www.harikyu.or.jp/ac_school.html


第3回(社)日本鍼灸師会全国大会 in 大阪
会期 10月6日(土)−7 日(日)
会場ホテルグランヴィア大阪20F
テーマ
「今、求められる鍼灸医療 〜広めよう! 信頼と鍼灸効果〜」
○概要
特別講演 「離島医療から見たプライマリケアとは」
 (演者: 薩摩川内市立 下甑手打診療所 所長 瀬戸上健二郎)
教育講演 「鍼灸師として生き抜く魂」 
 (演者: 鍼灸 鴻仁院長 長野仁)
市民公開講座 「ストレスに負けずに元気に暮らす」
 (演者: 精神科医 香山リカ)
シンポジウム 「国民のための鍼灸医療の推進を目指す」・「鍼灸医療の質を考える」
       「WHO 経穴国際標準化公式会議報告」他
詳細情報: http://www.harikyu.or.jp/news/zenkokutaikai-3.html


2007 鍼灸国際シンポジウム (中国・北京)
会期 10月20 日(土)−22 日(月)
会場 北京インターナショナル コンベンション センター
テーマ 「鍼灸医学のこれまでと今後の展望」  
     公用語 英語・中国語
詳細情報: http://jsam.jp/19/wfas_2007_beijing.html


第57回(社)全日本鍼灸学会学術大会 (京都大会)
会期 2008 年5 月30 日(金)−6月1日(日)
会場 国立京都国際会館
テーマ 「交流する人体の不思議を科学する」
詳細情報: http://taikai.jsam.jp/


第1回 地域健康つくり指導者研修会
会期 9月23日(日)−24日(月)
主催 全日本鍼灸マッサージ師会
地域での介護予防に貢献するために、全鍼師会介護部では健康つくり指導者を養成
第2回 12月23日(土)−24日(日)


全日本鍼灸マッサージ師会in 幕張
会期 2008 年10月11日(土)−13日(月)
全国大会を開催し、市民に向けた講座、無料体験などを開催企画中

以上

Date: 2008/01/30


増やせ、「健康運動指導士」
【業界トピックス】

○増やせ、「健康運動指導士」

 「メタボリック症候群」(内臓脂肪症候群)対策の一環として厚生労働省は来春から、生活習慣病予備軍に運動を指導する専門家「健康運動指導士」の認定制度を大幅に見直す。専門知識のない人には事前講習を拡充するのに対し、体育系大学の学生、管理栄養士といった一定の知識を持つ人は講習を免除又は削減し、年間の認定者を2000人程度へと倍増させる計画だ。

【資格取得の仕組み図】
・現行
●受講者(誰でも可)→講習148.5時間→認定試験→登録

・新制度
●体育系大学在校生(指定校が対象)→講習なし→認定試験→登録
●体育系大学卒業生→講習66時間→認定試験→登録
●保健師や管理栄養士→講習103.5時間→認定試験→登録
●それ以外→講習180時間→認定試験→登録

 なお、鍼灸マッサージ師の認定要件緩和については、今のところコメントされていない。

以上

Date: 2006/10/05


モード学園、東洋医学分野へ進出!?
【業界トピックス】

○モード学園、東洋医学分野へ進出!?

 学校法人モード学園は、既に開校している「大阪医専」に続き、2008年4月開校を目指し名古屋駅前に「名古屋医専(仮称) 」の設置準備を進めている。
 コ・メディカル分野(看護保健・救急救命・臨床工学・理学療法・作業療法など)に加え、健康・スポーツ分野(スポーツトレーナーなど)、福祉分野(精神保健福祉・介護福祉)、さらに東洋療法分野(鍼灸・鍼灸あん摩マッサージ教員養成・柔道整復)をも包含した巨大な専門学校が誕生する事になる。
 また、同学園は、2009年4月開校予定の医療専門学校(仮称「東京医専」)の校舎として、東京西新宿に50階建ての高層ビル建設を予定している。新ビルは、近隣にある他の専門学校も集約し、計1万人規模の生徒が通う国内最大級の専門学校ビルになる模様。
 さらに、同学園系列の医療専門学校では、今後、あん摩・マッサージ師養成施設の指定獲得に前向きであるとの情報もあり、その去就が注目される。

以上
Date: 2006/10/05


全盲の教授、鍼灸史研究で博士号取得──仏教大の和久田さん
http://www.nikkei.co.jp/kansai/news/35715.html

2006年09月26日/日経産業新聞

・・・一部抜粋・・・
仏教大(京都市北区)は25日、全盲ながら通信教育課程で鍼灸(しんきゅう)史を研究する筑波技術短大教授(鍼灸学)の和久田哲司さん(63)=茨城県つくば市=に、文学博士号を授与すると発表した。
和久田さんは東京教育大(現筑波大)を卒業。日本近世の鍼灸などの歴史をテーマに2003年から研究を続け「鍼灸・手技療法史に関する研究」と題する学位論文をまとめた。
・・・・・・・・・・
上記掲載文の著作権は日経産業新聞にあります。

Date: 2006/09/26


障害者の負担軽減、自治体の4割導入 広がる地域格差
http://www.asahi.com/life/update/0925/003.html

2006年09月25日/朝日新聞

・・・一部抜粋・・・
 障害者自立支援法で障害者に義務づけられた福祉サービス費用の原則1割負担をめぐり、全都道府県と政令指定市など主要市、特別区のうち、約4割が独自の軽減策を実施したり、導入を決めたりしていることが、朝日新聞社の全国調査でわかった。同法が一部施行された4月以降、従来に比べて急激な負担増となったのを緩和する措置。10月から始まる障害児施設の利用料負担でも、同様の軽減策に踏み切る自治体が相次いでおり、住む場所によって障害者の負担が異なる「地域格差」が広がっている実態が浮かび上がった。
・・・・・・・・・・
上記掲載文の著作権は朝日新聞にあります。
Date: 2006/09/25


お年寄り寝たきり予防に5項目チェック 厚労省研究班
http://www.asahi.com/health/news/TKY200609170258.html

2006年09月18日/朝日新聞

・・・一部抜粋・・・
お年寄りが寝たきりになる原因のひとつ、転倒による骨折を防ごうと、厚生労働省の研究班(主任研究者=鳥羽研二・杏林大教授)が、転びやすい人かどうかを判断する簡単なチェックシートをつくった。研究班は「転倒しやすい人は、歩き方に気をつけ、場合によっては老年医療などの専門医らに相談を」と話す。
・・・・・・・・・・
上記掲載文の著作権は朝日新聞にあります。
Date: 2006/09/18


治療装いわいせつ容疑、全国展開の整体院代表逮捕へ
http://www.asahi.com/national/update/0904/OSK200609040031.html

2006年09月04日/朝日新聞

・・・一部抜粋・・・
 治療を装って20代の女性にわいせつ行為を繰り返したとして、大阪府警は4日、大阪市東成区の整体院代表の男(58)について、準強制わいせつと医師法違反(無資格医業)の疑いで逮捕状を取り、事情聴取を始めた。容疑が固まり次第、逮捕する。男は東京や広島、沖縄など全国10カ所で整体院をグループ展開し、整体師を育成する特定非営利活動法人(NPO法人)の役員も務めている。
・・・・・・・・・・
上記掲載文の著作権は朝日新聞にあります。
Date: 2006/09/04


心臓病症状「肩こりや背中の痛み」認識、わずか3割―J&J調査
http://health.nikkei.co.jp/news/top/

2006年8月31日/日経産業新聞

・・・一部抜粋・・・
 肩こりや背中の痛みなどが心臓病の症状として現れることがあると知っている人は3割にとどまることがジョンソン・エンド・ジョンソン(東京・千代田、松本晃社長)の調査で分かった。心臓病は日本人の死因の第2位だが、症状などを詳しく理解している人は少ないようだ。
 「肩こりや歯痛、胸痛、背中の痛みなどが心臓病の症状として現れることがあることを知っているか」と聞いたところ、「よく知っている」と答えた人は6.6%どまり。「なんとなく知っている」を合わせても32.6%にとどまった。
・・・・・・・・・・
上記掲載文の著作権は日経産業新聞にあります。

Date: 2006/08/31


視覚障害者の女性ら青森で研修会
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2006/0726/nto0726_15.asp

2006年07月26日/東奥日報

・・・一部抜粋・・・
全国盲女性研修大会の全国代表者会議と研修会が二十六日、青森市のホテル青森で開かれた。全国の視覚障害者の女性とボランティア計約六百人が、視覚障害者の社会参加促進に向けた課題を考えたり情報交換を行いながら、交流を深めた。
大会は二十五日から三日間の日程で開かれている。日本盲人会連合女性協議会(名取陸子会長)などが主催した。
 本県での開催は初めて。代表者会議では、名取会長が「障害者自立支援法の施行で経済的な危機が忍び寄るが、みんなで力と知恵を出し合い、自分たちの道を切り開こう」とあいさつ。
・・・・・・・・・・
上記掲載文の著作権は東奥日報社にあります。
Date: 2006/07/26


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