全国大会報告
1.河原由佳
去年より少し早く肌寒さを感じ始めた今年の大会は、皆さまも御存知の通り「博多ラーメン・明太子・大宰府」それから忘れちゃいけない「博多美人」でお馴染み。
福岡でした。
大会参加では初の空路。
行きは快適な夜空の旅で辿り着いたのですが、帰りは台風15号(ロウキーちゃんと言う名称だったようです)と一緒に徳島へ帰ってくるという、少しスリリングな締めとなりました。
ジェットコースター等の絶叫系が苦手な河原ですが、バウンドする飛行機は粗い山道を走るかのようで楽しかったです。
さて、そんな大会の初日は、“佐賀のがばいばあちゃん”でも知られる島田洋七さんの講演「笑顔でいきんしゃい!」で始まりました。
さすがに喋りがお上手で、内容に頷き、また、盛大に笑わせていただきました。“笑う”というのも立派な治療の一環だなぁと思いながらも、肩の力が抜けた後は真面目な勉強会。
今回参加した題目は「なぜ免許は必要か!」「わかりやすい東洋医学ニュース」「災害ケア」「スポーツと鍼灸マッサージ」です。
「なぜ免許は必要か!」免許の件は耳に入ってくるたびに頭痛の種だなと実感します。
話の論点は有・無資格者の差別化を如何に図るか。
鍼灸マ師の地位を如何に向上させるか等々。どちらかと言えば職業人主体の話しだったかと思います。
話しの中で一番驚いたのは、犯罪者を収容している間に整体師として養成する案が国会で出されたことがあるという事です。
社会復帰を考えての事なのでしょうが、人の体に触れるという意味で「繊細」なことだと個人的に思う、あんまマッサージ指圧の仕事を軽視しているのでは、と恐ろしく思いました。
勿論、会が一丸となって食い止めたそうですが・・・水面下で動いていそうで怖いです。
話しを戻しまして、治療を受ける側からすれば、気持ち良ければどちらでも・・・。
そもそも有資格者・無資格者の決定的な違いって何なの?と思う方も見受けられます。
今では理髪点へ行った際に、頭や肩のマッサージを当たり前のように行う場所が増えているようですし(気持ち良いと好意的な意見多数であったり、サービスなので金銭絡まずと、現状グレーゾーンのようですが・・・)無資格者自身の認識の甘さも然ることながら、気持ち良ければそれでなんでも、という、治療を受ける側へのアプローチも中々に難しいものがあるのが現実なのでしょうか。
資格の境界線を大衆へ知らせる手段として、治療院以外の外部へ掲示する場を増やす等の他、議員(マッサージ師が国家資格である事を知らない方も少なくない様子)やメディア陣をいかに味方につけて伝えるかも大きな課題なのだと感じました。
「災害ケア」は今大会で大注目の講義でした。
西日本でも東南海地震の可能性がある以上、311と記録される東日本大震災の後、被災者のケアを行うために鍼灸マッサージ師がどう動いたのかを知りたかったからです。
けれど聞いてみた概要は、治療内容よりもカウンセリングに関しての話しが主でした。
治療に関しては、鍼や灸は衛生面を考慮すると扱いにくいという部分に頭を抱えるも、鍼に関しては刺さない鍼を活用すれば、と閃きもありました。しかしながら身体のケアも大事だけれど、それだけでなく一番は心のケアが必要で、何故かと思えば“傾聴・対話する”ことが発散する意味でも大事なのだそうです。
「確かに」と思う反面、PTSDの方に対して迂闊な応対はできないと緊張しそうですが・・・。
こうした話しの中で一点、酷く腹立たしい事件がありました。
ボランティア活動として現地へ赴きながら、被災者へ治療費を請求した・セクハラ行為を行った同業者がいたというのです。思わぬ事実が発覚して煮えくり返る腹立たしさを隠せませんでした。
大震災という被害は中々起こり得る事態ではありませんが、起きた後の対応として、そういう行為をする人に対しての注意や叱責、引き継ぎのためのカルテ作成。
治療者と言っても人である以上、治療者同士のお互いのケア等々。
同業者同士ならではの連携が取れるシステムがきちんと現場で確立できたら良いのに、と感じた講義でした。
色々と考えさせられる内容の多い今回の大会でしたが、今年は新しい顔触れが二人も増えて、華やかで楽しい道中となりました。
しかも他県の先生ともお近付きになれて、とても充実した日を過ごすことが出来ました。
旅は道連れ世は情け。
人の数だけ旅の密度も変わることが実感できる、そんな旅でした。
一緒に行った諸先生方に、この場をお借りして改めてお礼申し上げます。
有り難うございました。
2.近藤里枝
今年鍼灸マッサージ師会に入り、今回初めて東洋療法推進大会に参加しました。
徳島から参加する先生方の中には初めてお会いする先生もいて、ほとんどの先生とはきちんとお話する機会が初めてだったので最初は不安と緊張もありましたが、皆さん優しく面白い先生方ばかりだったので3日間楽しく過ごすことが出来ました。
私自身、福岡に旅行に行くのが初めてでとても楽しみでした。
初めての福岡は人が多くて賑やかで、雰囲気もとても楽しく、イメージしていた通りの所でした。
おいしいご飯を食べお酒も飲み大満足の中、唯一の心残りが屋台のラーメンを食べられなかったこと。
なので、次行った時は絶対に食べます!!
大会1日目は、島田洋七さんの講演会から始まり、楽しくお話しを聞かせていただきました。
今回私は、「温泉とはりきゅうマッサージで健康づくり」、「一般口演」、「災害ケア」、「スポーツと鍼灸マッサージ」のプログラムに参加させていただきました。
特に印象深く残っているのが「一般口演」と「災害ケア」です。
一般口演では、内容が難しい所も多々ありましたが、いろんな先生方の発表を聞き、質問コーナーでのやりとりを聞くだけで楽しめて、個性的な先生が多いなという印象を受けました。
災害ケアでは、東日本大震災のリアルな現状やボランティアのお話をして頂き、ついつい聞き入ってしまいました。
災害の場に実際に足を運び、活動出来ること自体がなかなか出来ることではないと思います。
お話の中で、「私なんかよりボランティアで働いている方に施術してあげて」という風に被災地の方に言われたと聞きました。
被災された方が一番辛い中で、人のことを思いやれる気持ちがすごいなと、なんとも言えない感情になりました。
懇親会では、他県の先生方と交流する機会がありました。
また、学生時代の講師の先生とも久しぶりにお会いでき、お話することが出来たので良かったです。
全国からたくさんの鍼灸マッサージ師の先生が集まる、そういった場が初めてで、なかなかある機会でもないので、とても貴重な経験が出来ました。
3.松田有加
18・19日と2日間にわたって行われる東洋療法推進大会に参加するため、私たち8名は17日の夜、徳島空港に集合し、福岡へと向かいました。
飛行機に乗るのは生まれて2回目の私。
しかもちっさいちっさいのは初体験。
おもちゃみたいな飛行機はプロペラ機と呼ばれていて、これに乗って福岡に行くという怖さと、これから福岡に行くという楽しみとでドキドキとわくわくでいっぱいになりました。
空から見る福岡の街並みはとても明るく、改めて福岡は都会だと感じました。
到着して今まで交流する機会があまりなかった徳島の先生方との食事会。
行くまでは緊張していましたが、皆さんお酒好きで話しやすく優しい方で、とても楽しい時間を過ごせました。
18日。
いよいよ大会初日。
小説から映画にまでなった「佐賀のがばいばあちゃん」で有名な島田洋七さんによる「笑顔でいきんしゃい!」と題した記念講演。
終始笑いに包まれた話はあっという間に時間が経っていました。
その後、各会場に分かれての講演。私は「なぜ免許が必要か!」と「わかりやすい東洋医学ニュース」に参加しました。一言でいうと・・・難しい。
そして熱い!!免許のない人による施術に対する思い、一般の人のマッサージというもののとらえ方など、とにかくいろいろな先生方の思いを短時間で発表しあう。
こんなに鍼・灸・マッサージという免許に対して今まで考えたことのなかった私は、この会場にいるだけでたくさん勉強したような気分を味わえました。
19日。
「家庭でできる健康体操」と「スポーツと鍼灸マッサージ」。
一般の人にも分かるようにというコンセプトで行われた健康体操では、実際に体を動かしながら、ストレッチや簡単な経穴を押すといったもので、説明もわかりやすく簡単なものばかりでした。
夜には懇親会もありたくさんの先生と交流することができとても貴重な3日間を過ごせたこと、全国の鍼灸師・マッサージ師が集まる貴重な大会に参加させてもらえた事に感謝します。
今年は福岡でラーメンだったので来年は静岡ということで伊豆温泉を期待しておこうと思います。
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